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【アジア杯】韓国戦への準備を進める木暮賢一郎監督、サウジ戦で3選手を起用しなかった理由も説明

 AFCフットサルアジア杯を戦っているフットサル日本代表は、9月28日の初戦でサウジアラビア代表に、まさかの0-1の黒星を喫した。8年ぶりの優勝を目標にクウェートまで来たチームは、いきなり史上初の1次ラウンド敗退のがけっぷちに立たされる状況に陥っている。

 そうしたなか、チームは29日に第2戦の韓国戦へ向けた前日練習を実施。初戦の敗戦から気持ちを切り替え、次の試合に向かう前向きなエネルギーを見せた。

 練習後に取材に応じた木暮監督にあらためて気になったポイントにこたえてもらうとともに、韓国戦へ向けた話も聞いた。

以下、木暮賢一郎監督との一問一答

――昨日の試合が終わり、分析もされたと思いますが、あらためて昨日の試合にどんな感想をお持ちですか?

木暮 代表チームとしてはもちろん起きてはいけない、起こすつもりもなかったし、良い準備もしていたと思いますけれど、結果が問われるのが代表だと思います。この敗戦というのは、もちろん真摯に受け止めることが前提としてあります。分析はしていますが、昨日に関しては、シュート数、決定的なチャンスを挙げれば「あれが入っていれば」とか「ここを決めておけば」とか、サウジがGKを上がってくることは準備もしていましたし、ブラジル戦から常々、現代フットサルはGKも上がってくるということで、ずっとトレーニングも積んでいました。いくつかのオプションを持ちながらも、相手のメリットもあると思います。いくつか描いていたシミュレーションのうち、一番、自分たちにとって良くなくて、相手にとっては準備しているメリットがすべて出るという状況だったのかなというのが分析としてあります。当然、運が悪かったということで、済ませるつもりはありません。そういった状況のなかでも、勝ち点を取ることが代表に求められていることなので、そこは具体的なプレーを改善するというよりは、ゲームをうまく進めることを学ばないといけないですし、負けて学ぶ場ではないですが、最も嫌なことが起きましたがそのなかでの唯一の希望は優勝するために、残り毎試合勝てば優勝できると、そういう解釈をしています。

――優勝の道が残っているという点では、モチベーションを保ちやすいと思いますし、中1日あると気持ちの切り替えもやりやすいと思います。その点は2016年のアジア選手権でベスト16で敗れ、3連覇の可能性がついえた時と違います。今日の練習を見ると、選手たちもそういうメンタリティに持っていけているように見えますが、いかがですか?

木暮 そういう話もしましたし、16年ではなくて、14年の優勝した時もウズベキスタンに予選で負けたことがあります。もちろん応援してくれているサポーターの方々、ファンの皆さん、期待している方たちへ勝利を送るという点では、大きな失望であったり、そういうのを与えてしまったなと思います。ただ、目標ということを成し遂げるところでいえば途絶えたわけでは全くありません。基本的には自力でチャンピオンになる道があるというところは、選手たちに伝えていますし、彼らもわかっていると思うので、終わった後の結果がすべてかなと思っているので、まだまだ失望して、期待してほしいですし、僕らもそういう思いでやっていますので、応援してもらえれば嬉しいなと思います。

――バーレーン遠征の時に、ヴィニシウス選手を先発に戻していたことに驚きました。チームにメリットが大きいと感じているこそだと思いますが、そこまで期待をかけているところというのは?

木暮 ゴールを持っているというところではありますね。

――実際に先制点も決めましたが、リターンパスでファー詰めを外すシーンもありました。日本人の選手が同じミスをしたら、その試合で起用されないようなミスだったと思います。そのあとも起用していたのは、サウジアラビアが彼を警戒していて、ほかの選手をフリーにできるという考えがあったのでしょうか?

