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コロナの3年間とふわふわのくま 【特別インタビュー企画】

こんにちはなの きょうは とくべつへんなの くろねこさんと ころなの おもいでを おはなししちゃうの ふわふわ

■くまさんインタビューによせて

どうも、黒猫ドラネコ(@kurodoraneko15)です。

このたび縁あってご指名いただき、私の盟友であるふわふわのくまさんに初めてインタビューをさせてもらえることになりました。
2011年に字のない絵本「A Fluffy Polar Bear」として誕生したふわふわのくまさんは、可愛らしく進化を続け、豪雨災害の復旧支援をする自衛隊への感謝を表現したことでも知られ、SNS上でみんなに愛されています。
特にこの3年間は、新型コロナウイルスの感染対策などについてもたくさん発信して啓蒙をしてくれていました。
そこで今回は、ドイツをメインに活動し、くまさんと共に世界を駆けるイラストレーター原田みどりさんを交えて、この3年間のコロナ禍を振り返っていきます。

くまさんが始めたnoteでの企画ということで、くまさんには自由に話してもらって、少し分かりにくい(?)部分があれば原田さんに補足していただく形にしたいと思います。

■コロナ禍でのドイツ

黒猫ドラネコ(以下黒猫) それでは、ふわふわのくまさん、原田さん、よろしくお願いします。

ふわふわのくま(以下くま) くまなの ふわふわなの

原田みどり(以下原田) くまさんに代わり補足説明をするスタッフです。よろしくお願いします。

黒猫 くまさんは新型コロナウイルス感染予防に関してたくさんの情報を投稿してくれていましたね。ドイツではどのようにコロナ禍が広がっていったのでしょうか。

くま たいへんだったの ふわふわ どいつの かんせんしゃは 1月の おわりごろ かくにんされたらしいの

原田 そのあと、20年3月17日に、EU全体で国境が封鎖されました。日本にいたドイツ人が大慌てで帰国するようなことがありました。感染者が確認されて、国境をまたぐ電車を止める騒動もありました。

黒猫 そこからロックダウンという流れに。ドイツの方々はどのように過ごされたのでしょうか。

くま みんな おうちにいたの いろんな おみせが しまっちゃったの どこにも いけなかったの ろっくだうんは たいへんなの ふえーん

原田 散歩はしてもよくて、スーパーとドラッグストア、病院、郵便局等が開いていたのでライフラインは保たれていました。印象的だったのは、ドローンを使って外を撮影することを楽しむ人達が多かったことですね。一時期Facebookが空撮の写真だらけになっていました。あとは、バーベキューが好きな国なので、外に出られないのをいいことにベランダでやったりしていました。ロックダウン中はそんな光景が多かったような気がします。

黒猫 くまさんはいつも自由に動き回って私たちを楽しませてくれましたけど、原田さんにとってはお仕事の上でご苦労が多かったのではないでしょうか。

くま ふよ?

原田 コロナ前でも年に1度ぐらいは日本に行けて個展ができていたので、気軽に入国できなくなるのは特に辛かったですね。日本に行くためには、現地の病院か検査センターで日本のフォーマットにPCR検査の陰性証明を書いてもらわないといけなくて、それがないと入国できないのです。イラストの仕事は家でもできるのですが、日本での個展ができないのに加えて、普段は現地のコミケのようなイベントで似顔絵を描いて生計を立てていたこともあったので、それができなくなったのはきつかったですね。

■くまさんのハッシュタグが好評

黒猫 そのロックダウンの頃からくまさんの呼びかけが本格化したんですよね。

くま そうなの 「#ふわふわロックダウン」しりーずなの たくさん かいてもらったの ふわふわなの

原田 少しでも皆さんのためになる情報があればと思いまして。ありがたいことに、くまさん(@fuwafuwanokuma)のフォロワーも増えているので、皆さんが拡散してくださったんです。

黒猫 食べ物についての話題もありましたよね。

くま そうなの ろっくだうんで れすとらんが しまっちゃうの
どこにも いけないから たべものは だいじなの ふえーん

原田 休業を強いられてお持ち帰りだけの営業になっていたレストランを支えるために、できるだけお店で買って帰ったりしていました。スーパーや市場は営業が続いていたのですが、流通の混乱での商品の欠品や食材の高騰もありました。

黒猫 くまさんがいろんなことを言ってくれている中で、特にマスクの呼びかけは印象に残りました。

くま ますくは だいじなの ふわふわ

原田 ヨーロッパは日本のようにマスクをする習慣がなかったと思うのですが、ロックダウン中にはドラッグストアでも、うまく口を隠してマスクだけ買いに来た人を見ましたよ。『マスクは感染を防ぐ』との知見は広まっていました。SNS上でネットミームのように配られていた情報を日本語にして、くまさんに言ってもらいました。

くま どいつでも にゅうしゅこんなんだったの ふえーん

黒猫 2020年当時、日本ではマスクが足りなくなった頃のことですね。

原田 新型コロナが蔓延し始めた頃から、ドイツでも日本同様にマスクが無いけどどうするんだ、という話にはなっていて。ニュースなどで『無かったら銀行強盗みたいにバンダナでもいいから口や鼻を覆え』と。そこから着想したツイートもありました。

https://twitter.com/fuwafuwanokuma/status/1223289592864038912


黒猫 コロナ下での母国語以外の生活は、情報源の真偽の判断が難しかったのではないでしょうか。

原田 情報を収集していたのは、主にラジオとSNSでした。フォロワーさんにマインツ大学で在外研究をされていた行政法学者の横田明美先生(@akmykt)※がいて、ちょうど全盛だったclubhouseで、ドイツ国内の状況や日本との比較を講義みたいにして伝えてくださっていたのが大きかったですね。ドイツのニュースを日本語に直して、誤りなどを指摘して正してくださったので。私も質問したりして、専門家が『こういうことですよ』と解説してくださって、法律に基づいた信用できる知識を得られたのは非常に有り難かったです。

