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『フリーラン』『死角』『動き直し』・・・全日本決勝・トルエーラ柏の先制ゴールを独自に徹底解説

2021年3月7日(日)、浜松アリーナで、JFA 第26回全日本フットサル選手権大会の決勝戦、トルエーラ柏×フウガドールすみだ戦が行われました。

④ダニエル・サカイの先制ゴールから、前後半終わって、1-1の同点。試合は延長戦にもつれ込み、延長後半に4点をあげたトルエーラ柏が、F2クラブながら、サッカーの『天皇杯』にあたる、フットサルのカップ戦、全国大会初優勝。『日本一』となりました。

その"1点目"を、JFA TVさんのハイライトを元に、独自解説していきます。

※先制点のシーンは『1分22秒』から始まります。

得点の場面、ピッチに居たトルエーラ柏のフィールドプレイヤーは、⑦松原 友博、⑯野村 啓介、④ダニエル・サカイ、㉘山田 翔司の4選手。

得点は大きくサイドチェンジした横パスを⑯野村がダイレクトで、縦に浮き球で『ピヴォ当て』したところから始まります。

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ダニエル・サカイへの『縦のピヴォ当て』への対応の是非

受けた④ダニエル・サカイはボールをキープ。対峙するマーカーは寄せず、距離を取っての対応。

ディフェンダーの対応としては、寄せて(近づいて)体を当てて、チャンスがあれば足を伸ばし、ボールにアタックする、よりアグレッシブに守備に行く方法もあったと思いますが、対峙した中田選手の身長は168cm、一方のダニエル・サカイは183cm、体格差もあり、、、反転する力、そして何よりトルエーラ柏の中でも『得点力』が高いダニエル・サカイ選手に対し、体を当てず、距離を取って(最も警戒したい)『反転シュート』への対応を優先することは悪い選択ではなかったと思います。

隠れた『動きの好アシスト』。松原選手の『フリーランニング』

特筆すべき(素晴らしかった)は最初のパスを出した⑦松原選手の『フリーランニング』です。

パスを出した後、長い距離(20mほど?)を走って、ボールをキープする④ダニエル・サカイを『オーバーラップ』、追い越す動きを入れたことで、ダニエル・サカイ選手が『シュート』に行く選択肢とスペースをつくることに成功したからです。

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⑦松原選手の横パスはすみだディフェンスが"寄せ切る前"にパスをはたくところから始まります。寄せ切る(相手が寄せている最中)にはたくことで、相手の後退(の一歩目)を遅らせることができます。

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すみだは『ダイレクトパス』を防ぐことはできたか?

右サイドの⑦松原選手が横パスをはたく前、トルエーラ柏は最後尾に3枚の選手が並んだ状態から、中央の㉘山田選手が抜けていく状態から始まりました。

㉘山田選手は8割ほどのスピードで、大きく前に抜ける(スペースを空ける)動き。⑦松原選手と言い、今大会、トルエーラ柏の『ハードワーク』が賞賛されたことは、この得点シーンひとつを切り取っても、如実に現れています。

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