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ピンセットを侮るなかれ【プラモデルのすゝめ】

模型製作用工具の中で最も重要なものってどれだかご存知ですか?
ニッパー? デザインナイフ? ヤスリ? 接着剤?

答えはそう「ピンセット」なんですね。

愛用のENGINEERのチタン製ピンセット

昔、個人的なブログで書いたりもして、定期的に世の中へと発信しているんですけど、いやホントにピンセットって重要で、その割に大して良いピンセットが模型メーカー・ブランドからリリースされていないのは、模型業界に蔓延る大きな謎の一つだと思っています。

というくらい大げさに、声高らかに主張したいピンセットの重要性。

ほかのことはどうであれ、ピンセットについてはひたすらに厳しい姿勢でいるのは、ピンセットって、指では扱うのが難しい小さなものやデリケートなものを扱う、言わば失敗が許されないシーンで登場することがほとんどだから。

そんな最重要任務を精度の低い安価なピンセットに任せたばかりに、部品を飛ばして小一時間地べたを這いずり回ったり、見つからなくて妥協するかもう一つキットを購入するハメになったり、とにかくデメリットしかないんです。

そんな私がピンセットに求める重要な要素とは何か。
1.高精度であれ
2.頑丈であれ
3.軽量であれ
4.磁力を持たない素材であれ
5.高級であれ

特に重要なのは1と2。
両端が綺麗に揃わないものは論外なので、秒で捨てるか、塗料を混ぜる棒か何かにリサイクルしてください(笑)。

ただ精密に合わさるだけでも微妙です。
細い先端がぴったり合っていても力のかかり具合でしなって先端が反り返りパーツが飛んでいく恐れがあります。

厚みを持ちつつ、先端が細いタイプが安定したホールドを実現しているように思えます(上の写真みたいな感じ)。
またそういうタイプのもののほうが自ずと頑丈だったりしますね。先端が細く柔らかい素材のものだと、落とした時に簡単に曲がって駄目になります。

意外とピンセットって落とします。繊細な力加減で対象をホールドしたりするんで、何かの表紙に落としてしまうんですよね。

そのためにも頑丈なタイプが良いです。
理想は、机から落としてフローリングに突き刺さるくらい先端がへこたれないもの、ですね。

素材はチタンがオススメです。チタンは軽くて頑丈。軽いほうが落としたときの衝撃も多少和らぐので、それで先端が駄目になるリスクも軽減されます。

またチタンは磁力を帯びにくい性質を持っています。プラ製の模型に磁力って…と思うかもですが、これが結構厄介で。模型って、金属パーツを扱うことって結構あるんですよね…。

身近なところでいうなら、タミヤ製バイク模型で多用されるネジ。小さいので、ピンセットを使うことになります。そのピンセットが磁力を帯びているとネジがくっついて扱いづらくなりますし、不要に飛ばしてしまったり見失ったりします。

精度と剛性を併せ持つチタン製のピンセットとなると、自ずと高いものになります。
オススメは、ピンセットの雄であるデュモン(DUMONT)一択。スイス製の世界最高峰ピンセットです。

チタン製となると安くても7、8000円。比較的良いとされるタミヤ製 精密ピンセット(1500円ほど)と比べても破格の金額ですが、使い心地は別の工具といったところです。

正直ピンセットにはこれぐらいのお金を費やすべき! と思っていますが、さすがに予算オーバーということであれば、冒頭から掲載しているENGINEER製のピンセットがオススメです。

もう5年以上? へたしたら10年近く使っています。その間に幾度となく落としたりしていますけど精度は駄目にならず磁力も帯びず、ずっと安定して使い続けられています。

デュモンも使ったことがあります。正直、デュモンのほうがホールド感が良く使い心地はいいです。これは、多分だれでもはっきりわかると思います。

デュモン以外であえてオススメするなら…というところで、ENGINEER製のピンセットを取り上げてみた次第です。それでもそれなりの価格ではありますが…。


ピンセットを笑うものピンセットに泣く。
ピンセットを疎かにすることで、あなたの模型ライフに暗雲が立ち込めるかもしれません。


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