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難しく伝えるのはカンタン。選手はシンプルな方が力を発揮しやすい。子どもたちが色々教えてくれた

12月4日(日)、岸和田市総合体育館(大阪府)で行われた、Fリーグ2022-2023 ディビジョン1の第15節、シュライカー大阪×Y.S.C.C.横浜戦後の、Y.S.C.C.横浜・鳥丸 太作監督のインタビューです。

文・写真:北谷 仁治

内容が良くなかった次の試合は、難しい試合になる

ーまずは今日の試合を振り返って、いかがでしょうか?

鳥丸 太作監督「振り返って、まずは2巡目に入ってていい結果が続いてるので、嬉しいというところと・・・。

ただ、前回の試合は北九州戦で、3-0で勝利したことで、スコアはすごく良いものに見えるんですけど、内容を決してそうではなかったので・・・。

そういう時って、今日の試合が難しくなるなっていう印象というか、予想をしていて、その嫌な予感が当たってしまったな、というところで、セットプレーから失点があって・・・。

その前に僕らのビッグチャンスがあって・・・、という嫌な流れだな、というところで・・・。

(その後)10番のアダイウトン選手を含めた、交代選手がうまくチームのために躍動してくれて・・・。

その中で、もちろん今日の出場機会がなかった選手も含めて全員で戦ったのが、今日も含めて、今まで良い結果が出ている要因と言うか・・・、そこが一番大きいんじゃないかなと思っています」

攻撃の中で『優位性』をつくることを大事にしている

―前節3-0だったが『内容があまり良くなかった』というのは監督から見て、具体的にどのあたりですか?

鳥丸 太作監督「まずはボール持ちですね。

僕らのフットサルと言うのは、ボールを保持しながら、自分たちの優位性を活かして、優位性を作り出すような所から前進するというもの、『優位性』を作っていくという部分があるので・・・。

それができていなかった結果、相手の脅威にならなかったっていうところで、それが引っ掛かっていました。

自分達のフットサルが出来なかったな、というのが、『良い内容ではなかった』という具体的な部分です。

ただ、そこの部分は良くなかったと思いますけど、しっかり気持ちを込めて戦うとか、切り替えのスピードとかっていうのは、ずっと続けてやっていけてるので、それは本当に選手に感謝したいなと思っています」

―ボールを保持しながら、『優位性』を作るっていうところの、『優位性』とは?

鳥丸 太作監督「『優位性』は僕はあの数とスペースです。

そこは選手たちにも伝えています」

―攻撃の中で、数の数的有利だとか、スペースをつくっていく?

鳥丸 太作監督「はい、そうです」

―作った状態でフィニッシュに持って行く?

鳥丸 太作監督「そうですね。

数的有利ができた時ってのは、数的有利の状態は長くは続かないので・・・。

時間を短くして完遂する必要があるし、そういうところが、良い時はできてるんですけど・・・。

相手の慣れもあって、そこは何をすれば解決するかってのは、僕も勉強しながらですけど。

そこはトレーニングで修正しながらやっていきたいな、と思っているところです」

『ライン間』を取った後の工夫が足りなかった

―今日は大阪が懸命にプレスをかける中でも、ボールがよく回っていたように見えましたが、その辺りはどうでしたか?

鳥丸 太作監督「ゾーン1、ゾーン2、ゾーン3ってよく・・・ピッチの中でゾーンを区切っていますけど・・・。

僕らのボール回しと言うのは、やっぱり前に抜けて、降りて来て、ゾーン2で回しているところで・・・。

特にズレがない、相手が目の前の選手にプレッシャーかけてるだけの状態だったので、そこのいわゆるディフェンスのライン間を使った時に、次のアクションを取るとか、センターレーンを獲得した時に、もうひと手間とか、一つ、もう少し連動があったら・・・。

もう少し相手にとって嫌な攻撃になっていたと思うし、結果、気持ち的にもそうですし、スコアも、もう少し良くなったんじゃないかなという風に思っています」

―また少し展開の話に戻りますが・・・、リードしながら追いつかれる苦しい展開だったと思いますが、その辺りはいかがでしたか?

鳥丸 太作監督「芝野選手が入った時に、少しシステムを変えるというか・・・、少し間延びするような状態にすることがあるんですけど。

そこの部分で、少し選手を混乱させてしまったのかな、というところがありました。

それで、ちょっと間延びした部分でのボールロストに繋がって失点してしまったのが、自分の伝え方が良くなかったなと、自分に目を向けてます」

―間延びと言うのは縦に、ですか?

鳥丸 太作監督「そうですね。

どっちかというと近い距離で、そのままコンパクトにディフェンスして、ゴールにつないでいくということが多いんですけど。

それは、ボールの回収やゴールへの厚みも含めて、そういう風にしてるんですけど。

それを少し変えているというところで、いつもと違うところになっていたから。

そういう小さい所って、このFリーグのレベルだと失点につながってしまうので、それを痛感したなぁ、ということで・・・。

ただ、ボールを持とうとした結果なので、それはもうシーズンの最初から受け入れてるから、そこは選手自身も、自分たちでレベルアップしていかないといけないし、僕も、それをうまく伝えられるようにしてレベルアップしていかないといけないと思っています」

ソウザ選手をどうフィットさせるか、まだ探している状態。彼のゴールは嬉しい

―そんな中でソウザさんのゴールがあってロッカールームでもソウザコールが起きていましたが、いかがでしたか?