※…当時のドイツでの発信は、ぱうぜ(@kfpause

くま よこたせんせい ありがとうだったの ふわふわ

■ドイツと日本との違いは

黒猫 日本のSNSではマスクを忌避する層が『海外はもうマスクしていない』なんて言っていた時期もありましたが、ドイツの実際の状況はどうだったのでしょうか。

くま おみせとか でんしゃのなかでは ますくを つけないと いけなかったの ふわふわ

原田 最近まで店舗や人が集まる場所や公共交通機関でのマスク着用は法律で定められていましたよ。守らないと罰金です。ノーマスクでバスに乗ろうとする客は乗車を拒否されていました。拒否して暴れた乗客を見たことがありますが、運転手さんが警察に連絡して、次の停留所で連行されたシーンを見ましたね。

黒猫 そうなると政府に抗えというような過激な人々もいたのでは。

くま あばれちゃうの!

原田 大都市の場合は人数が多いので、過激なデモもあったようです。ほかの地域でも、権利を主張するデモは日本よりもあったと思うのですが、『マスクさせるな』とデモをする際にも全員がマスクを着用していましたね。デモは事前に届出をして、当日は規模に応じて警察が出動します。

黒猫 そのへんは日本よりも厳しかったのですね。

くま きびしいの!

原田 日本とは意思決定のプロセスが違いますし、国民性の違いもあると思います。ことし2月2日から『乗車時のマスク着用義務がなくなります』とアナウンスがあって、罰則が解除されました。今、マスクの着用が任意になっているのは日本と同様かもしれません。

黒猫 一斉に規制して、一斉に解除したのですね。医療逼迫のようなこともなかったですか。

くま たいへんなことも あったと おもうの

原田 日本とは人口密度も全く違いますので、現在はそこまで大きな混乱はないと思います。ただ、コロナ禍では日本の医療従事者とドイツでは大きく違う点があったと個人的には思いました。

黒猫 どのような違いが?

くま おやすみは にほんより しっかりとれたみたいなの ふわふわ

原田 こちらのお医者さん達はバカンスのために働いているような人もたくさんいて…。もちろんしっかり仕事をしての話ですが。ほとんどの人が最前線でコロナ禍に直面して外食も気を使ってせずにずっと頑張ってくださっていた日本とはメンタリティも違ったのではと思っています。外食に関してはドイツではロックダウンで強制的に閉店、日本の場合は緊急事態宣言、そして自粛や職場からの要請で行かなかったと思います。

黒猫 医療従事者に限らず、あらゆる職種で日本人の勤勉さとは少し違うかもしれませんね。

原田 ヨーロッパのお医者さんで、隔離されるのを承知の上で休暇を利用して訪日して、日本の隔離ホテル内だけで過ごして日本食を食べて満足して帰った人もいたと聞きます。どうせヨーロッパにいてもロックダウンだから、と。

黒猫 豪胆というか……。医療大国でもあるしドイツの方々は十分な医療は受けられていたのでしょうか?

くま わくちん くまさんも うったの ふわふわ

原田 ワクチンの体制に関しては日本よりもよかったのではと思います。21年2月から、まずは80歳以上のお年寄りに郵便で接種券が来たんです。あらかじめ接種の日程が既に決められていて、都合が悪い人だけ連絡するという形でした。まず80歳を越えている人と医療従事者はそれまず受けて、あとは年齢ごとに段階的に進めていきました。

黒猫 日本では反ワクチン思想にハマった方々だけでなく『めんどくさいから』と受けなかった人も多かったと思いますので、それはうまいやり方だと思いますね。

くま にほんは たくさん でんわをかけたり たいへんそうだったの ふわふわ

原田 高齢者への接種が終わった頃、全年齢用のワクチン接種のポータルサイトもできました。直接病院に自分で申し込んでもよくて、私はそちらで受けました。病院で打てた人はポータルサイトの予約をキャンセルできました。1回目を打った時に2回目の予約の紙をもらってという形でしたね。

■くまさんが繋ぐ縁

黒猫 私も何度か日本での個展にはお邪魔しました。くまさんの発信への労いや感謝の声もあったそうですね。

くま たくさんのひとに よしよししてもらえたり うれしかったの ふわふわなの

原田 医療従事者の方も制限がある中も個展にいらして、くまさんの発信に関するアドバイスをしてくださいました。

くま みんな たいへんななか きてくれたの ありがとうなの ふわふわ

黒猫 そうやってファンが増えてくれるのは嬉しいことですね。

原田 インフルエンサーの方々だけでなく、官公庁の方も来てくださり、2016年頃から自衛隊や関連の方の中にもずっとくまさんを推してくれている人がいて会いに来てくれます。最近では杉花粉アカウント(@tobasuyokafun)にくまさんがよく遊んでもらっている縁で、それを見るのが好きなファンの方々も集まってくれるのが嬉しいですね。

くま かふんは いやなの ふえーん

黒猫 くまさんのふわふわの活動がたくさんの人の繋がりを生んでいるのですね。これからのくまさんと原田さんのご活躍に期待して応援しています。

くま よんでくれて ありがとうなの くろねこさんとも おはなしできて たのしかったの ふわふわなの

<取材・構成=黒猫ドラネコ>

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