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米国株 まとめ 4月5日:堅調な米労働市場が経済を牽引し、株価は上昇 *備忘録*

S&P500指数(SPY)は+1.11%、ダウ工業株指数(DIA)は+0.80%、ナスダック100指数(QQQ)は+1.28%
株価指数は緩やかな上昇となった。米国経済の好調が個人消費と企業収益を引き続き促進するという楽観的な見方から、株価は上昇した。 雇用統計が予想を上回ったことで、長期金利上昇の可能性が高まった後も株価は上昇した。 雇用統計で3月の平均時給が前年同月比4.1%増と、過去2~3年4カ月で最も低い上昇ペースとなったことを受け、賃金上昇圧力が和らいだことも株価の支援材料となった。株価にとってマイナス要因となったのは、米雇用統計が予想を大幅に上回った後、米国債利回りが急上昇したことだ。3月の非農業部門雇用者数は30万3,000人増と予想を大幅に上回り、過去10ヵ月で最大の伸びとなったため、FRBは利下げを急がないとの見方が強まった。
FRBがタカ派的な発言をしたことで、T-Note債券利回りは上昇し、FRBがすぐに利下げを行うことはないだろうと示唆された。
ダラス連銀のローガン総裁は、インフレの進展が停滞し、物価上昇率がFRBの目標である2%まで「適時に」冷え込まない可能性を懸念し、利下げを考えるのは「あまりに早すぎる」と述べた。
また、ボーマンFRB総裁は、インフレには多くの上振れリスクがあると引き続き見ており、利下げは「まだ時期ではない」と述べた。 また、低水準で安定したインフレと整合的なフェデラルファンド金利の水準が「パンデミック前よりも高くなる可能性は十分にある」とし、そうであれば、金融政策スタンスを中立的な水準に戻すために、最終的には利下げ幅を減らすことが適切になるだろうと述べた。
米3月非農業部門雇用者数は+30.3万人と予想の+21.4万人を上回り、過去10ヵ月で最大の増加となった。 3月の失業率は-0.1%の3.8%と予想通りだった。3月平均時給は前年同月比+4.1%と、2月の同+4.3%から予想通り鈍化し、過去2年4ヵ月で最も低い上昇ペースとなった。
米2月消費者信用は+141.25億ドルと、予想の+15.00億ドルを下回った。
市場では、次回4月30日~5月1日のFOMCで-25bpの利下げが実施される可能性を6%、次回6月11日~12日のFOMCで53%と織り込んでいる。
海外株式市場は下落した。 ユーロ・ストックス50種株価指数は2週間ぶりの安値となり、-1.10%の下落。 中国の上海総合株価指数は「墓参の日」の祝日で休場となった。 日本の日経平均株価は3週間ぶりの安値となり、-1.96%の下落。

