スペースXはボーイイングを買収すべき

面白い記事がシ―キング・アルファにあったので紹介します。

SpaceXはBoeingを買うべき?ある投資家は「イエス」と言う
By: Rob Williams
 
ボーイング(NYSE:BA)は、737 MAXの2度の致命的な墜落事故やその他の困難への対処で損失が積み重なり、事業の再建に取り組んでいる航空機メーカーです。イーロン・マスクが設立した宇宙船メーカー、SpaceX(スペースX)がボーイング(BA)を買収して解体すれば、その投資家は最高に報われるのではないかという主張です。
これは、Bullpen Capital(ブルペン・キャピタル)のパートナー、Duncan Davidson(ダンカン・デビッドソン)が木曜日にビジネスニュースチャンネルCNBCのインタビューで語った主張です。
「イーロンは物事を修正するのが好きだ。ボーイング(BA)は修正する必要がある」とデビッドソンは述べました。「イーロンの望むボーイングの宇宙部門は、比較的安価になるかもしれない。なぜなら、ボーイング(BA)は破格のディスカウントで売られていると思うからです。」
このようなシナリオでは、スペースX はボーイングを買収し、防衛と商用ジェット部門をスピンオフし、宇宙船事業を保持することになります。この動きによって、スペースXは、国際宇宙ステーションに宇宙飛行士を送り届けるロケットなど、米国政府からより長期的な契約を獲得することができるようになるでしょう。
「ところで、なぜイーロンは適任なのかというと、ボーイングはエンジニアリング文化に戻らなければならないからです」とデビッドソン氏は言い、図面から出なかった飛行機として797を指摘しました。「エンジニアリングの文化があれば、この飛行機を世に送り出すことができたはずです。財務の文化は何も生み出さない」。
電気自動車のパイオニアであるテスラ(TSLA)のCEOでもあるマスク氏は先月、ソーシャルメディアプラットフォームのツイッター(TWTR)を非公開化する440億ドルの取引を完了させた。同氏は現在、ツイッターの成長を広告収入に依存しないようにする計画を実行しています。
デビッドソン氏はまた、ストリーミングビデオ市場でアップル(AAPL)とアマゾン(AMZN)に追いつくために、テクノロジー大手マイクロソフト(MSFT)はストリーミング機器メーカーのロク(ROKU)を買収すべきだと述べました。この動きは、独禁法当局が買収を阻止しないことを前提に、マイクロソフト(MSFT)が最終的にネットフリックス(NFLX)を買収するための位置付けとなります。
オンライン市場のイーベイ(EBAY)も、今年株価が95%下落したオンライン中古車販売店のカーバナ(CVNA)を買収して、取扱商品を拡大すべきだ、とデビッドソン氏は指摘します。
 
コメント
このような主張がすぐに出てくるのも、アメリカらしいと思います。日本でいえば、ビジョンファンドが絶好調だったころに、SBIが改革の進まない東芝を買収した方がいいというような主張です。日本でこのような主張が出てきた時には、経済産業省やら日本政府からの介入が起こって大変な騒ぎになるでしょうが、アメリカでは普通に受け止められます。そうやってアメリカの経済牽引役となるリーディング・カンパニーが変遷してきたことで、今のアメリカがあります。なんともダイナミックな経済です。それに引き換え、日本と言えば、重厚長大な旧式経営を行っている企業を守ろうとします。このような社会では、成長はありません。東芝の例を出すまでもなく、「ボーイングはエンジニアリング文化に戻らなければならないからで、エンジニアリングの文化があれば、この飛行機を世に送り出すことができたはずです。財務の文化は何も生み出さない」というデビットソンの主張は妙に納得します。今の日本の社会は、「老人の、老人による、老人のための社会」になっています。
イーロン・マスクがボーイングを買収すればという意見が普通に出てくるアメリカという社会の時代の変遷に対する対応力の底力を感じます。FRBの利上げが終わったら、また株式市場は上昇していき新たなリーディング・カンパニーが生まれてくるのでしょう。

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