帝国「アジア連邦」と相性のよいカード群(備忘録)-It's a Wonderful World(ドラフト・拡大再生産)

 本記事は、It's a Wonderful Worldのカードリストおよびその画像について、

https://itsa.anything-game.net/#/cards

を参照させていただいています。


導入

 前提として、「荒廃と隆盛」拡張入り・A面プレイ(固有の産出資源・得点有り)の考察です。
 「アジア連邦」は、産出資源:白黄黄、得点コンボ:黄カード×2点の帝国です。強力な資源産出を持つ黄カードを構築し、その資源産出を生かせると高得点を目指せます。
 「荒廃と隆盛」拡張では、ペアコンボ得点カードが追加されたため、どの色の資源産出を伸ばすのかについて、方針を持ってプレイすることが重要になりました。目標とするペアコンボ得点カードを確保したら(または確保する前から)、その色の資源産出を増強し、カードの構築を進めましょう。

特徴

 「アジア連邦」は、黄カードの構築により、資源産出・得点を目指す帝国だと考えます。黄カードには、強力な資源産出カードが多く、始めから黄資源産出を持つ「アジア連邦」は、それらの資源産出カードを早期に構築することができます。

強力な資源産出を持つ黄カードの例

ただし、黄資源産出フェイズの後ろには青資源産出しか残っていないことには注意が必要です。青以外の色の資源産出は、次ラウンドの資源産出フェイズを待つことになるため、多くのカードは、次ラウンドのリサイクル資源によって構築完了を目指します。

 「アジア連邦」は、固有にコンボ得点:黄カード×2点を持つため、黄資源産出を伸ばすことおよび黄カードを多く構築することが得点に結びつきます。また、資源産出ボーナスおよびカードの構築ボーナスによって投資家トークンを得られる機会が多くあるため、投資家トークンを絡めた得点方法にも留意しましょう。

得点コンボ:投資家トークンを持つカードの例

 ここからは「アジア連邦」でゲームをプレイするにあたって、優先的にドラフトした方がよいと感じたカードについて、「得点カード」・「資源産出カード」の2つに分けて考えていきます。先に「得点カード」を取り上げるのは、後で「資源産出カード」を見た時に「このカードをドラフトしてどの得点方法を目指すのか」を明確にするためです。It's a Wonderful Worldで高得点をとるためには、序盤~中盤に「資源産出カード」をドラフトし、中盤~終盤に「得点カード」をドラフトすることが効果的です。序盤でドラフトする「資源産出カード」から後でドラフトしたい「得点カード」を思い描けるようにしたいですね。

得点カード

 It's a Wonderful Worldにおいてはコンボによる得点が大きな部分を占めています。特に「荒廃と隆盛」拡張によって追加されたペアコンボカードはより多くの得点をとる手段です。

コンボ得点カードの例
ペアコンボ得点カードの例

 前述のとおり、「アジア連邦」は、黄カードの構築により得点を伸ばすことができます。黄カードによる得点と黄カードを条件とするペアコンボ得点によって高得点の獲得を目指しましょう。

ユートピア(黄カードと青カードのペア×12点)

 「ユートピア」は、「荒廃と隆盛」拡張のペアコンボで最大の得点倍率を持つ緑カードです。緑カードではありますが、構築には5色の資源を2つずつと投資家トークンを必要とします。各色資源の必要量は少ないため1~2色をリサイクルまたは赤資源を活用することで十分構築可能です。 「アジア連邦」にとっては、投資家トークンの確保に心配はいりません。
 「アジア連邦」は黄資源産出を増やすことが得意な帝国であるため、黄カードは十分な枚数を構築することができるでしょう。そのとき、青資源産出を増やす黄カードの構築を意識することで、「ユートピア」の得点を大きくすることができます。

青資源産出を持つ黄カードの例

 大量得点が期待できることから、積極的にドラフトして良いカードであると考えます。このカードをドラフトしたら、黄・青カードの構築を伸ばすことを目的としたゲームを意識しましょう。