おもな米国株の動き
ニューモント(NEM)は、金価格が史上最高値を更新し、銀価格も2年ぶりの高値に上昇したことから、+5%以上上昇した。
ウェスタンデジタル(WDC)は、ローゼンブラット証券が株価目標を115ドルとし、中立から買いに格上げしたため、+3%以上上昇した。
アーチ・キャピタル・グループ(ACGL)は、同社の保険部門がアリアンツ・グローバルのUSミッドコープとエンターテインメント・インシュアランス事業を4億5000万ドルで買収すると発表し、+3%以上上昇した。
ウーバー・テクノロジーズ(UBER)は、ジェフリーズが目標株価を95ドルから100ドルに引き上げたことで、+3%以上上昇した。
イートン・コーポレーション(ETN)は、RBCキャピタル・マーケッツが目標株価を371ドルから371ドルに引き上げ、セクター・パフォームからアウトパフォームに格上げしたため、+3%以上上昇した。
チップ株が上昇し、テクノロジー・セクターの上昇を支えた。エヌビディア(NVDA)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ASMLホールディングNV(ASML)、アプライド・マテリアルズ(AMAT)は+2%以上上昇した。 また、ブロードコム(AVGO)、マーベル・テクノロジー(MRVL)、KLAコープ(KLAC)、ラム・リサーチ(LRCX)、マイクロチップ・テクノロジー(MCHP)も+1%以上上昇した。
クリスピー・クリーム (DNUT) は、パイパー・サンドラーが目標株価を20ドルとし、株価をニュートラルからオーバーウエイトに格上げした後、+7%以上上昇した。
ヴァーティヴ・ホールディングス(VRT)は、オッペンハイマーがアウトパフォーム推奨、目標株価96ドルでカバレッジを開始した後、+5%以上上昇した。
ショックウェーブ・メディカル(SWAV)は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が131億ドル(1株335ドル)で買収することで合意し、+1%以上上昇した。
テスラ(TSLA)は、ロイターの報道で同社が低価格のエントリーレベルのテスラ車を製造する計画を中止したと報じられ、-3%以上下落してナスダック100の下落率トップとなった。
パラマウント・グローバル(PARA)は、CNBCがスカイダンス・メディアは同社の株式公開を維持し、資産の合併と新たな資本調達によって同社の実質的な少数株主か過半数を所有すると報じたため、-3%以上下落した。
ラム・ウェストン・ホールディングス(LW)は、シティグループが目標株価を132ドルから106ドルに引き下げたため、-2%以上下落した。
インテル(INTC)は-2%以上下落し、ダウ工業株とナスダック100の下落率トップとなった。
市場全体が上昇したため、ディフェンシブなパッケージ食品メーカーは下落した。 その結果、キャンベル・スープ(CPB)、ホーメル・フーズ(HRL)、J Mスマッカー(SJM)、ハーシー(HSY)、マコーミック・アンド・カンパニー(MKC)は-1%以上の下落となった。
CCCインテリジェント・ソリューションズ(CCCS)は、普通株式2000万株の売出し提案を発表し、-1%以上下落した。

金利
10年物T-note債券先物は、-15ティック下落して引けた。 10年物T-Note債券利回りは+8.1bp上昇し4.390%となった。 米3月非農業部門雇用者数が予想以上に増加し、FRBが利下げを急がないとの思惑が強まったため、T-Note債券先物価格は下落した。 また、10年物のブレーク・イーブン・インフレ率が2.399%と4年4ヵ月ぶりの高水準に上昇したため、インフレ期待の高まりがT-Note債券相場を下押しした。 ダラス連銀のローガン総裁とボーマン総裁が、利下げを考えるのは「あまりに早すぎる」とタカ派的な発言をしたため、T-Note債券は損失を維持した。
欧州国債利回りは上昇した。 ドイツ10年債利回りは+3.8bpの2.399%に上昇した。 英国の10年物ギルト利回りは+4.8bpの4.069%に上昇した。

為替
米労働市場の強さを受けてドルは上昇

ドルインデックスは+0.19%上昇した。 ドルは、米非農業部門雇用者数が予想以上に増加し、FRBが金利引き下げを急がないとの見方が強まったことが支援材料となった。 T-Note債券利回りの上昇もドルの支援材料となった。 加えて、ダラス連銀のローガン総裁とボーマン総裁が「今は利下げを始める時期ではない」とタカ派的な発言をしたことも、ドルにとって強気材料となった。 しかし、株高がドルの流動性需要を抑制した。
ユーロ/米ドル は-0.03%下落した。 ユーロは小幅な損失となり、2月小売売上高とドイツ2月工場受注に関する予想を下回るユーロ圏の経済ニュースを受けて、売り圧力を受けた。 米3月非農業部門雇用者数が予想を上回ったことがドルを押し上げたため、ユーロは引き続き下落した。
ユーロ圏の2月小売売上高は前月比-0.5%で、予想の前月比-0.4%より弱い結果となった。
独2月工場受注は前月比+0.2%、予想の+0.7%より弱い伸び。
ドイツ2月輸入物価指数は前月比-0.2%、前年同月比-4.9%と、前月比横ばい、前年同月比-4.6%の予想より弱い結果となった。
スワップでは、ECBによる-25bpの利下げの可能性を、次回4月11日の会合で7%、次回6月6日の会合で97%としている。
米ドル/円は+0.17%上昇した。 円は対ドルで2週間ぶりの高値から後退し、米国の5月雇用統計が予想を上回ったことでT-Note債券利回りが急上昇した後、下落に転じた。 円相場は当初、2月の家計消費支出や2月の景気先行指数CIなど、日本の経済指標が予想を上回ったことで円高に振れた。 また、植田日銀総裁が「夏から秋にかけてインフレ目標達成の可能性は着実に高まる」とタカ派的な発言をしたことも、円相場を押し上げた。
日本2月景気先行指数CIは+2.3上昇し111.8と1年半ぶりの高水準となり、予想の111.6を上回った。
2月の家計消費支出は前年同月比-0.5%で、予想の-2.9%を上回った。
植田日銀総裁は、夏から秋にかけて日銀のインフレ目標達成の可能性が着実に高まると述べ、日銀が金利を引き上げるとの観測を煽った
スワップ取引では、日銀が4月26日の会合で0%、翌6月14日の会合で8%の利上げを実施する可能性が、それぞれ+10bpとされている。