木暮 特にそれはないと思います。後半の頭は(水谷)颯真をセットで入れ替えています。そこはいろいろなゲーム状況、スコアが必要なのか、守備でリズムを作りたいのか、流動性がほしいのか。それはヴィニシウスだけでなく、ここに連れてきた14名の選手すべてに対して、あらゆるオプションを持っています。そのオプションが使える、使えないかは、ゲーム前に想定しているものよりも、実際にゲーム中に何が起きていて、今何が改善が必要かというのがあると思っています。そういった中で、だれを起用するか。昨日に関しても、3人の選手が出場できませんでした。そこは彼らの持っているオプションの活用方法、(原田)快でいえば、ゲームリズムを変えるという意味で、常に昨日も使うタイミングを探していました。相手がGKが上がってくるというところに関しての、どちらを取るかというところで、使いどころが難しかったなというところです。内村俊太に関しては、守備の良さというところ。そして、相手のピヴォに対してマークしてほしいというもののタスクっていうのが、非常にウェイトを締めている。昨日のゲーム展開で相手はピヴォもいない。同数の状態ではチャンスをほとんど作られていない。自分たちでボールを持って、リードされていたので、スコアを動かしにいかないといけない。彼が持っている特性、ゲーム状況において、違ったのかなと。(長坂)拓海についても、どちらかというとスペースがある相手に対して良さを発揮する。昨日は押し込む中でのゲームだったので、そのあたりは、自分のやり方は完全に明確に3セットを時間で変えていくのではなく、かみ合わせ、スコアの動き方があるので、そういったものの中に、最初の質問にあるヴィニシウスの使い方もあるのかなと思います。

――パワープレーから失点が続いていますが、今日の練習ではパワープレーの守備に取り組んでいませんでした。中1日の連戦で、相手の韓国の特徴を考え、今日は必要ないということだったのでしょうか?

木暮 サウジ戦の2失点は、非常にネガティブに映るかもしれませんが、一つ言えるのは、彼らのメリット、GKのメリットもあるということ。対策はしていました。長い時間をかけてやってきましたが、時間を割いたから必ず成果が出るのであれば、全チーム優勝するところです。それは相手がありきだと思っています。そこを含めて、それを修正することが今日は修正が必要かというプランニングの観点で、我々が今、必要なのは、サウジアラビア戦のゲーム展開に明日はならない。守り方も昨日の相手はゾーンディフェンスで引いて、GKを使ってリズムを壊してというところです。スカウティング上、それを韓国がやってくることはおそらくないと思っています。そして、勝たないといけないというプレッシャーも少なからず選手にあると思います。そのなかで、何のアプローチがいいかというと、できなかったことを掘り起こすよりは、自分たちの持っているやるべきことを、もう一度再確認する。リカバリーという位置づけでするということがテーマでしたので、触れていません。当然、今日の夜のビデオミーティングでは、相手のパワープレーの対策はしますが、なかなか難しいのは、ゲームを見られた方、ゲームを見て「これができていなかった」「こうしたらいいんじゃないか」というのは、フットサルが進化をしていくためには必要な議論だと思います。我々の取り組んでいる中身は、当然、見えなくて、取り組んでいることの成果はピッチでしか感じ取られません。最大のものは、負けたということ。それは当然、受け止めないといけませんが、やろうとしたこと、やりたかったこと、やられてしまったことに関しては、水物の部分もあります。そこに関しては、我々の中で進めてきているものを、しっかりと自信を持って、ブレずに続けていくことかなと思います。間違いなく我々に必要なもの、僕らだけではなく、応援してくれるファンの方たち、サポーターの方たちも必要としているのは、勝利だと思っています。明日の試合に関しては、明確にしっかりと勝利をつかんで、予選の最終戦に臨めるようにと位置付けています。

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フットサルの専門誌がなくなった今も、取材活動を続けているライターがいます。3人ともライター以外の側面からもフットサルにかかわっているので、幅広い側面からフットサルの話ができると思っています。

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