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きっと駅前の広告看板のように、覚える間もなく変わる背景に
僕の手に入れた君の一瞬だけが
確かな名前だ

数年後には言葉も
通じなくなって
続きを待っている漫画は完結している
そのあと僕は
どうやって次の理由を探すのだろう

俯いて
俯いている
瞬いて
俯いている
開いて
結んでいる
都会には
塵のような雪が降る

退屈に並ぶ天気予報に
似た後ろ姿見つけてはまた
街は少し色めきたって
明日には溶けるだろう

赤信号に待ちくたびれる頃
道路が黒く濡れて往く道が見えたら
その後僕は
何を言い訳にしてここに
留まるのだろう



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