世界銀行(白カードと黄カードのペア×7点)

 「世界銀行」は、構築に黄・青資源を必要とする黄カードです。白カードの構築によって資源産出を増強することを得点に繋げることができるようになります。特に白・黄資源産出を増強できる白カードの構築を狙いましょう。

白・黄資源産出を持つ白カードの例

 白・黄資源産出を増やすため、資源産出ボーナスで投資家トークンを獲得できる可能性も上がります。併せて、投資家トークンを活用した得点手段を用意できるとよいですね。

天上大聖堂(黒カードと黄カードのペア×8点)

 「天上大聖堂」は、白・黄・青資源を使って構築できる黄カードです。黒・黄カードのペアコンボ得点を持つため、黄カードと併せて黒カードを多く構築するために黒資源産出の増強が必須となります。「アジア連邦」は、最初、黒資源産出を持たないため、黒資源産出を増強できるカードの確保ができてから、「天上大聖堂」をドラフトする方がよいと思います。

強力な黒資源産出を持つ黄カード

 また、黒カードの構築は、青資源産出の増強につながるため、青資源の置き場所を併せて確保することが必要になります。「天上大聖堂」や前述の「世界銀行」の構築に必要となる青資源として活用できると無駄がないですね(もちろん青カードの構築に活用してもよいです)。

長城(25点)

 「長城」は、「荒廃と隆盛」拡張における3つの巨大プロジェクト(高得点だが構築に大量の資源が必要)の1つです。構築には大量の白資源と黄資源・将軍トークンを必要とします。途中で増強した白資源産出の使い道となるので、白資源産出の増強はしすぎることがありません(「長城」をドラフトできていれば)。

白資源産出増強といえばこれ

 白・黄資源の確保には目処をつけやすいですが、将軍トークンの確保には骨が折れます。黒・緑・青資源産出は、他帝国が得意としているため、資源産出ボーナスで将軍トークンを獲得することは難しいです。構築ボーナスで将軍トークンを獲得できるカードのドラフトを意識しましょう。

将軍トークンの構築ボーナスを持つカードの例

 「長城」は(他2つの巨大プロジェクトもそうですが)、25点/1枚というすさまじい得点効率を持つカードであるため、構築を狙える帝国であればドラフトの優先度が高いカードであると考えます。このカードのドラフトは他プレイヤーの得点を抑えるという目的も持ちます。

不老不死(緑カードと黄カードのペア×9点)

 「不老不死」は、構築に大量の緑資源を必要とする緑カードです(他に黒資源と投資家・将軍トークンも必要です)。黄カードをペアコンボの条件の1つとするため、高得点を生みだす可能性がありますが、「アジア連邦」が大量の緑資源産出を持つ方法が限られているため、「不老不死」を最大限に生かせるゲームは少ないでしょう。

緑資源の大量産出を可能にする都合のよいカード①

 「大学」を構築できない場合には、「研究施設」等の白カードで緑資源産出を補うこととなりますが、黄資源産出増強のための白カードも併せて構築しなければなりません。この方法では、「不老不死」のペアコンボ条件である緑・黄カードの構築数が思うように伸ばせないと思います。

白カードの構築を黄資源産出に変換できる都合のよいカード②

 総じて、「不老不死」による高得点は、都合のよいカードがドラフトできるかどうかに大きく依存していると考えます。都合のよいカードたちは、「不老不死」の構築を行わない場合でも強力な資源産出を生みだすカードです。これらのカードを構築できているゲームの終盤で「不老不死」をドラフトできれば構築を考えるという程度でよいと思います。

大陸間ネットワーク(青カードと投資家トークンのペア×6点)・ヴァルハラ(黄カードと将軍トークンのペア×6点)・宇宙ステーション(投資家トークンと将軍トークンのペア×6点)

