進んでいるという実感が欲しいだけ。『PRAYING RUN』 UVERworld

　募集中のタグに面白そうなものがあったので投稿してみる。何の実績もない私の駄文などそんな見てくれるはずもないのだが、やはり書くからには見てほしいという思いがある。その欲望を実現するには、やはり人気のある話題での投稿が欠かせないと思ったのだ。

　『PRAYING RUN』。UVERworldが2015年8月26日に発売したシングル『I LOVE THE WORLD』のB面曲である。
　この曲が発売された当時15歳、高校受験を控えていた中学生の私は、高校受験への葛藤を抱えていた。何故勉強しなければならないのか。親が勉強をしろと言う。だけど父親は家で仕事の愚痴を言うことはあっても、その口から楽しかったことなんて聞いたことなかったし、仕事の話を嬉しそうにしたことなんて一度もない。母親は音楽の勉強をしていたので、普通の受験勉強をしたことがない。勉強した成れの果てがそんな幸せそうに見えなかったのだ。勉強して頭のいい人がトップに立って動かしているであろう国家の間では未だに戦争が絶えない。そのころから、野性的、動物的な狩猟採集生活に戻れば、地球の汚染は止まるし、大規模な戦争も起こらなくなるだろうと思っていた。中途半端な知性が人に欲望を抱かせ、階級を創造し、格差が生まれる。勉強をする意味などない、ましてや高校に行く必要などないと思っていた。

　そんなことを考えていたので、当然勉強する気は起きなかった。幸か不幸か学校の成績は優秀であったが、秋から始まった塾の日曜日の定期考査で、成績はどんどん下降していく。そんな最中出会ったのがこの曲であった。

　このMVはドラマ構成になっていて、しがないサラリーマンと負けたボクサーの、夢についての会話から始まる。
　当時の私は夢なんて持っていなかったし、高校でやることなんかねぇ‼︎と思っていたが、1つだけ中学生でやり残したことがあった。バレーボールである。副キャプテンを務めていた私は、良くも悪くも個性派ぞろいのチームメイトをまとめるために奔走していたが、新チーム最初の大会で優勝したチームは、最後の大会で始めの地方大会で敗北を喫した。もっとやれることがあったのではないか、練習をもっとみんなで真剣に取り組めるようにまとめなければならなかったという後悔があった。

　バレーボールで、後悔の無いようにやりきりたい。しかしバレーボールの才能が全くないのは承知していた。どれだけ努力したとして、バレーボールで高校にいけるようなセンスはなかった。そうして何故勉強するのかでぐちゃぐちゃになっていた私に、当時の塾長が遂にキレた。あまり内容は覚えていないのだが、目の前のことから逃げるな、ということを言われたのだと思う。決して勉強が嫌いなわけではないのだ。ただ、やらなければならない押し付けられるようなやり方が嫌だった。だけど、自分が逃げていると思われるのはもっと嫌だった。それならば、藻掻いて、足掻いて、乗り越えていくしかない。

　以下に歌詞を。

Keep on praying
Trailblazer
Believe in you
Keep on running

Praying run
Don't give up and stay on your way
wow wow  Be strong
Check it out Trust yourself

Praying run 
Don't give up and stay on your way
wow wow
俺がお前に勝つとか負けるとか これが叶うとか叶わねぇのか
それができるのか できねぇのかは 全部やって確かめりゃいいだろう

右と左どちらが正解 押すべきか引くべきか 
それが幸と出るか不幸と出るか 全部やって確かめりゃいいだろう

意味があるのかないのか 結果が出るか出ないか
もっかいやっても無駄か 全部やって確かめりゃいいだろう

これがホントの最後か もう手遅れだっとしても
答えが決まってたとしても 全部やって確かめりゃいいだろう

走り続けようとする僕に誰かが言った
あなたは強い人 怖いものはもうないでしょ
そんなわけない 違うよ

僕は止まるのが本当は怖くて
何もかもが一緒に止まってしまいそうで
まだ終わらないでくれって祈るように走って 
いつか起きる奇跡を信じて

Praying run 
Don't give up and stay on your way
wow wow Be strong
まだ終わらせやしない

Praying run 
Don't give up and stay on your way
wow wow

間一髪で危機回避 ここでやめときゃ俺の勝ち 助かる
でも どうせならさ 全部やって確かめりゃいいだろう

できないことはやらない主義ですってこだわり持って格好いい
分かった そのうえでお前もさ 全部やって確かめりゃいいだろう

つき合うとか 合わねぇとか 相性がいい 悪いとか
気持ちがいいか悪いかは 全部やって確かめりゃいいだろう

もっとああしろよとか俺に 文句があんならば
お前も マイク持ってステージ立って 全部やって確かめりゃいいだろう

迷いのない強い人だねって 違う この迷いを

どうすればいいかわからず走って 汗をかけば楽になると思ったのに
それ以上にあふれてくる思いが 水になって目からこぼれてゆく

努力をせずに夢が叶った人と 努力をしても叶わなかった人
共に過ごすこの世界を眺めて それでも今日も祈りを込めて

La la la…
La la la…
La la la…

Praying run 
Don't give up and stay on your way
wow wow Be strong
まだ終わらせやしない

Praying run 
Don't give up and stay on your way
wow wow

気持ちだけが進んでくのに 理想は遠く追いつけそうにない
暗闇を目隠ししたまま ひたすら前にあてもなく

それでも走ってるときだけは 夢に向かって進んでるようで
ときどき目から水がこぼれるけど それも幸せだと思えてるよ

努力をせずに夢が叶った人と 努力をしても叶わなかった人
たとえ僕は叶わない人だとしても この足を止めはしないだろう

いつか誰もが驚くような 奇跡がこの身に起きたとしても
きっと僕だけは驚きはしないだろう 起こるべき奇跡が起きただけさ

祈りよ届け
La la la…
La la la…
La la la…

Praying run 
Don't give up and stay on your way
wow wow Be strong
本気を止まらせやしない
Stay on your way

　この努力は実を結ばないかもしれないが、たとえ夢破れても私は進み続ける。努力するのは強いからじゃなくて、すべて失ってしまうことが怖いから。誰かとの勝ち負けじゃなくて、昨日の自分に誇れる自分でいたいから。
　そうして、無事第一志望にしていた高校に入学した。大学受験で第一志望に通らず、人生初めての挫折を経験し、なかなか上手くいかない人生であるが、そんな今でも何かに向かって懸命に前を向いて走ろうとしている。

　そんな私のそばに、いつもこの曲がいるのだ。

#私の勝負曲