見出し画像

模型のクオリティを底上げするスジ彫り道具の重要性

特にガンプラモデラーにとっては必須工具ともいえる「BMCタガネ」を単純に紹介しようと思っていたのですが、今、ガンプラとともにBMCタガネも品薄で、なんならガンプラよりも買えないのでは? という状況みたいですね(2022年4月時点)。

0.2mm幅から下が特に人気があって、今の状況でなくても比較的品薄だったイメージ

スジボリ堂さんのBMCタガネがなぜ人気なのか。
凹モールドを彫り直す際、かつてはニードルやPカッターなどが主流だったんですけど、彫り跡がV字になるので、彫る深さによって幅が変わったりとか、そもそも幅の広いディテールどうすんの? とか、いろいろ技術が必要だったんです。

そこで出てきたBMCタガネはコの字に掘れるので、深く掘ってもディテールの幅が広がったりしないんです。またコの字の刃先のおかげで彫り跡のエッジもシャープなので、自ずとディテールもしゃきっとなる。ディテールがシャープになれば全体的にもシャープな印象になるので、すごく有効な工具といえます。

ヒットを受けて模倣品がいくつか出ていますけど、やっぱり第一人者っていうのが強くて、いまだにダントツで人気があるのではないでしょうか。
スジボリ堂さん自体、北海道にある規模の小さなメーカーさんなので、需要が上がり過ぎちゃうと対応できないというのがもどかしいところ。

ですので、なかなか買えないからといって、メーカーさんへ突撃するのはやめましょう。
模倣品も悪くないので、まずはそれでお試しください。形は違うけど同じ効果が得られるファンテックさんのものとかオススメですよ。

せっかくなので、BMCタガネが買えるようになったらどの幅がいいのかちょっとだけアドバイス。

・汎用性の高さ→0.15mm
おそらくこれを基準に、もう少し細く…もう少し…もう少し、とこだわりだすのかなと。
ガンプラでいうならPG〜HGまでおおよそ対応可能。HGでガンダム系のへの字ディテール彫り直しが少しつらいかも? あとヴィクトリーやF91といった小型になったMSのHGももしかしたらキツイかな? でも大概はいけるので、持っておいて損はないと思います。

・あまり大きいものを作らないのなら→0.1mm
HGシリーズを始めとする1/144スケールがメインであるなら、0.1mmを先に買うのは有り。細いディテールは細いままを維持できますし、多少ディテールの幅が広くても、彫ってしまえばスミ入れ塗料が入り込んで繊細なディテールに仕立てられます。
ちなみに、ディテールが細ければ細いほどスミ入れ塗料の色濃度は濃くなります。そういった意味では、ディテールを主張させたい時にあえて幅の狭いもので彫り直すのは有効な手段です。

・汎用性に若干の繊細さを求めたい→0.125mm
0.1mmと0.15mmの間の子。何にでも使いたいけど、もう少し繊細でシャープな印象を追加したい、というときにはオススメ。
現に、これをメインにしているプロモデラーもいて、特に最近のガンプラはディテールが細かく繊細になっている傾向にあることから、0.125mmのほうがもとのディテール感を崩すこと無く彫り直すことがしやすいかもしれません。

そのほか、0.75mmというのも結構人気で、近年のMGシリーズに施されている細かいディテールの彫り直しに重宝するとか。

結局何を作るかやどう仕上げるかなどの考え方で必要な幅は変わってくるので、以上のアドバイスを参考に、自分にあった幅を取り揃えてみましょう。

このキャップは大事にとっておきましょう

最後に、簡易的なゴムのキャップがついてますけど、これは捨てずに使わないときには都度取り付けてください。BMCタガネはタングステン鋼が使われているため、固いけど衝撃にはめちゃくちゃ弱いです。落としただけで欠けるし、幅の狭いものは折れたりします。

1本あたりそれなりにしますし、なかなか買えないものだったりするので、大事に扱いましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?