 「大陸間ネットワーク」・「ヴァルハラ」・「宇宙ステーション」は、前述のペアコンボ得点カード以外で、「アジア連邦」が構築を目指せそうなペアコンボ得点カードの候補です。「アジア連邦」は、黄カード構築または投資家トークンの獲得を得意としているため、これらを条件としたペアコンボ得点カードの構築は選択肢の1つとなります。
 一方で、青カードの構築や将軍トークンの獲得には一工夫が必要です。また、それほど多くの構築・獲得ができるわけではないため、上記ペアコンボ得点カードによる得点は補助的なものとして捉え、重なる条件を持つ他のペアコンボ得点カードの構築を第一の目標としたいですね。

資源産出カード

 前述の通り、It's a Wonderful Worldというゲームの基本は、序盤~中盤に資源産出カードを構築して、中盤~終盤に得点カードを構築することです。序盤に強力な資源産出カードを構築できるとゲーム全体を通じた資源産出量に大きな影響があります。特に第1ラウンドでは強力な資源産出カードを最優先でドラフトするようにしましょう。
 「アジア連邦」は、他帝国よりも多くの黄資源産出を持ち、強力な資源産出を持つ黄カードの構築を目指すことでゲームを優位に進められます。ただし、黄資源産出フェイズで構築が完了したカードの多くは、次ラウンドからその資源産出を発揮することになります(黄資源産出フェイズの後には青資源産出フェイズしか残っていないため)。リサイクル資源も活用して、カードを構築することも意識しましょう。

クリスタニウム発電所(産出資源:白白白黒黒黒)

 「クリスタニウム発電所」は、大量の白・黒産出資源を持つ白カードです。構築に必要な資源4つに対して、産出資源6つで驚異的な資源産出効率を持つため、ぜひとも構築したい資源産出カードの1つです。ただし、構築には赤資源が必要となるため、赤資源の確保方法を用意する必要があります。

構築ボーナスで赤資源を獲得できるカードの例

 「クリスタニウム発電所」の構築後は、それだけで十分な白・黒資源産出を持つことになるため、黄資源産出を持つ白カードや構築に黒資源を必要とする黄カードを不自由なくドラフトできるようになります。

黄資源産出を持つ白カードの例
構築に黒資源が必要な黄カードの例

 このように、多くの白・黄カードの構築ができるようになるため、「世界銀行」との相性がよいと考えます。

「世界銀行」の構築に必要な青資源は、増えた黒資源産出の一部を黒カードの構築に割いてまかないましょう。

小惑星の採掘(産出資源:白白白白、構築ボーナス:赤赤)

 「小惑星の採掘」は、大量の白資源産出および赤資源2つの構築ボーナスを持つ黄カードです。「アジア連邦」と相性のよい得点カードには、「世界銀行」や「長城」など大量の白資源が必要となるものが多くあるため、このカードのドラフト優先度は高いと考えます。

 「小惑星の採掘」をドラフトしたラウンドの次ラウンドの資源産出フェイズまでに構築することを目指すためには、黒・緑資源2つをリサイクル等でまかなう必要があります(黄資源2つは「アジア連邦」固有の資源産出でまかなうことができます)。後述する、他の資源産出カードにも同様のことが言えますが、黄の資源産出カードは資源産出フェイズの順番上、次ラウンドの資源産出までの構築完了を目指すことになります。リサイクル資源の色に気をつけてドラフトするように心がけましょう。

巨大ダム(産出資源:黒黒黒黒)

 「巨大ダム」は、強力な黒資源産出を持つ黄カードです。「巨大ダム」を構築できるかどうかが「アジア連邦」の黒資源産出量に与える影響が大きいため、ドラフトの優先度は非常に高いと考えます。「アジア連邦」は、黄カードの構築を数多く行うことで高得点を目指す帝国ですが、構築に黒資源を必要とする黄カードがあるため、黒資源産出の有無および量は構築するカードの選択肢を広げてくれます。

