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小説の本棚

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僕が書いた小説みたいなものを置いておく場所です。
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たまらなく遠い日々のために

昔暮らしていたアパートの換気扇は、スイッチを入れるとしばらくファンの羽が通風口の壁に擦れ…

短編小説「駅前の浮浪者」

その日は霧雨が降っていた。 ロータリーの街頭が照らす円錐型の光の中で降り続ける雨粒は、粉…

短編小説「ぬめり」

因節十二歳の誕生日を過ぎて一月ほど経った頃。私はお盆の用事で訪ねた親戚の家の床の間で、畳…