金は+36.9 (+1.60%)、銀は+0.256 (+0.94%)
貴金属相場は、序盤の下げを引き継いで小幅続伸し、金先物がコントラクト高値を更新、期近の金先物取引でも最高値を更新した。 また、銀も最高値を更新し、期近の銀は2年ぶりの高値を付けた
。 貴金属は、イランとイスラエルの地政学的リスクの高まりを受け、上昇したイランは、シリアでイラン軍関係者を空爆したイスラエルへの報復を予告しており、貴金属の安全資産としての需要を高めている。 また、ETFの銀のロング保有量が木曜日に7ヶ月1/4ヶ月ぶりの高水準に上昇したことから、銀のファンド買いが銀相場を支えている。ドル高は貴金属にとって弱材料となった。 米3月非農業部門雇用者数が予想を上回り、米労働市場の堅調さがFRBの利下げを抑制するとの見方が強まったことも貴金属の弱気材料となった。 加えて、世界的な債券利回りの上昇は貴金属にとってマイナスだった。

中東情勢の緊迫化が原油価格の下支えとなる
WTI原油は+0.32 (+0.37%)、RBOBガソリンは-0.56 (-0.20%)
原油とガソリン価格はまちまちで、中東情勢の緊迫化が石油供給の途絶につながる可能性があることから、原油は5年4カ月ぶりの高値を付けたイランは、シリアの大使館空爆でイラン軍幹部が死亡したことに対し、イスラエルへの復讐を誓っており、イスラエルとハマスの戦争がイランを直接巻き込む恐れが高まっている。 ドル高は原油価格の上昇を制限し、ガソリン価格をマイナス圏に押しやった。米雇用統計が予想を上回ったことは、エネルギー需要と原油価格を支える経済の力強さを示唆した。
サウジアラビアが予想以上の原油価格引き上げに踏み切ったことは、原油の支援材料となった。 国営サウジアラムコは、アジアの需要家向けにアラブライト原油の5月渡しの価格を、予想の+10セント/バレルを上回る+30セント/バレル引き上げた。
原油価格は、水曜日に開催されたOPEC+の月例総会で、6月末まで約200万B/Dの減産を維持するとしていた現行の減産措置の変更を示唆しなかったことが、持ち越しの支援材料となっている。 しかし、OPECの3月の原油生産量は前年同月比1万B/D増の2,686万B/Dとなり、イラクとUAEが引き続き生産枠を上回っていることから、原油価格にとっては弱材料となった。
ベーカー・ヒューズ社が金曜日に発表した4月5日に終わる週の米石油リグ稼働数は、2リグ増の508リグとなり、11月10日に記録した2年ぶりの低水準となる494リグを緩やかに上回った。 米国の石油リグ数は、2022年12月に記録した627リグという3年4ヶ月ぶりの高水準から、過去1年間で減少している。

※当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として翻訳、作成した資料です。投資勧誘を目的としたものではありません。翻訳の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する決定は、ご自身で判断なさるようお願いいたします。
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