労働審判 第一回期日

「第一回期日」とは、第一回目の調停の事です。労働審判では、審判官(裁判官のような人)と2人の審判員が調停役となり、申立人とその弁護士、相手方(会社)とその弁護士による話し合いが行われます。第一回期日では約2時間ほどかけて、審判団との質疑応答が行われました。

まずどちらかの組(申立人もしくは相手方)が部屋に呼ばれ、審判団からの質問に答えます。審判団は事前に双方から提出された書類には目を通しているので、こちらから再度概要を説明したりする必要はありませんでした。審判団(メインで話す人は審判官)からは、今回の申立ての概要についての確認、いくつかポイントとなりそうな点の確認等の為の質問がなされました。だいたい15分から20分くらいで一通りの質問が終わると、いったん部屋から退出させられ、今度は相手方が部屋に呼ばれます。その間他方は控室に下がって次に呼ばれるのを待ちます。

これを2~3回繰り返し、審判団が案件の内容を双方に直接確認し大まかな心証を形成した段階で双方が同時に部屋に呼ばれ、それまでの質疑応答から形成された審判団の心証や状況の理解について説明があり、双方の合意可能な点を探っていきます。典型的な例は、申立人はできるだけ高額の和解金を取りたい、相手方はできるだけ支払う額は低く抑えたい、ということですから、どのくらいの金額が妥当か、それぞれを納得させ合意させるために審判団はいろいろな提案を出してきます。審判官は断定的なものの言い方は一切しませんでしたが、審判員は結構自分が思っていることをズバズバ言っていました。私の件の場合はそうでした。また、そもそもの申立てのポイントとしては会社による解雇が不当でありしたがって無効である、というものですから、もしその訴えが通れば当然まだ雇用されている状態であると認定されることになります。言い換えれば申立人は継続して雇用されているのであるから会社に復帰することを望んでいることになります。ただ現実問題としては、申立人も真面目に勤務している従業員を簡単に解雇するような会社には戻りたくないというのが本音なので、「本当に会社に戻りたいのですか?」という確認もなされました。一応私の回答としては、「できれば戻りたいですが、私に適した相応しいポジションがあれば、の話です。今までと同じ上司の下では働く意味はありませんのでその場合は復職は希望しません。」と答えました。これを受け、会社側はそのようなポジションが現在あるか確認して回答する、ということになり、その回答は、そのようなポジションは現在はない、ということでしたので、今回に関しては、会社に復帰する、というオプションはなしということで双方合意しました。ですので今後は解決金をいくらにするか、が唯一の焦点になります。

そのようなやりとりをしばらく(15分くらい)したあと、審判官としてはこの1回の調停では調停成立とまでは行きそうにないと判断し、双方も第2回期日に臨むことに異論はなかったので、第一回期日はこの辺で終わりにして第2回期日の日程を決め、第一回期日は終了しました。第2回期日は2週間後です。

フッツン

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