レイダリオ氏のインタビュー記

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者であるレイ・ダリオ氏がインドのインタビュー受けているようです。インタビュー記事が面白かったので紹介します。

独占インタビュー:「インドは最も高い成長率を示すはずだ」とブリッジウォーター・アソシエイツの創業者レイ・ダリオが語る
 
ダリオ氏は、インドの負債水準と他の多くの指標から、今後10年間はうまくいくはず、債務者にとってはそれほど高くない金利を設定するという、バランスを取ることであると言う。
 https://www.businesstoday.in/latest/corporate/story/exclusive-india-should-have-highest-growth-rate-says-bridgewater-associates-founder-ray-dalio-352635-2022-11-11
アミット・マッドギル記者
ニューデリー
2022年11月11日

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者レイ・ダリオ氏は、インドに大きな可能性を見出している。Dalio氏は、様々な指標を用い、インドが今後最も高い成長率を示すはずだと考えているそうだ。

Business Today TVのUdayan Mukherjeeとのインタビューで、ダリオ氏は、インドは世界の資本市場に開放されつつあり、それが続けば、インドの資本市場にとっても、資本フローの面で良いことだろう、と述べました。
ダリオ氏は、現在進行中の世界的な紛争において、インドはほぼ中立の立場を取っており、これは良いことだと述べました。「我々は、今後10年間の成長率を示す指標を使用している。その指標の中には、教育を受けた人のコストも含まれている。つまり、教育レベルだけでなく、それがどれだけ高価なものであるかも重要なのです。その他、貿易や資本フローの障壁、汚職の度合いなども含まれます。バランスよく考えれば、インドはどの国よりも高い成長率を示すはずだ」とダリオ氏は語りました。
ダリオ氏はこのほかにも、インフレや利上げなど、さまざまな問題について触れました。
 
インフレ率
ダリオ氏は、インフレがピークに達するかどうかは3つの要因に左右されるとし、その第一は債務の創出であると述べました。さらに、"破壊的で関連性のある"他の2つの要因も指摘しました。
「その2つの要因とは、大きな貧富の差による大きな内部対立であり、それが左派のポピュリズムと右派のポピュリズムを生み出し、互いに対立しています。特にアメリカでは、それが顕著に見られます。そうしたお金の問題にどう対処するのか。お金の問題だけでなく、票田政治になっています。」と述べました。3つ目の要因は、国際的な大国間の対立だと言います。「もはや、アメリカは唯一の支配国ではありません。だから、中国と米国の間に大きな対立となっています。そして、それが経済的に破壊的な影響を及ぼしています。サプライチェーンがより困難になるなど、経済的な混乱を招いています。そして、それがインフレを助長しています。そしてもちろん、他の懸念も生じています。つまり、これら3つの相互作用によって決定されています。」と語りました。
 
金利
ダリオ氏は、金利カーブはFRBが何をしようとしているのかによるだろうと示唆しました。「インフレ率はおそらく5%程度になると思います。しかし、このインフレ率には様々なショックがあるため、非常に不確実性が高くなっています。しかし、今回の引き締めの結果、おそらく4.5〜5パーセントに落ち着くだろうと思います。実質金利、つまり今の金利がインフレ率を上回る率は、1.5パーセント近辺、それより少し高いくらいです。ということは、おそらく6パーセントのリスクフリーレートに近づいていることになります。」とダリオ氏は語りました。
連邦準備制度理事会は短期金利をそのレベルまで引き上げるだろう、とダリオ氏は述べ、この金利レベルは有害であり、経済にダメージを与えるものだと付け加えました。

動画は以下のリンクで見ることができます。
https://www.indiatoday.in/programme/business-today/video/world-is-staring-at-stagflation-ray-dalio-2296289-2022-11-11

コメント:ダリオ氏は、過去のFRBの金融引き締め期と同じように、政策金利をインフレ率よりも1.5%程度高い水準まで引き上げるのでは?と考えているようです。同感です。マクロ系ヘッジファンドは、今年非常に高いパフォーマンスを上げています。株、金利はショート、商品(エネルギー、金属、農作物)は前半ロングから5、6月以降ドテンしてショート。これらはすべて非常にうまくいっています。日本国債ショートではやられたとのうわさを聞きました。11月のCPI発表以降、株式市場は買い戻されていますが、FRBのターミナルレートがダリオ氏の言うように6%となれば、もう一段の株式の調整は免れないでしょう。米株式市場については引き続きショートを作る機会と考えています。

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