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自分が自分にしてあげられることを、今は精一杯やってみる。

今の私は、思考がなかなかまとまらなかったり、物忘れも多いけれど、
ふっと突然、いいこと思いついたり、素敵な考えが浮かぶ事もある。

そんな時は「私の脳みそも、今すごくがんばってるんだなぁ」と思う。

コロナの影響をこんなにも長く受け続け、たった数日で生活が一変するとは、きっと誰もが想像していなかったはずで、
苦しい時期が長ければ長いほど、この先の事を考えることすら、しんどくなったり。
私も、この先どうなっていくのか先が見えず、手探りで過ごしてきました。

それでも、最近になってよく思う事があります。

この今が、この先の、未来のどこに繋がっているかまだ分からないってこと。

苦しんでるこの今があるからこそ、未来に待ち受けてる何かがあるのかもしれない、という事をしばしば感じます。

後遺症になってから「歌えなくなった」と嘆き、半分以上は諦めかけていた私も、音楽そのものを諦めてしまうことはできず、口笛を吹いたりギターやピアノでメロディを追いかけてきました。

でも、ダイレクトな表現のひとつであり、大好きな「歌うこと」ができないというのは、どこか寂しく、表現しきれなさを感じては、やるせない思いを拭えませんでした。
口笛を吹くことは大好きなのですが、音のこもるビニールハウスの中から、遠くの誰かに歌ってるような感覚で、とてももどかしかったです。

そんな私でも、同じ後遺症仲間のあたたかな励ましがあって、罹患後はじめて歌が歌えた時は、自分もようやく、何かから救われたような、感慨深い思いで満たされました。
表現する事でしか、感じられない「自分」があるということを、改めて教えられた瞬間でもありました。

最近では、歌を歌う時に、だいぶ感情をのせて歌えるようになってきました。
感情を乗せると疲れてしまうので、初めて歌えた時の録音と聴き比べると、それがよく分かりました。
まだまだか弱く、エネルギーは少ないけれど、きっと、それだけ力が戻ってきたんだと思っています。

治療とは、自分が自分にしてあげられる事の積み重ねだな、と心底思います。
そして同時に、人の温かさを一身に受けて、はじめてそう言えるのだと思います。

今回の音楽リハはギターと歌と口笛。
歌詞に共感を覚え、今の自分に沁み入るように感じて選んだ曲です。

『明日への手紙』
歌:手嶌葵
作詞:池田綾子
作曲:池田綾子


特に好きなところは、
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明日を描こうともがきながら

今夢の中へ

形ないものの輝きを

そっとそっと抱きしめて

進むの
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私の勝手な解釈ですが

たとえ、今は形のない、掴みようもないものであっても、確かに感じているものがあるのならば、ありのままのそのままを受け止めて抱きしめて、少しずつ行けばいいよ、
そう言われてる気がします。

これから先も、ゆっくり、ひとつひとつ、出会えた方々みんなで、いっしょに良くなっていきたいと、強く強く思います。


『明日への手紙』
歌:手嶌葵
作詞:池田綾子
作曲:池田綾子

元気でいますか。
大事な人はできましたか。
いつか夢は叶いますか。
この道の先で

覚えていますか
揺れる麦の穂 あの夕映え
地平線 続く空を探し続けていた

明日を描こうともがきながら
今夢の中へ
形ないものの輝きを
そっとそっと抱きしめて
進むの

笑っていますか
あの日のように無邪気な目で
寒い夜も雨の朝もきっとあったでしょう

ふるさとの街は帰る場所ならここにあると
いつだって変わらずに あなたを待っている

明日を描くことを止めないで
今夢の中へ
大切な人のぬくもりを
ずっとずっと忘れずに
進むの

人は迷いながら揺れながら
歩いてゆく
二度とない時の輝きを
見つめていたい

明日を描こうともがきながら
今夢の中へ
形ないものの輝きを
そっとそっと抱きしめて
進むの