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米国株 まとめ 1月5日:不安定な取引で株価は小幅な上昇 *備忘録*

株価は、S&P500とナスダック100が3週間ぶりの安値から回復し、ダウ工業株30種指数が2週間ぶりの安値から回復したため、不安定な取引で小幅な上昇となった。 予想以上に強い米12月雇用統計が債券利回りを押し上げ、FRBがすぐにでも利下げに踏み切るとの観測を後退させたため、株価は方向性を見失い、下落して始まった。その後、米12月ISMサービス業景況指数が予想以上に低調な内容となったため、債券利回りが上昇を止め、下落に転じたため、株価は回復し、午前中にプラス圏に浮上した。 その後、債券利回りが回復し上昇に転じると、株価は最高水準から反落した。 しかし、金曜の午後にリッチモンド連銀のバーキン総裁が、経済が正常化し、インフレの下振れに対する確信が高まれば、利下げに「異議はない」と発言したことで、株価は引けにかけて上昇した。
ユーロ圏の12月消費者物価指数が11月から加速し、ECBが金融緩和を実施する可能性が低下したため、欧州国債利回りが3週間ぶりの高水準に上昇した。
米12月非農業部門雇用者数は21万6,000人増と、予想の17万5,000人増を上回った。 また、12月の失業率は横ばいの3.7%で、予想の3.8%への上昇を上回った。米12月平均時給は前月比+0.4%、前年同月比+4.1%と、前月比+0.3%、前年同月比+3.9%の予想を上回った。
米12月ISMサービス指数は前月比-2.1低下の50.6と7ヵ月ぶりの低水準、予想の52.5を下回った。
米11月工場受注は前月比2.6%増と予想の同2.4%増を上回り、過去2年4ヵ月で最大の伸びとなった。
市場では、1月30~31日に開催される次回FOMCで-25bpの利下げが実施される可能性を7%、3月19~20日に開催される次回FOMCで同-25bpの利下げが実施される可能性を70%と織り込んでいる。

欧米国債利回りは上昇した。10年物T-Note債券利回りは4.097%と3週間ぶりの高水準まで上昇し、+4.9bpの4.048%で終えた。 ドイツ10年債利回りは3週間ぶりの高水準となる2.217%まで上昇し、+3.2bp高の2.156%で終えた。 英10年ギルト利回りは3.852%と3週間ぶりの高水準に上昇し、+6.1bpの3.787%で終えた。
海外株式市場はまちまちだった。 ユーロ・ストックス50種指数は-0.23%。 中国の上海総合指数は-0.85%。日本の日経平均株価は+0.27%上昇した。

