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大舞台でシーズン初ゴールの名古屋FP安藤良平「ここで勝つために1年間やってきた」

 フィクソ、アラ、ピヴォ。フットサルのフィールドプレーヤーのポジションは、大きく分けてこの3つに分類される。名古屋オーシャンズのFP安藤良平は、フィクソを本職としているが、前所属の湘南ベルマーレではアラやピヴォとしてもプレーしていた。そもそも名古屋に加入できたのも、監督に転身した元ポルトガル代表FPペドロ・コスタ氏が、そのマルチな能力に惚れ込んだからだった。

 その能力が生きた。2月19日のプレーオフ決勝の第2戦。限りなくホームに近い駒沢体育館での初戦を落とした立川アスレティックFCは、開始早々からプレスをかけてきた。相手がプレスをかけに来れば、裏があく。

 第1ピリオド4分、右サイドのFPガブリエル・ペネジオが落としたボールを受けた安藤は、ワンタッチで最前線のFPダルランに長い距離のピヴォ当てを通す。ダルランの横パスを、安藤にボールを預けてから前線へ走りこんだペネジオが受けて先制ゴールが決まった。安藤の縦パスにもアシストが付いておかしくない、見事なプレーで名古屋は優位に立つ。

 さらにその1分後には安藤が自らドリブルで抜け出して、立川のGK黒本ギレルメからアタッカー顔負けのゴールを決めてリードを広げた。ブラジル代表コンビと鮮やかな連携を見せ、日本代表GKからゴールを奪う。フィクソが本職ながら、それ以外のプレーでも輝きを放ち、5-2の勝利の立役者となった。

 にもかかわらず、試合後のミックスゾーンに荷物を持って現れた安藤は、「お疲れ様でーす」と言いながら、そのまま立ち去ろうとした。報道陣からミックスゾーンでの取材対応のリクエストが出ていたが、うまく本人には伝わっていなかったようだ。思わず「いや、さすがに今日は取材があるって分かるだろ」と突っ込んだが、本人は「いやいや」と笑いながら、最終的には30分近く取材に応じていた。

 シーズン初ゴールを、プレーオフ決勝第2戦の大舞台で挙げたマルチロールの試合後のコメントをお届けする。

 プレーオフ第2戦 名古屋FP安藤良平のコメント

――守備でも、攻撃でも、貢献されましたが、ご自身のゴールシーンを振り返ってください。

安藤 ゴールシーンはカウンターの状況で、僕もちょっと高い位置にいました。走りこんだら、良いタイミングでパスが出てきました。走っている時にDFと並んでいたので、ファーストタッチで前に出せたら、前に向かっていけるなというイメージがあったので、良いトラップから右足で決められました。黒本は下の方が苦手かなという印象があったので。コースもうまくファーの下、サイドネットに入ったのでイメージ通りかなと思います。ああいうプレー、あんまりしないんですけど(笑)。まぁ、よかったです。

――今季初ゴールですよね?

安藤 はい。ホッとしました(笑)。

――長いキャリアでも初めての珍しいことだと思います。しかも1試合以外は試合に出ていてでした。

安藤 初めてですね。リーグも1年間を通してチャンスはあったのですが、なかなか決めきれなかったです。自分のなかでは、リーグ戦1年間、一番体が調子が良かったと思っているんです。それがゴールにつながっていなかったのは、ちょっと悔しいです。フィクソとはいえ、点は狙っていたので。でも、あんまり気にはしていないです。

――今日の試合、守備の部分で意識したことは?

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