構築に黒資源を必要とする黄カードの例

 また、黒資源産出が増えることにより、青資源産出を持つカードの構築ができるようになります。青資源産出によって、得点源となる青カードが構築できるように
なることも、「巨大ダム」を構築できた場合の恩恵の1つです。

青資源産出を持つカードの例

 「巨大ダム」の構築には、白資源3つ黄資源2つが必要ですが、第1ラウンドでこれらを産出することは簡単ではありません。次ラウンドの白資源産出フェイズで構築が完了するように白資源産出の増強などの準備をしておきましょう。

共同事業(産出資源:黄黄黄青青)

 「共同事業」は、構築に必要な資源6つに対して産出資源5つと資源効率が非常に高い資源産出カードです。その資源効率からドラフトにおいても最優先で確保したいカードの1つです。黄資源産出を増強できるため、リサイクル資源を活用して早期に構築することで、さらに黄カードの構築を伸ばすことができます。また、構築には黒資源が必要となるため、前述の「巨大ダム」を構築できていると、このカードの構築も容易になります。これらを併せてドラフトすることができれば強力な資源産出の基盤を持つことができるでしょう。
 「共同事業」は、黄・青資源産出を増やすことから、ペアコンボ得点カード「ユートピア」と大きなシナジーを持ちます。

 「ユートピア」のペアコンボ得点による得点を伸ばすためには、青カードの構築数を増やすことが必要です。青資源産出を持つ黄カードの構築を意識して、青資源産出量を伸ばしていきましょう。

青資源産出を持つ黄カードの例

 構築する青カードも構築に必要な資源が少ないかつ資源産出を持つものだとベストです。その中でも「黄金都市」や「ソロモン王の洞窟」は、黄資源産出を増強する青カードであるため、黄カード構築を増やす「アジア連邦」の基本方針と相性がよいです。

 「ソロモン王の洞窟」の黄資源産出は構築済みの白カード数に依存するため、白カードの構築を伸ばす必要があります。「巨大ダム」を序盤にドラフトできないゲーム(ほとんどがそうですが)においては、白カードによって黒資源産出を増やさなければならないので、白カードの枚数は意識せずとも増えていきます。

黒資源産出を持つ白カードの例

 一方で、「黄金都市」は固定の黄資源産出を持つため、白カードの構築が十分でない序盤からその効果が期待できます。青リサイクルを活用して早期の構築を目指すことも、「アジア連邦」の戦術として選択肢に入ると思います。

リニアモーターカー(産出資源:黄×構築済みの白カード数)

 「リニアモーターカー」は、構築済みの白カード数に依存した黄資源産出を持つ黄カードです。白資源産出フェイズで構築する白カードの構築にその後の黄資源産出フェイズを強化する効果を付与することができるため、構築する白カードの価値を高めることができます。

「リニアモーターカー」構築後は産出資源:白黄黄とみなせる

 「リニアモーターカー」の構築には、黄資源だけでなく黒・緑資源も必要となりますが、これらの資源はリサイクル資源で十分にまかなえる量です。黄資源産出を大きく増強できるため、「アジア連邦」にとっては、ドラフトの優先度が高いカードと言えます。
 「リニアモーターカー」の恩恵を大きくするためにも、白資源産出を持つカードを構築して、白カードの構築を伸ばす必要があります。この白カード構築を黄資源産出(および黄カードの構築)に結びつける効果は、「世界銀行」のペアコンボ得点と強いシナジーがあります。

「リニアモーターカー」ドラフト後には、「世界銀行」による大量得点を目指したドラフトを意識してもよいでしょう。

大学(産出資源:緑×構築済み黄カード数)

 「大学」は、黄カードの構築に依存した緑資源産出を持つ黄カードです。このカードが構築できれば、緑カードの構築も選択肢も持てるようになります。緑カードの中には、黄カードの構築を中心とする「アジア連邦」と相性のよい得点カードがあるため、このカードもぜひドラフトしたい資源産出カードです。

