20200227 続・試行錯誤について

前回のnote

前回のまとめ

試行錯誤とは,大半を占める失敗に終わった行動と,一部の運良く成功にたどり着いた行動を合わせたものを指す.

正解そのものがわからない(,もしくはない)目標については試行錯誤が不可避である.前にすすむために私たちが取れる選択肢は探索しかないからだ.

それでは,良い試行錯誤,悪い試行錯誤の違いはなんだろうか?

ここでわたしが考える試行錯誤の是非の判断基準を定義する.
第一に,正解にたどり着けるかどうかがもっとも重要である.
第二に,効率的に正解にたどり着くほうがよい.つまりコストが低ければ低いほどよい.

第一の基準については結果論ではないか,たどり着けるかどうかわからないからやっているのだ,と反論されるかもしれないが,すくなくとも事前リサーチでわかることがある.正解(らしきもの)を見つけた人が存在するかどうかだ.これはかなり大きくて,先例があるというだけで,正解がない問いにはまり込むリスクをほぼ排除できる.

第二の基準についても事後的にしかわからないという反論ができる.しかし私たちは作業計画,ワークプラン,見積もりをするという選択ができるし,事前に考える時間をとるだけで回避できるコストも大きい.そして事後的だとしてもフィードバックはかなり重要だ.試行錯誤する仕事において,その機会はいくらでもある(日常的である)場合が多い.次の機会に活かすことが可能であり,複数の試行を観察すれば,その効率は改善されていくだろう.

第一の基準についてもうすこし.
正解をたどりつける場所に設定する,あるいはたどり着ける前提で話をすすめるというのはとても重要だ.(たとえ勘違いでも)手が届くと確信できれば,それはもうたどりついたことを確認するための目標となる.もはや正解がないことを不安視する必要も,正解そのものを探し直す必要もなくなるのである.

結局のところ,基準に基づいて判断できるのは事後でしかないわけである.
ならば正解のない試行錯誤にはまりこむのが一番の愚策で,それを回避する手を打ったうえで,正解(ゴール)を設定し,その達成をどう最短距離で達成するのかを考えるべきである.そしてそれを目指した試行錯誤が良いそれであり,それ以外はすべて悪いそれである.

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