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「一つひとつが刺激になった」FP清水誠也が振り返る弟・和也と共闘した2022-23シーズン

 フウガドールすみだは、第28回全日本フットサル選手権の決勝で延長戦の末に湘南ベルマーレを破り、Fリーグ昇格後の初タイトルを獲得した。

 この優勝をもたらしたFP清水和也は、翌日に名古屋オーシャンズへの移籍を発表。スペイン1部コルドバから帰国して、リーグ得点王とベスト5の個人タイトルと全日本選手権優勝を置き土産に、再びチームを離れることになった。

 清水和が、すみだで過ごしたのは1シーズンだったが、最後のタイトル獲得を含めて、特別なシーズンになったことは間違いない。

 和也の実兄であるFP清水誠也にとっても、特別な経験となった。

 セカンドセットのピヴォとしてプレーしたものの、なかなか得点に絡めなかった誠也は、来季もすみだに残留する数少ないピヴォとなる。誠也が今シーズンのままでは、おそらくクラブの順位も下がることになるだろう。

 自身にとってもボルクバレット北九州から復帰して1年目のシーズンだった2022-23シーズンを、全日本フットサル選手権決勝直後に振り返ってもらった。

 以下、清水誠也選手のインタビュー

――Fリーグ昇格後、初タイトルをチームにもたらしました。

清水誠 全然、実感が湧かないですね。個人的に、ここの駒沢の会場の初戦がベスト8で相手が浦安となると、僕がバファローズの時に初めて全国大会に出た時と同じだったんです。ゴレイロもGK岸将太で、FP中田秀人も、FP畠山勇気もいたので、すごく当時のことがよぎりましたね。あの時はボコられた(※当時のスコアは1-9)ので、『大丈夫かな』と思っていたのですが、そこを乗り越えることができて、初めてベスト4に行けました。初めてベスト8の壁を越えて、そのあたりからあまり意識しなくなりました。

――そうだったんですね。

清水誠 僕のなかでは、今日のファイナルも含めて、1年間ある試合のなかの一つくらにの感覚でできました。それはポジティブに働きましたね。もちろん、その先を見たことがなかったので、想像もできなかったというのもあったと思います。

――ここ数年、コロナ禍でFリーガーになった選手たちは、声出し応援があるなかでプレーした経験がなかったと思います。清水誠也選手にとっても、久しぶりのこの雰囲気というのは、期するものがあったのでは?

清水誠 そうですね。やっぱりベルマーレサポーターはすごいですよね、シンプルに。もちろん、自分たちのサポーターも負けていないとおもったんですよ。でも、やっぱり最初にピッチに足を踏み入れた時の応援は、めちゃめちゃスゴイなって。それはベルマーレの強みだと思うんですよね。そういうのは、燃えるタイプだし、黙らせてやろうという思いでやったんですが、あまり結果が出なくて……(苦笑)。とりあえず、チームが勝ったっていうことで、よかったと思います。

――ハードワークが目を引いたのですが、今大会はシュートが枠に行きませんでしたね。

清水誠 そういうところは、やっぱり力みとか一発勝負の重さがあったんだと思います。気にしなかった半面、心は正直で『この場面、決めたら勝ちだ!』とか『俺が決めたら』みたいなところで、いつも以上に力が入ったんじゃないかなと思っています。それでも、この3日間で1試合ごとにゴールに近づいていたので、個人的には打てば1点くらい入るかなという感覚はあったんですが、入りませんでしたね。そこは来シーズンに向けての反省じゃないですが、宿題になりました。

――清水誠也選手は、来シーズンも残留するんですよね?

清水誠 大丈夫です。はい(笑)。

――来シーズンは、清水和也選手と対戦できるというのも、一つ楽しみですし、ファンにとっては見所になりますね。

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