黄カードと相性のよい緑の得点カードの例

 また、「大学」を構築できて初めて「不老不死」による高得点を期待できるようになると考えます。ただし、「不老不死」は、序盤からドラフトして目標とするようなカードではない(と感じる)ため、緑・黄カードの構築を伸ばしたゲームの終盤にドラフトできればラッキー程度にしておきましょう。

プロパガンダセンター(産出資源:黄×構築済み黄カード数)

 「プロパガンダセンター」は、構築済みの黄カード数に依存して黄資源産出を増強する黄カードです。黄カードの構築を一気に進められるほどの資源産出を持つ資源産出カードで、「アジア連邦」にとっては最優先でドラフトしたいカードの1つです。また、全体で2枚あるカードなので、ドラフトできる可能性が少し高いことも覚えておきましょう。ただし、2枚構築できれば鬼に金棒となります。
 前述の「大学」にも言えることですが、「プロパガンダセンター」の構築後は、構築に必要な資源が少ない黄カードを積極的にドラフトしましょう。資源産出をどんどん増強してくれます。

「プロパガンダセンター」・「大学」自体も軽量の黄カードです

 「プロパガンダセンター」の構築に必要な資源は少なく、構築が簡単なことも魅力の1つです。黄資源産出フェイズで、1~2個の黄資源を「プロパガンダセンター」の上に置いておくことができれば、次ラウンドの黄リサイクルを消費し十分に構築することができます。

シャンバラ(産出資源:青×構築済み黄カード数)

 「シャンバラ」は、黄カードの構築を青資源産出増強につなげることができる青カードです。「大学」・「プロパガンダセンター」と同様に、「アジア連邦」が得意とする黄カード構築と相性のよい資源産出カードなので、「ユートピア」や「大陸間ネットワーク」等の青カードを条件に持つペアコンボ得点カードの構築を目指す場合には有用な1枚だと思います。

 ここまで紹介した「大学」・「プロパガンダセンター」・「シャンバラ」は、ゲームが進むほど強力な資源産出を持つようになるカードです。黄カードの構築を進めた上でこれらのカードを構築できたあかつきには、他帝国の資源産出を大きく凌ぐ帝国となるでしょう。

諜報機関(産出資源:青青)・海底都市(産出資源:緑青青)

 「諜報機関」および「海底都市」は、青資源産出を持つ黄カードです。黄カード構築を伸ばしたい「アジア連邦」にとって、青資源産出を伸ばしたいときには、これらが構築の候補となります。ただし、同様の役割を持つ「共同事業」の方が資源産出の効率がよく、優先して構築したいカードです。

 「共同事業」の紹介でも説明しましたが、青資源産出を持つ黄カードと併せて青資源の置き場所となるカードもドラフトしておきましょう。軽量の青カードをドラフトして、今後の選択肢を狭めないようにしたいですね。

最軽量の青カード。少しながら資源産出もある。

 また、「海底都市」は、僅かながら緑資源産出を持つ黄カードです。緑カードの構築に必要な緑資源を産出するには足りませんが、「ユートピア」等の構築に必要な少量の緑資源を産出する補助となります。また、2枚目の「海底都市」も構築しやすくなり、さらに青資源産出を増やすことができるでしょう。ただし、これらのカード構築には黒資源が必要となるため、黒資源産出を持つカードを先に構築しましょう。

他のドラフト候補カード

 これまでは優先的にドラフトしたい強力な得点カード・資源産出カードを紹介してきました。しかしながら、これらのカードを毎回ドラフト・構築できるとは限りません。他プレイヤーが構築するためまたは他帝国の妨害のためにドラフトすることもあれば、そもそもゲーム中に見ることができないこともあります。
 強力なカードのドラフトができない場合には、次の基準でドラフトするカードを選択するとよいと考えます。複数の基準に該当するカードはさらに高い優先度でドラフトしましょう。

