【練習】“ラストチャンス”に懸けるFP白方秀和「ここでダメなら、もう次はない」
[2.1 親善試合 日本 2-1 タイ バンコクアリーナ]
FP白方秀和ほど、“柔和”や“温厚”という言葉が当てはまる選手は、ほとんどいない。
感情を表に出すことが少なく、ピッチ外では物静かな好青年。この日も練習後、座っていたところに声をかけると、即座に立ち上がって頭を下げてから、そのまま話を始めようとした。座ったままでいいと伝えると、「すみません、ありがとうございます」と丁寧に言ってから、腰をおろす。
人当たりの良い白方は、名古屋オーシャンズ時代にリーグ制覇やAFCフットサルクラブ選手権制覇を経験している。だが、その日本代表キャリアはもう終わったものだと思われていた。
彼が日本代表選手として、海外遠征に行ったのは2013年にベトナムで開催された4カ国対抗戦に出場した一度だけ。その後、所属した名古屋オーシャンズではAFCフットサル選手権の優勝にも貢献していたが、代表招集の声がかかることはなかった。
そんな白方に昨年末、再びチャンスが訪れる。ブルーノ・ガルシア監督が、トレーニングキャンプに白方を招集したのだった。このチャンスをモノにできるかと思った直後、彼は肉離れの負傷をして、続く代表合宿を辞退することになる。
今度こそ、厳しいかと思われたが、2019年の最初の活動で、ブルーノ監督は30歳のアラーフィクソを再び招集した。
日本には、まだまだ多くの優秀な選手が残っている。若手に交じってコンセプトの習得を目指す30歳が、日本代表に残り続けることは決して簡単なことではないだろう。
「ラストチャンス」。柔和な男の瞳が、その言葉を発した時、一瞬鋭くなった。
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