おもな株価の動き
過去最高の休暇旅行需要が今年も続くという楽観的な見方から、航空株は上昇したサウスウエスト航空(LUV)は+4%以上、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)、デルタ航空(DAL)、アメリカン航空グループ(AAL)は+3%以上上昇した。
地銀株は上昇し、市場全体の上昇を支えたシンクロニー・ファイナンシャル(SYF)、ザイオンス・バンコープ(ZION)、シチズンズ・ファイナンシャル・グループ(CFG)は+3%以上の上昇で引けた。 また、コメリカ(CMA)、キーコープ(KEY)、ハンティントン・バンクシェアーズ(HBAN)、フィフス・サード・バンク(FITB)、リージョンズ・ファイナンシャル(RF)は+2%以上の上昇。
コンステレーション・ブランズ(STZ)は、第3四半期の比較可能EPSを3.19ドルとコンセンサス(3.03ドル)を上回り、通期の営業キャッシュフロー予想を従来の24億-26億ドルから26億-28億ドルに引き上げ、2%上昇した。
カーニバル(CCL)は、ウェルズ・ファーゴ証券が目標株価を22ドルとし、イコールウェイトからオーバーウェイトに格上げしたことで、+2%以上上昇した。
最近売られていたチップ株が反発した。 マーベル・テクノロジー(MRVL)は+3%以上上昇し、ナスダック100の上昇率トップとなった。 また、エヌビディア(NVDA)は+2%以上、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は+1%以上、マイクロン・テクノロジー(MU)は+0.89%上昇した。
Elanco Animal Health (ELAN)は、Stifelが目標株価を20ドルとし、ホールドからバイにアップグレードした後、+6%以上上昇した。
マンデードットコム(MNDY)は、ジェフリーズが目標株価230ドルでホールドからバイにアップグレードした後、+2%以上上昇した。
ダン・アンド・ブラッドストリート(DNB)は、レイモンド・ジェームスがアウトパフォームからストロングバイに格上げしたことで、+2%以上上昇した。
MSCI Inc (MSCI) は、レイモンド・ジェームスがアウトパフォームからマーケットパフォームに格下げしたため、-3%以上下落し、S&P500の下落率トップとなった。
ヘルスケア関連銘柄は金曜日に圧力を受けた。 ヒューマナ(HUM)は-1%以上、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)は-1%以上下落し、ダウ平均株価の下落率トップとなった。 また、エレバンス・ヘルス(ELV)も-1%近く下落した。
コナ・ブランズ(CAG)は、木曜日の決算発表以降アナリストが平均3.4%目標株価を引き下げたため、-1%以上下落した。
ユナイテッド・レンタル(URI)は、BNPパリバ・エグザンが目標株価を485ドルとし、アウトパフォームからアンダーパフォームに格下げしたため、-1%以上下落した。
ハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)は、バークレイズがオーバーウェイトからイコールウェイトに格下げしたため、-1%以上下落した。
メトラー・トレド・インターナショナル(MTD)は、第4四半期の現地通貨建て売上高(速報値)が約-13%減となり、従来のガイダンス(-7%~-8%)より弱くなったと発表し、-1%以上下落した。
アジロン・ヘルス (AGL) は、通期の調整後 Ebitda 見通しを 600 万~1800 万ドルの黒字から 5500 万~6900 万ドルの赤字に下方修正し、-28%以上下落した。
パランティア・テクノロジーズ(PLTR)は、ジェフリーズが目標株価を13ドルとし、ホールドからアンダーパフォームに格下げしたため、-1%以上下落した。

債券、為替、商品市場
3月限10年物T-Note債券先物は-8.5ティック下落し、10年物T-Note債利回りは+4.9bp上昇し4.048%となった。 T-Note債券先物は3週間ぶりの低水準まで下落し、10年T-Note利回りは3週間ぶりの高水準となる4.097%まで上昇した。 債券価格は、ドイツ10年物ブンズ利回りと英国10年物ギルト利回りが3週間ぶりの高水準に上昇した後、欧州国債利回りの上昇によるマイナスのキャリーオーバーで下落した。米12月雇用者数が予想を上回り、FRBの利下げ観測が後退したため、T-Note債券は安値まで下落した。 また、10年物のブレーク・イーブン・インフレ率が2.247%と3週間ぶりの高水準に上昇したことを受け、インフレ期待が高まったこともT債券の弱気材料となった。米12月ISMサービス指数が予想以上に低下し7カ月ぶりの低水準となった後、T-Note債は午前中に損失を回復し、一時上昇に転じた。 また、リッチモンド連銀のバーキン総裁が、経済が正常化し、インフレがFRBの目標である2%へ向けて納得のいく道筋をたどっているとの確信が高まれば、利下げに異存はないとのハト派的な発言をしたことで、T-Note債券のショートカバーに火がついた。