  1. 必要なリサイクル資源を持つカード

  2. 他帝国と相性がよい強力なカード

  3. 他プレイヤーが必要としているリサイクル資源を持つカード

  4. 補助的な資源産出カード

  5. 補助的な得点カード

資源産出・得点カードの優先度は、ゲームが進むにつれて逆転させて判断します(そのタイミングは状況によりけりです)。
 以下では、補助的なカードについて概観します。「アジア連邦」と相性のよい(と考えられる)カードのみ紹介します。

補助的な資源産出カード

 「リサイクル工場」は、白資源産出を増強することができる白カードです。「アジア連邦」は、それなりに白カードの構築を求められることになるため、強力な白資源産出カードをドラフトできない場合には、このカードの構築を目指しましょう。このカードの他に白リサイクルを2枚ドラフトして、資源産出フェイズ前に構築を完了することでドラフトしたラウンドから白資源産出を増やすことができるとゲーム中の窮屈さが緩和されます。

 「港湾区域」は、黄資源のみで構築することができる黄の資源産出カードです。どのゲームにおいても「アジア連邦」にとって必要となる白・黄資源を効率的に増やすことができる黄カードであるため、他に強力なカードがない場合にはいつでもドラフトして構わないカードだと思います。黄リサイクルを持つため、他の強力なカードの構築のために捨てることもできます。

 「地底都市」は、白・黒資源産出を持つ黄カードです。「港湾区域」と同様に白資源産出を増やすことができますが、黄資源ではなく黒資源を産出する点および構築ボーナスで赤資源を獲得できる点で異なります。構築に黒資源を必要とする黄カードがいくつかあるため、「クリスタニウム発電所」や「巨大ダム」をドラフトできていないゲームにおいては、「地底都市」の黒資源産出が重要となります。また、構築ボーナスの赤資源は言わずもがな便利です。

黄資源産出を持つ白カード群

 「工業団地」・「金融取引所」・「金鉱」は、黄資源産出を増やすことができる白カードです。白資源産出フェイズで資源産出カードを構築すると後ろの資源産出フェイズから効果を発揮できることが白の資源産出カードの利点です。ただし、「アジア連邦」の初期資源産出では、これらのカードの構築が難しいため、白資源産出を増やしてから構築を考えましょう。また、これらのカードは、黄リサイクルとして活用するためにドラフトすることもできます。

 「家庭用ロボット」は、白カードの構築数分の白資源産出を持つ緑カードです。「家庭用ロボット」の構築後は、上記の黄資源産出を持つ白カードが白資源産出も持つようになります。構築に必要な資源数が少なく「アジア連邦」でも十分構築が可能です。白カードの構築だけでは最終的な得点にはならないため、「世界銀行」等の白カードを条件とするコンボ得点カードのドラフトを意識しましょう。

 「機密研究所」は、緑資源産出を持つ黄カードです。「大学」と併せて構築できると、緑カード構築を伸ばしやすくなるでしょう。構築ボーナスで赤資源が獲得できることも魅力です。

補助的な得点カード

 補助的な得点カードとして扱うことができるのは、

  • 高い得点を持つカード

  • コンボ得点カード

の2つに分類できます。コンボ得点カードの中でも、「アジア連邦」と相性がよいコンボは以下のとおりです。

  • 黄カードコンボ

  • 投資家トークンコンボ

補助的な資源産出カードよりもさらにあっさりと概観します。

 「巨大タワー」は、構築に必要な黄資源が少なめの黄カードです。構築が容易であるにもかかわらず、それなりの得点を持ってくれているため、ドラフトの候補となります。ただし、投資家トークンを消費するため、投資家トークンコンボを別に構築している分だけ得点が目減りすることに注意が必要です。

 「月面基地」は、3色の資源および赤資源で構築できる黄カードです。3色資源それぞれの必要量が少ないため、リサイクル資源を活用することによって、どのゲームにおいても構築を目指すことができます。また、「アジア連邦」にとって資源産出ボーナスでの獲得が難しい将軍トークンを構築ボーナスで得られるため、「長城」の構築を目指すゲームでドラフトできると嬉しいカードです。