鳥丸 太作監督「そうですね・・・。アダイウトン(ソウザ)選手は僕の(チームの)つくりも良くなかったのかなと思うんですけど・・・。

うまくまだ、どういう形でチームにフィットさせていくのか、というところで、探してる状態と言うか・・・。

最近出場機会は少なかったんですけど・・・。

その中で、彼が結果を出したっていうのは、僕自身すごく嬉しいですし。

ただ彼自身は多分まだ納得が行っていないと思うので・・・。

特徴のある選手で、特にアタック部分でもっとやれる選手だと思ってるので。そのキッカケになる一点であることを願うと言うか・・・そういう1点だったと思います」

ー監督が、いま、彼の使い方をちょっと探してるようなところがあるんですか?

鳥丸 太作監督「そうですね。

多分本人も、少し迷っているところがあって、それというのは、こっちは作ってあげないといけないと思います」

『負けない横浜』が、負けない理由とは?

ーさきほど中断空け以降の話がありましたけど、名古屋も引き分けで、負け無しが続いてると思います。好調というか、この結果を出せている大きな要因みたいなとこは、監督から見ていかがでしょうか?

鳥丸 太作監督「そうですね。さっき伝えた通り、一体感を持ってできてるところと、今シーズン横浜は、新しいプレースタイルになって、その中で人が繋がってボール保持するっていうところが、一番大きく変わったところだと思うんですけど・・・。

そこに少し複雑な連携だとか、ディフェンスの観察が必要だと思うんですけど、そこに慣れて行って、プレーの部分に気持ちが乗るようになってきたのかなと・・・。

頭だけではなくて、気持ちも乗っかることで、今まで同じ内容に近いような試合だったとしても、勝つというのはそういうことなのかなと。

僕もどうすれば勝てるのかというのはわからないですけど、ただ彼らのことを見て、気持ちの部分と言うのは、すごく大事だし、難しいところだなと思っています。

なので気持ちが一つになって、みんなが勝利に向かってるってのが、一番の要因だと思います」

―気持ちが乗っかるためには、戦術のことなどに頭が取られてるとなかなか乗っかりにくいのかなと思うんですけど、だいぶ選手たちの間で、監督の言ってることだったり、戦術理解が進んでいる、という感触や手応えがありますか?

鳥丸 太作監督「そうですね。やっぱり目標は、自分たちでディフェンスを見て変えていくっていうのが大事ですけど。

それができてきたのかなと・・・。

こっちのことを気にしなくても、ピッチにいる選手がそれ考えられれば、そこにやっぱり自分の考えで行動してるので、気持ちも乗りやすいですし、そういうところかなと思っています」

1年目で『大きな変化』を加えつつ、結果が出せているワケ

―とはいえ、横浜は『フットサル』『フットサル』をやってきたチームという個人的な印象があまりないので・・・、監督変わったり、システムが変わると、なかなかうまくいかないってよくあることだと思うんですけど・・・。そこがうまく行っているのがスゴイなあと思って見ているんですが・・・。そのあたりは『メソッド』と言うか・・・自分の中で、こうすればある程度チームを思うように作れるな、というのはある感じですか?

鳥丸 太作監督「そうですね。僕は今トップのカテゴリーを見てますけど、子どもも見てますし・・・」

―『RAD』ですね?

鳥丸 太作監督「そうです。

子どもたちはすごく色々教えてくれるので。

どうすればエラーがでるとか、どうすればうまく行くというのは、彼らが教えてくれるので」

難しく伝えるのはカンタン。子どもたちがいろいろと教えてくれた

―そこで学んだのが大きい?

鳥丸 太作監督「そうですね。もちろん、日々のトレーニングの中で、彼ら、Y.S.C.C.横浜のトップの選手に教わることありますけど。

自分の頭で整理されたりとか、一番長くトレーニングを一緒にしてる人たちなので。

あとは、僕が一般の人向けには練習会みたいなのをしているんですけど・・・。

ボールの扱いがそんなに上手ではない、選手の経験もないと言っても過言でない人たちに練習会をした時に、『じゃあどうすれば?』となった時には、やっぱり一番簡単に・・・

難しく伝えることって、逆に僕らの立場からすると簡単だと思うんですけど。それをいかに簡単に伝えていくかというのは、選手はやっぱりシンプルな方が力を発揮しやすいから。

そういうところは、うまく整理して伝えられるようになったのかなあ、と思います」

―RADは今も関わられているのでしょうか?

鳥丸 太作監督「はい。いま、やっています」

立川戦、今後の激しいプレーオフ争いに向けての意気込み

―次節に向けて意気込みをお願いします。

鳥丸 太作監督「次節も間違いなく難しい試合になると思います。特に立川さんは僕が映像を見た中でも、Fリーグのトップのレベル感でゲームをしている印象なので・・・。

そのチームに対しては、前回負けている相手ですし、チャレンジする気持ちを持って。

僕らは1試合1試合、レベルアップすることを目指して、その中で勝利をしていくというのが目標なので。

そういうチャレンジャーの気持ちを持って、良い試合をしながら、できれば勝点3を取れるような試合をしていきたいと思います」

―プレーオフ争いも激しいですけど・・・

鳥丸 太作監督「そうですね。今すごく激しいですね。みんな僕らの試合も注目と言うか、気になってると思うんで

僕も気になってます。(笑)」

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