堅調な米雇用統計を受けて債券利回りが上昇、ドルは小幅上昇
ドルインデックスは、+0.03%の小幅上昇
ドル円は、不安定な取引に振り回された。 予想より強い米12月雇用者数が発表され、FRBが近く利下げに踏み切るとの観測が後退したため、ドルは3週間ぶりの高値まで上昇した。 しかし、米12月ISMサービス業景況指数が予想以上に低調だったため、午前中に下落に転じた。 その後、米国債利回りは引けにかけて上昇し、ドルが損失を回復して小幅高で引けた。 株安もドルの流動性需要を押し上げた。
米12月非農業部門雇用者数は+21.6万人で、予想の+17.5万人を上回った。 また、12月の失業率は横ばいの3.7%で、予想の3.8%への上昇を上回った。米12月平均時給は前月比+0.4%、前年同月比+4.1%と、前月比+0.3%、前年同月比+3.9%の予想を上回った。
米12月ISMサービス指数は前月比-2.1低下の50.6と7ヵ月ぶりの低水準、予想の52.5を下回った。
米11月工場受注は前月比2.6%増と予想の同2.4%増を上回り、過去2年4ヵ月で最大の伸びとなった。
市場では、1月30-31日に開催される次回FOMCでの-25bp利下げの可能性を7%、続く3月19-20日に開催される次回FOMCでの-25bp利下げの可能性を70%と割り引いている。
ユーロ/米ドル は-0.05%下落し、3週間ぶりの安値を記録した。ユーロは、序盤の上昇を諦め、ドル高により下落に転じた。 ユーロ圏の12月消費者物価指数(CPI)が11月から加速し、ECBの利下げ観測が後退したことから、当初は上昇に転じた。
ユーロ圏の12月消費者物価指数(CPI)は前年同月比+2.9%と、11月の同+2.4%から上昇し、予想通りの結果となった。 12月のコアCPIは前年同月比+3.4%と、11月の同+3.6%から低下し、予想通り21ヵ月ぶりの小幅な上昇ペースとなった。
ドイツの11月小売売上高は前月比-2.5%と、予想の前月比-0.5%を下回り、過去19ヵ月で最大の落ち込みとなった。
スワップでは、ECBによる-25bpの利下げの可能性を、1月25日の次回会合で4%、3月7日の次回会合で49%としている。
米ドル/円は+0.03%上昇した。 円相場は、対ドルで今週の下げ幅を拡大し、3週間ぶりの安値となった。 米国債利回りの上昇は、円にとって弱気材料となった。 予想を下回る米12月ISMサービス報告が米国債利回りを下げた後、円は一時的に損失を回復し、上昇に転じた。しかし、米国債利回りはその後反転し、引けにかけて上昇に転じ、円の重荷となった
日本の経済指標は、円にとってまちまちだった。 マイナス面では、12月のじぶん銀行サービス業PMIが、当初発表された52.0から-0.5下方修正され51.5となった。 逆に、12月の消費者信頼感指数は+1.1上昇して37.2と2年ぶりの高水準となり、予想の36.5を上回った。

金は-0.20(-0.01%)、銀は+0.128(+0.55%)
貴金属相場は高安まちまちで、金は2週間半ぶりの安値となった。 金相場は、米12月雇用統計が予想を上回り、ユーロ圏の12月消費者物価が加速したことで、FRBとECBが近く利下げに踏み切るとの観測が後退し、金相場は圧力を受けた。 しかし、ドルが反転したことで、ドルインデックスが3週間ぶりの高値から反落し、下降に転じたため、金属にショートカバーが入った。 また、米国債利回りが序盤の上昇をあきらめ下降に転じたため、貴金属にとって強気材料となった。銀にとって支援材料となったのは、米国の11月工場受注が過去2年4カ月で最大の伸びとなったことで、これは工業用金属需要が堅調であることを示している。

