すべての山に登れ(mf記)

『サウンド・オブ・ミュージック』という映画が好きだ。ただし観た回数はせいぜい3度ほどだろうか。
むしろサウンドトラック盤を凄い聴き込んで、ちょうど中学生だったのもあって英語の歌詞も一所懸命覚えた。このアルバムの半数くらいは暗記したと思う。
中には発音がよくわからない言葉もあったがなんとなく誤魔化しながら歌ってた。
『エーデルワイス』『ドレミの歌』『私のお気に入り』等など。
そして『すべての山に登れ』も。

この歌は修道院長がヒロインである若いマリアに諭すように歌う。
「夢を見つけるまで  あらゆる山に登り  あらゆる浅瀬を渡り  虹を渡るのです」といった歌詞。勿論、山登りとは喩えである。
これも何となく覚えて、いい歌だなぁと思ってたし、中学生なので自分もマリアの立場で聴いてたに過ぎなかった。

それが随分経ってから気づいた。これが、単に年長者が若者に対して歌ってる歌とは限らないってことに。

私の記憶では『題名のない音楽会』の中で歌われたか演奏された。
日本語の歌詞がテロップで流される。

For as long as you live

この部分に来た時に、ああっ!と思った。

「あなたが生きている限り」!!!!!

そうか。
経験を積むために、或いは何かを得るために、山を登るのは、若い人だけに与えられる特権ではない。
どんなに歳をとろうが挑戦は出来るし、挑戦というほどでなくても新しいものに取り組むことは可能だ。

それこそ、90歳にして新聞ちぎり絵に目覚めた木村セツさんのような方がいらっしゃる。あれだけ素晴らしい作品が作れないとしても挑むことは出来るはず。

生きている限りは、確かに歳とともに様々な衰えを感じるだろうが、好奇心さえあればきっと新しい発見があると思う。
誰かがもう発見したものであろうと、自分が発見する、ということがたいせつなのではないだろうか。
他人から見てつまらないものでも、自分が面白がれたら、それでいいのではないだろうか。

だから「すべて」というわけにはいかないけれど、山に登ってみようか、一步でも半歩でも踏み出してみようか。
そんな気持ちにさせてくれる歌だ。

ともすれば、歳と共にあれも出来ないこれも出来ないという思考に陥りがちだけど、失う一方で何かを得ることだってきっとある。

※これ、歌詞を短絡的に捉えてるとは承知してますが、人生讃歌であることは間違いないと思っています。

#https://youtu.be/ru63cg363oU?si=EliVRpP10KqjeFD2


#すべての山に登れ
#サウンドオブミュージック









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