 「国際会議」は、黄カードのコンボ得点を持つ黄カードです。構築には投資家トークンが必要となるため、投資家トークンコンボ得点カード用意している場合には思ったほどの得点にならないことがあるので注意しましょう。

 「固定史跡」も同様に黄カードのコンボ得点を持つ黄カードです。「国際会議」とは異なり、構築には多めの白資源を必要とするため「アジア帝国」で構築するためには準備が必要です。「リサイクル工場」や「港湾区域」等の構築によって白資源産出を十分に強化できているゲームでドラフトしましょう。

 「ヘスペリデスの園」は、黄カードコンボ得点を持つ青カードです。構築に必要な青資源が控えめであるため、青資源産出の増強を積極的に行わないゲームにおいても構築が可能だと思います。また、「ユートピア」のペアコンボ得点を目指すゲームにおいても得点を爆増させてくれるかもしれません。

 黄カードコンボ得点を持つ緑カードもあります。コンボ得点は重ねるほど効率がよくなるため、緑資源産出に余裕があるゲームにおいては、「万能ワクチン」または「重力反転装置」の構築を狙っても良いかもしれません。特に「万能ワクチン」は、「不老不死」によるペアコンボ得点を目的とするゲームにおいて、最軽量の緑カードとして活躍してくれます。

投資家トークンコンボを持つカード群

 投資家トークンを持つカードは上の5種7枚です。「アジア連邦」は、黄資源産出ボーナスやカードの構築ボーナスによって投資家トークンを得られる機会が多いため、これらのカードの影響も大きいです。見てわかる通り、「秘密結社」以外の投資家トークンコンボカードは黄資源だけでは構築できないことから、黒・緑資源産出方法を用意する必要があります(「秘密結社」も赤資源を準備する必要があります)。

まとめ

 最後に、「アジア連邦」でプレイする際のドラフト優先度をまとめてみます。「アジア連邦」で高得点をとれるかどうかは、兎にも角にも強力な資源産出を持つ黄カードの構築にかかっていると考えます。第1ラウンドにこれらを見ることができたら真っ先に確保しましょう。

第1ラウンドにドラフトしたいカード

 前述のとおり、黄資源産出フェイズの後には青資源産出フェイズしかないため、必ずしも資源産出フェイズ中に構築を完了させる必要はないと思います。強力な資源産出を持つ黄カードをドラフトできたら、第2ラウンドの資源産出フェイズまでに構築が終わるように、リサイクル資源として使うカードのドラフトを意識しましょう。また、第1ラウンドでドラフトできたカードに応じてゲームの方針が決まります。

「小惑星の採掘」がドラフトできたら

 「小惑星の採掘」がドラフトできたら、黒・緑資源それぞれ2つずつをリサイクル資源でまかなう必要があります。第2ラウンドの資源産出フェイズから大量の白資源を産出できるようになるため、白資源の置き場となるカードを併せてドラフトしておきたいですね。「アジア連邦」は、初めから白資源産出を持っているため、第1ラウンドから確保しておけると効率的です。

白資源置き場となるカードの例

 「小惑星の採掘」によって白資源産出を十分に増強できたので、「世界銀行」のペアコンボ得点をゲームの目標としてもよいでしょう。

「家庭用ロボット」や「リニアモーターカー」のように構築済みの白カード数に依存した資源産出カードを構築できると、「世界銀行」による得点を飛躍的に伸ばせます。

「世界銀行」と相性のよいカード群

「巨大ダム」がドラフトできたら

 「巨大ダム」がドラフトできた場合には、白資源を用意する必要があります。白資源産出を増強しなくても、「アジア連邦」の初期白資源産出を第1・2ラウンドで巨大ダムに置くことによって、白リサイクル1つで構築を完了することができます。また、第1ラウンド中に「リサイクル工場」や「オカルト街」を構築することによって白資源産出を増やしてもよいですね。

