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山と私

7年前に旅立った父は山男でした。
遺品整理をしてたら
帆布の山のザックやゴツい水筒、登山靴が出てきた。靴は意外にもDannerのなんかがあって驚いた。昭和一桁生まれの父が私の登山靴と同じアメリカの靴を履いていたなんて!

私は40歳を過ぎてから本格的に山女に。
山登りというより走る方でトレイルランニングという数年前までは知らない世界に足を踏み入れた。靴も随分と軽量化し、ハイカットではない足首が見えてるトレイルランニングシューズで充分登れる。半袖、短パン、トレランシューズ。昔ながらの山男が見たら怒られちゃいそうな格好だ。

この間、衝撃的なアルバムと出会った。
Trek Trek。
この音楽を聴いてると
苦しく辛い急登を登って出会った山頂からの素晴らしい景色が思い出される。
ココロに心地良い風が吹いてくる。
出会いとは偶然であり必然である。

山が好きな理由はなんだろう。
遺伝もあるのかな。
父とは好きなものが似てる。
今、父が生きていたらどんな話が出来るかな。

旅立ってから夢に一度だけ出てきたことがある。その時もやはりザックを背負って慌ただしく出かけて行ってしまった。もともとせっかちな人だった。私は準備が出来てなかったから一緒に行けなかった。

起きてから気づいた。
きっとまだ私は一緒に行けないんだよな。


今週末は岩手の山にトレイルランニングレースで行く。父は岩手の生まれ。同じ山に登ったことはあるのかどうか、聞きながら走ってみよう。



途方に暮れたあの日から 永い夜を営み
告げられたばかりでは 心は動けない

静かは荒れる前
光は雲の向こう
夜明けが始まれば
船出はもう近い

途方もなく思えていた 星の空を見上げて
瞬きはそれぞれの 行くべき航路を示す

引かれ合い また遠くなり 導かれる方へ
夜明けは 星たちの問いかけに応える

響き合い広がるように 嵐を受け帆を張れ
夜明けが始まるよ 船出はもう近い

Trek Trek
(船出の歌)

by笹倉慎介



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