サボったツケが135円/ドル。

昨今の為替情勢やらなんやら視ていくと。
欧米が軒並み金融緩和政策を解除して通常の金利へ戻していく中、ニホンだけが未だに金融緩和政策を採り続け、先進国と言われるカテゴリーの中で唯一マイナス金利政策を堅持しています。

で、その金利差があってか、円を売ってドルを買う動きがより進行し、昨日135円/ドルを付けたわけです。
3年前の同日の仲値基準で比較すると、26円49銭も円安なのです。
(2022年6月13日→135.00/2019年6月13日→108.51 出典:七十七銀行「米ドル対円相場(仲値)一覧表」)
こうなるとドル建てで金融商品を運用しているヒトとか、海外へ行くヒトは悲鳴を上げていることでしょう。
逆に海外から来たヒトからすれば、ウハウハでしょう。
だってそちらから言えばニホンってモノが安いんですもの。
折しも制限付きながら外国人(いわゆるインバウンド)の観光が再開されたようですし。

円安については色んな要素が絡んでいますので、ワイドショーとかいうのでは単純に説明することなんかできっこないでしょうし、どうせ視てる層から求められてもいないし、やったところで視てる層が??????だからやらないでしょうけど。

金利差もそうですし、昨今の地政学的リスクもそうですし、そして言われているのはニホンの競争力の低下だ!というのが言われています。

確かに空白の30年と言われている間、ニホンの企業は概ね守りの経営をしてきたわけです。
設備も大きく刷新してきませんでしたし、研究をかまけていましたし、何より製造自体を海外へ移してしまいましたし。
特にメーカーなんか研究、もっと言えば内製化にかまけていた節はあります。
特に研究なんてすぐにキャッシュにできませんから、そういうのを軒並みカットしてしまったわけです。
で、研究を業務委託するとか、模倣するとかして。
そして国もそういう研究にカネを効果的に出していたかというと疑問符が付きます。
何せ理系の大学院を出ても、待遇が学卒に少し色を付けた程度なんですし、進路も極めて限られていますし。
そういうのを諸外国(特に中華の国)が逃さずにヘッドハンティングしていったわけですよね。
新卒に限らず、特にバリバリのエキスパートなどを高額の報酬で釣って。
武漢の件はそれを端緒に現していると思いますし。

結局そういうコツコツやるべきことをやってこなかった結果、ニホンに魅力が無いから「売り」だ!となってしまったんでしょうね。

とはいえ、逆に今のニホンにイノベーションが生まれるかというと、それには疑問符が付きます。
成果が出るのは少し先でしょう。
何せ上がつかえていますし(良い意味では言っていない)、すぐ下の世代(氷河期世代=私も属している)は冷遇されていますし、世間はZ世代に夢を託していますし。
何よりニホンの諸制度や商慣行が世界の流れに不適合なものばかりですし。

ま、ニホンは先進国からこぼれていることは間違いないでしょう。
のうのうとG7にニホンが居ること自体に違和感を感じ始めています。
良くない言い方を承知で言えば、海外にくれるカネがあったらそのカネを引き上げてニホンのイノベーションに費やせと。
そうすれば長いスパンで視たときにリターンはあるからと。

もっと言えば年寄り(無論良い意味でのニュアンスではない)ごときに(配らなければいけないモノ以外の)カネを配っている必要なんて無いだろうって。
だって、「上がり」なんでしょう。
そんなのに配ったところで毒にも薬にもならないのに。

ちなみに私の職場でもシニア(定年上がり)のヒトがいつまで働くんだろうねーなんて能天気によく言ってます。
こちらからすれば、あんたらが居るからどうにもなんねえんだよ!って口にこそ出しませんけど内心思っていますけどね。

で、金利差について。
今の総裁では変えないでしょうが、今の総裁は来年自動的に退任しますので、次期の総裁で金融政策が変更されることにはなるでしょう。
それにむけての定石は打っているようですがそれでは間に合わないのでないのですか?って思うのですよね。
要は今の物価高をどう捉えるかになると思うんですが。
聴いている限り、今の状況は一時的なモノでいずれ元に戻るという日和見的にしか日本橋本石町が捉えているようにしか思えません。
そうしておかないと自らのマイナス金利政策を説明できないからでしょうけどね。
先ほど触れた地政学的リスクが起因で輸入に頼っている商品が今後入ってきにくくなる可能性がありますし、それの原価が高騰していることに加えての円安です。

そして給与は上がんないわけで。
カイシャから言われりゃ、無い袖は振れない!っていう理屈でしょう。
その割に多くのカイシャは「タンス預金」には手を付けていないようですし。
ま、スタグフレーションが進行し続けていくんでしょうね。
そしてより格差が開いていく・・・と。
一つ屋根の下でも。

ああ、考えれば考えるほどニホンという国はオワコン化しているように思えて仕方がありません。
いつこの泥舟は沈んでいくんだろうっていう。

ただ、あっちの方には余計に任せられません。
其奴らはなぁんにも考えずに年寄りにじゃぶじゃぶカネを分け与えるんでしょう。
もっとニホンが発展途上国レベルへ衰退していくわって。

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