ドル安と世界的な供給懸念で原油は高値引け
WTI原油は+1.62 (+2.24%)、RBOBガソリンは-0.46 (-0.22%)
原油とガソリン相場はまちまちで、原油は1週間ぶりの高値を付けた。 ドルインデックスが3週間ぶりの高値から反落し、下降に転じ、ドルの反転がエネルギー相場を押し上げた。 また、米経済指標のほとんどが予想を上回ったことも、エネルギー需要と原油価格にとってプラスとなった。 さらに、リビアでの供給障害や中東での地政学的緊張の高まりから、原油には持ち越しのサポートがある。
米経済指標のほとんどが予想を上回り、エネルギー需要と原油価格を下支えした。 12月の非農業部門雇用者数は+21.6万人と、予想の+17.5万人を上回った。 また、11月工場受注は前月比+2.6%増と予想の+2.4%増を上回り、過去2~3/4年で最大の伸びとなった。 マイナス面では、12月ISMサービス指数が-2.1低下の50.6と7ヵ月ぶりの低水準となり、予想の52.5を下回った。
原油クラックスプレッドの弱さは、原油価格にとって弱気材料となる。 クラックスプレッドは3週間ぶりの低水準まで低下し、精製業者はガソリンや留出油に精製するための原油購入を控えた。
ロシア産原油の輸出増加は、原油価格にとって弱材料となる。 BloombergがモニターしているVortexaのタンカー追跡データによると、ロシアからの精製燃料出荷量は12月31日までの4週間平均で346万B/Dと、前週から23万B/D増加し、7月以来の高水準となった。
浮体式貯蔵原油の減少は、価格にとって強気材料となる。 Vortexaが月曜日に発表した週次データによると、少なくとも1週間以上停泊しているタンカーに保管されている原油の量は、12月29日時点で前年同期比16%減の7,739万バレルとなった。
ベーカー・ヒューズ社が金曜日に発表した1月5日終了週の米石油リグ稼働数は、1リグ増の501リグとなり、11月10日に記録した1年4カ月ぶりの低水準(494リグ)をわずかに上回った。 過去1年間の石油リグ数は、2022年12月に記録した3年半ぶりの高値627リグから減少している。

国連によると、世界の食料価格は2つの主食を除き2022年に記録的な高値から下落した
穀物や植物油のような食料品の世界価格は、ロシアのウクライナ戦争や干ばつなどが世界の飢餓を悪化させた2022年の記録的な高値から昨年下落した、と国連食糧農業機関が発表した。
FAOの食料価格指数は、一般的に取引される食料品の国際価格の月次変動を追跡するもので、昨年は2022年の平均より13.7%低かったが、砂糖と米の価格はその間に上昇した。先月、指数は2022年12月と比較して約10%下落した。世界中の食料安全保障にとって困難な年であったにもかかわらず、2023年の食料品価格の下落した。乾燥した天候、洪水、自然発生的なエルニーニョ現象のような気候の影響に加え、ウクライナ戦争のような紛争による影響、食品インフレに拍車をかける食品貿易の禁止、通貨安が特に発展途上国を苦しめている。穀物のような食料品は2022年の痛ましい高騰から下落したが、店主や露天商、家計をやりくりしようとする家族といった現実の世界には、救済措置が行き届かないことが多い。
別の国連機関である世界食糧計画によれば、2023年には3億3300万人以上が深刻なレベルの食糧不安に直面している。特に米と砂糖は昨年、アジアの栽培地域における気候の影響により問題となり、特にアフリカ諸国ではそれに伴い価格が高騰した。
コメを除いて、FAOの昨年の穀物指数は2022年の平均を15.4%下回っており、「世界市場が十分に供給されていることを反映している」という。ロシアがウクライナからアフリカ、中東、アジアの国々に穀物を供給する戦時協定から離脱したにもかかわらずだ。アナリストによれば、小麦を購入する国々は、戦争が始まる前よりも価格が下がっている他の国、特にロシアからの供給を見つけたという。FAOのコメ指数は昨年21%上昇したが、これはインドがコメの種類によっては輸出を制限していることと、エルニーニョがコメ生産に与える影響を懸念しているためだ。そのため、セネガルやケニアなどの低所得世帯の価格が上昇した。
同様に、昨年の砂糖指数は2011年以来の高水準を記録し、2022年比で26.7%拡大した。これは、世界第2位と第3位の輸出国であるインドとタイの収穫が、異常に乾燥した天候に見舞われたことを受けたものだ。しかし、砂糖指数は2023年最後の月に改善し、9ヵ月ぶりの低水準を記録した。これは、最大の砂糖輸出国であるブラジルからの供給が旺盛で、インドがエタノール生産への使用を抑えたためである
一方、食肉、乳製品、植物油の価格は2022年から下落し、植物油(ロシアがウクライナに侵攻した後に大きな高騰を見せた黒海地域の主要輸出品)は、世界的な供給が改善したため、3年ぶりの安値を記録したとFAOは発表した。

※当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的として翻訳、作成した資料です。投資勧誘を目的としたものではありません。翻訳の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する決定は、ご自身で判断なさるようお願いいたします。

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