「オカルト街」が緑資源産出マイナスを持つことに注意

 第2ラウンドの黒資源産出フェイズからは他帝国を凌ぐ黒資源産出を持つようになる(そうなることを目指してここまでドラフト・リサイクルする)ので、第2ラウンドのドラフトまでに黒資源の置き場所を確保しておきましょう。「小惑星の採掘」や「共同事業」といった強力な資源産出を持つカードのドラフトが最も望ましいです。

巨大ダムと併せてドラフトしたい

 これら以外では、青資源産出を持つ黒・黄カードがドラフトの候補です。併せて青資源の置き場所となる青カードもドラフトしておきましょう。

青資源産出を持つ黒・黄カードの例

以上の黒資源の活用先となるカード群も、緑資源や、「アジア連邦」の初期資源産出ではまかなえない量の黄資源を必要とするため、リサイクル用のカードもドラフトしなければなりません。
 黒カードを構築する場合には、「天上大聖堂」のペアコンボ条件を達成しやすくなります。青資源産出は軽量の黒カードによって増強し、白カード等によって黄資源産出も併せて増やしていきましょう。

「共同事業」がドラフトできたら

 「共同事業」は、青資源産出を持ちますが、第1ラウンドの資源産出フェイズ中に構築する難易度が高いため、第2ラウンド資源産出フェイズまでに構築できれば十分でしょう。そのためには、以下を意識してドラフトする必要があります。

  • 黒資源3つ、黄資源1つを確保する

  • 黄資源の置き場所(黄カード)を確保する

  • 青資源の置き場所

 1つ目に挙げた構築に必要な資源の確保について、リサイクル資源を4つ集めてもよいですが、「アジア連邦」の初期資源産出を活かして「風力発電所」を構築し、必要な黒資源の補助を得てもよいでしょう。白リサイクルをとっておけば、第1ラウンドから黒資源を産出してくれます。

構築できなくても黒リサイクルとして活用できる

 「共同事業」の資源産出により構築しやすい黄カードの範囲が広がります。特に黄資源のみで構築できる資源産出カードは構築したいカードの代表例です。黄リサイクルとして使うこともできるので、ドラフトして無駄にはならないはずです。

「共同事業」構築後に構築したいカードの例

これらのカードの構築により、黄資源産出をさらに増強し、中盤~終盤の得点カードの構築を迎えましょう。
 青資源の置き場所も用意しておく必要があります。資源産出を持つ軽量の青カードを確保して次なるラウンドの資源産出フェイズ前の構築完了を狙えると良い流れだと思います。

 「シャンバラ」を構築できると、黒資源産出を持たなくても、黄カードの構築により青資源産出を増強できるようになります。3~4枚の青カードを構築できるなら「ユートピア」のペアコンボ得点を狙ってもよいでしょう。

「クリスタニウム発電所」がドラフトできたら

 「クリスタニウム発電所」がドラフトできたら、何より赤資源の入手方法を確保しなければなりません。最短の入手方法は、「オカルト街」をドラフト・構築することです。「オカルト街」の構築を除けば、資源5つと交換できる赤資源に頼ってもよいでしょう。

赤資源を確保できれば、いよいよ「クリスタニウム発電所」を構築完了できるでしょう。白・黒資源産出が大きく増えるため、白カードや青資源産出を持つカード等の構築ができるようになります。

 黄・青資源産出を増やすことができれば、「ユートピア」によるペアコンボ得点を目指すことができるようになります。

 また、黒カードの構築を進めれば「天上大聖堂」によるペアコンボ得点を期待することもできます。

 増えた白・黒資源産出を活用してさらに資源産出を増強することで資源産出ボーナスによるトークン獲得も容易となります。トークンを条件とするペアコンボ得点カードの構築を目指してもよいでしょう。

投資家トークンを条件とするペアコンボ得点カードの例

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