見出し画像

超分野大喜利を始めてみた!

色々な分野の研究者が、型にはまらず尖って話す場が欲しい。そんな想いを持った4人で始めてみました「超分野大喜利」。初めまして、国際政治を専門とする夫津木と申します。

参加者の関心・興味が広がれば広がるほど、話しは尖っておもしろくなる。だから、今お読みいただいてる方に、是非お越しいただきたくて、書いてます。「超分野大喜利」で、どのようなおもしろい視点が生まれたか、そして、参加した皆様がどのような感想を持ったのか

記念すべき第1回のテーマは「サイバーデモクラシー」

9月20日(月・祝)の夕方3時間(!)、京都大学ヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)特定研究員の奥井剛さんをお招きして、13名の参加者と一緒にサイバースペースと民主主義の関係について考えました。

アイスブレイク

冒頭のアイスブレイクでは、「自己紹介マトリックス」で場を温めます。

画像1

色んな分野の研究者の、自身を表現するキーワードが並んだ様は壮観です。参加者間で、「この○○はどういうことですか~?」と聞き合ってもらいました。他の参加者のキーワードの中で、自分が興味があるトピックを訪ねてもらうことで、参加者間に惹きつけ合ってもらいます。

場が温まったかな。それでは、奥井さんからの話題提供と、お題を見てみましょう!

前振り:サイバースペースと民主主義の関係

2014年、香港が独立を求めた雨傘運動の激震を、奥井さんは現地で目撃していました。立ち上がる人々、彼らを繋げたのは、SNSだという。脳裏に浮かぶのは、同じくSNSが引き金となったと評された「アラブの春」。その衝撃は、大学院で政治哲学を専攻する中でも、ずっと保存されます。ですが、民主化運動の芽は必ずしも花咲かず、逆に当局がインターネットを用いて市民を弾圧する。奥井さんは、もやもやします。

民主化にとってサイバースペースとは何か?

サイバースペースは1980年代に、「サイバネティクス」と「スペース」の造語として誕生したという。その「サイバネティクス」が、元々Art of Governing in Generalを意味していた。もやもやが必然だったと肯きます。かのハイデガーは、個別の諸科学の発達を前に、哲学はサイバネティクスにその席を譲ると、半世紀前に予言のように話している。人、その集合体の在り方が揺らぐ今、サイバースペースが思考の補助線になるのではないか。

フムフム・・・。はっ、超分野大喜利では、参加者が話題の内容を持ち帰えるのではなく、その場で自由に発想を出し合ってもらいたいのです。そこで!参加者の人に、2つのお題への答えを、順に考えてもらいました。

「サイバースペースって民主主義にプラスなのか、マイナスなのか」
「サイバースペースで「自由」になるには」

むず・・・。

お題:サイバースペースって民主主義にプラスなのか、マイナスなのか

プラスだよって視点
・SNSの出現によって能動的になり横のつながりが増えた
・サイバースペースでの自由に発言できるという感覚は民主化を促進する。
・マイノリティの意見も含めた新たな社会課題の発見に貢献したり、国家の言論統制の枠組みを超えて個人の意見を発信することができる媒体として機能しているのではないか。

マイナスだよって視点
・質よりも数が強調されてしまっている。
・人間疎外
・相互作用がない。しかし、言いたいことが言える場としてストレス発散の機会も提供するため、相互作用がないことのメリットも存在する。

そもそも前提を問い直しましょうって切り口
・SNSが国民の意見の総意だとは思わない。SNSに変わるものは世論調査だろうか?
・サイバースペースとは複素空間であり、情報産業は虚数である。複素数や虚数は捉えにくいが確かに存在している。匿名思想が集まる場所。

お題:サイバースペースで「自由」になるには

・不正アップロードや人権侵害に関する投稿が消されることもあるが、ある程度の規制は必要だろう。ただし、その規制には透明性が必要だ。国が主導するのだろうか、国連?それとも紳士協定?
・自由だけでなく、平等も考えないといけない。自由にネット空間を動き回れる人と、ただ使うだけの人。自由度の高い人から何か還元されるものがあっても良いのでは。
サイバースペースの特性を知ることが自由の条件。安全の保障が自由の条件の一つなので匿名性は個人の行動と結びついているものの守られるべき。例えば、反政府企業が罰される規則を設けている国家も存在するので、それらの問題に対し匿名性は有効。
・言論の自由は保障されているが、サイバースペース内の信頼性はどのようにして担保されるのだろうか?またその実現のためには、国家という枠組みを超えた何かが必要になるのではないか。
・利用者の安心感を確保することが自由の条件なのではないか。そうなると個々人の共感や思いやりが重要になってくる。

さ~。話は沸騰しました。

振り返って

話し合いの中で、自分の分野では出なかった考えや、新たな視点を見つけることができたと、全回答者が回答してくれています。その一方で、話しの場自体は、少し難しかったと多くの参加者が回答されました。

それでは、具体的にどんな点が新しいと思ったのか。ファシリテーターをしてくれた、佐藤さんのコメントから探ってみましょう。

画像2

第一回の開催報告は以上です。
改めまして、ご参加いただいたみなさん、誠にありがとうございました。毎月1回ペースで開催していくので、また是非ご参加ください。

ありがたいことに、京大学術支援室(KURA)にご支援いただいております。KURAのホームページにも、案内いただきました。

超分野大喜利は、異分野間の対話の場を創発するために、実験的に企画を実施していきます!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回の案内
日 時:11月7日(日)15時~18時@オンライン
テーマ:人類滅亡
参加者:20名超を熱望
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

超分野大喜利のTwitterも、是非チェックしてみてください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?