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名古屋の強さを体現するGK篠田龍馬「明日から立川は全然違うチームになってくる」

 GK篠田龍馬、FP鬼塚祥慶、FP水谷颯真、FP西谷良介。全員がフットサル日本代表としてキャップを刻んでいる選手たちだ。時期によっては、フットサル日本代表候補合宿のメンバーかと思いかねない名前が並んだが、これは2月18日に行われたプレーオフ決勝第1戦で、ベンチ入りしたものの出場しなかった名古屋オーシャンズの選手たちの名前だ。

 公式戦8連勝中で15試合無敗。勢いのあるはずの立川アスレティックFCに対し、名古屋は彼らをプレーさせることなく、5-1で圧倒した。今シーズンのプレーオフ決勝は、先に3勝したチームが優勝となるが、初戦を見て3連勝で終わるのではないかと思った人も少なくないだろう。それくらい名古屋の強さは際立った。

 試合後の公式会見、フエンテス監督とともに記者会見場に現れたのは、キャプテンの篠田だった。この日、先発するのではないかと思われた経験豊富なゴレイロは、先発の座をGK田淵広史に譲り、ベンチからピッチに向かって声をかけ続けた。

 会見場に姿を見せた篠田に「難しい役回りだね」と声を掛けると、「そうっすね」と返してきた。会見では、フエンテス監督にGK田淵を起用した理由を問う質問が飛び、篠田の隣にいた指揮官が「特に理由はない。チームがベストで戦うための選択だった」と答え、直後に田淵のパフォーマンスを篠田が問われる場面もあった。

「田淵は良いパフォーマンスをしていました。外から見ていて、初めてのプレーオフの舞台でも良いパフォーマンスだったと思います」と、答えた心中は、決して穏やかではなかっただろう。それでも、「僕を含めて、出ていない選手がいる。僕たちの役割が大事だなと思っている」と語ったチームキャプテンは、個人の悔しさをぐっとこらえながら、名古屋にタイトルをもたらすことだけを考えている。

 試合後のGK篠田龍馬のコメント

会見

――試合の感想は?

篠田 今日の試合は本当に良いゲームをしたと思います。お互いリスクをかけないような立ち上がりで、先制点を取れたことが勝利に大きくつながったと思います。ただ、大事な一戦に勝ったことは大きいことですが、まだ何も決まっていないので、今日と変わらず、主導権を握って、良い戦いができるように今から準備していきたい。今日、僕を含めて出ていない選手がいますけど、僕たちの役割がすごく大事だなと思っています。チームのために行動して、ピッチで戦う選手たちはチームのためにプレーして、それが一番大事だと思う。個人がというよりもチームが勝つために、それぞれの役割をこなして明日も戦うだけですね。

――今日の田淵選手のパフォーマンスはどうだった?

篠田 田淵に関しては良いパフォーマンスをしていたと思います。プレーオフの舞台が初めてだったにも関わらず、すごく良いパフォーマンスだったと思いました。

――プレーオフ進出が先に決まっていたが、その影響は?

篠田 選手の立場からすると、プレーオフを今まで戦ってきた経験からすると、初戦は苦しくなる戦いが今まで多かった。今日を含めて、2試合くらいしか初戦は勝っていないと思います。試合間隔が空くことによって、試合の入りであったり、リズムの部分は間違いなく失ってしまいます。そのなかで今日勝てたこと、先制点を取れたことも含めて、勝てたことは大きいですし、チームにとってもすごい成長なんじゃないかと僕の立場からは思います。

会見後の個別取材

――先ほどの「出ていない選手が大事」ということをもう少し詳しく聞かせてください。

篠田 今日に関してではありますが、出ない選手たちの振る舞いは、チームの雰囲気、チームが一つにまとまることには、そこがすごく重要だと思います。今日のみんなを見ていたら、心配はないですね。出ていないメンバーも。

――出ていないメンバーが豪華すぎます(笑)。

篠田 それは監督も言っていたように決断だったと思うので、それは誰の責任でもない。出れていない選手たち、自分たちの責任だと思う。悔しい気持ちは、僕もありますし、みんなに絶対にあると思いますけどね。

――今シーズンのここまで大事な試合になると篠田選手が使われていて、今日も篠田選手だろうと予想していました。いつ先発落ちを告げられていたんですか?

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