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【グッチョ最新号】生きづらさを赤裸々に綴るWEBライターを紹介。彼女の葛藤に向き合う

ようやくグッチョの最新号を出せました。年度始まりの余波がまだまだ続いていて、なかなか記事発行のペースが上がらず。というか、ここでグッチョのことを書くのは久しぶりかな。

今回は生きづらさを抱えたWEBライターの物語です。TANOSHIKA CREATIVEという事業所でWEBライターをしているpiasuさん。彼女には精神障害があり、ある時「文章以外の能力が壊滅的」と診断されました。その後ライターとしての道を選び、今に至ります。
グッチョの取材に当たって、顔出しするかの葛藤に苛まれました。表紙写真はそういうことです。

今号の表紙。顔出しを悩むpiasuさんの答えがどっちでもこの表紙には意味があったと思います

僕がpiasuさんにフォーカスしたいと思ったのは、とても直感的なものでした。久留米界隈で何か題材がないか、ネットをさまよっていて、偶然たどり着いたメディアが、同社が運営するWEBサイト「AKARI」でした。そこでpiasuさんの記事をいくつか読んでいるうちに「とにかく取材したい」と。この感覚は久しぶり。そんなわけで、取材から記事を仕立てるまで、どの部分をどのように書いていくべきか、すごく悩みました。

最終的にたどり着いたのは、葛藤や生きづらさ、精神状態を「赤裸々に」書き連ねる彼女の記事を、当事者や同じような生きづらさを抱える人「じゃない人」に見てもらいたい、ということでした。

彼女の記事のことを「なんだか心に刺さってくる」と表現した人がいました。私も同感で、それが直感的に取材に踏み切った要因だったと思います。そして、だからこそ「じゃない人」にも届くのではないかと感じたんだと思います。

触れなければわからないことがある。でも、触れなくても「知れば」少しは変わる意識があるかもしれない。そんな気持ちで記事を書きました。

あふれだす葛藤や悩みに向き合いながら、記事を執筆しています

piasuさんは、noteでも執筆しています。紙媒体の形式でまとめている【グッチョ市ホームページ版】では、記事の一部抜粋しかできなかったけど、冒頭にリンクを貼っている【グッチョnote版】では、彼女の記事をたくさんリンクしています。今号のグッチョは、ぜひ彼女の記事を見ながら、味わってほしいと思います。

MacBook Proを買ってから、2年が経った。自分のお金で買える訳がない。障害年金を使わせてもらって、購入した。30万の札束を店員さんに渡した事。MacBook Proを開くたびに、私はあの札束を思い出す。私は、いずれ、あの大金を、世間に返 したい。そのために、私は今日もそのMacBook Pro の前で必死に頑張っている。piasuさんの記事「障害年金で得たもの」から

「障害というものは悪いものではないから、顔を隠したくない」と強く思う彼女は最終的に「顔出ししない」という決断をしました。それはとても現実を反映した選択だと思います。なぜなら、風当たりが強い瞬間がまだまだあるから。つらいことだけど。

そういう状況にあっても、piasuさんは取材を受けてくれた。そして、こうして2人で後ろ姿で「ピースサイン」という昭和なポーズで写真におさまってくれた彼女に感謝しかありません。

それに、記事の最後にも書いたけど、顔出ししないことを後ろめたく感じる必要はないと伝えたい。なぜなら、記事の中には「ありのまま」の彼女がいて、存在をありありと感じさせてくれるから。顔は見えなくてもそれ以上のリアリティがあるから。

「表紙と同じ後ろ姿で一緒に写真撮りましょう」と誘ったおじさん(右)が私です。piasuさん付き合ってくれてありがとうw

最後に、彼女が働くTANOSHIKAの代表の嘉村さん、支援員の脇田さんはじめ、事業所の皆さん、今回は本当に多大なご協力をいただき、ありがとうございました

ちなみに紙面レイアウト版はこちらから。


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