僕が初めて歯科に行ったのはたぶん3歳のころ。 子供の頃、虫歯って歯に巣くった恐ろしい魔物のように感じていた。読んだ絵本に影響されたのかもしれない。初めて虫歯っぽくなった時、歯科に行くのが怖くて仕方なかった。何をされるかわからなかったし。 実際、初めて歯科医院に入ったとき、泣きそうだった。キュイーンと大きい音を立てるドリルのようなものやちょっとつんとした消毒薬のようなにおいが怖くて。でも、実際に診てもらうと、優しい先生の笑顔に少し安心した。虫歯になりかけていた歯の治療に、その
学校に行きたいと思った。でも行けなかった。中高一貫校に通っていた頃、突如として原因不明の体調不良に見舞われたからだ。検査を重ねても、医者が言うのは「少々痩せすぎですね」くらいで、他には何も異常が見つからなかった。やがて心療内科を勧められ、受診したが問題はなし。 原因が分からないとすぐに精神的なものだと決めつけられてしまう、 この現実が僕は嫌いだった。実際、後になって体調の悪さは血圧の問題だと判明したんだけど、ありもしない”心の問題”を指摘されたことは今でも心に小さな傷跡を残