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文化放送ラジオCMコンテストの最終ノミネートに残った話

SE:雪が降る音
少女:マッチ、マッチはいりませんか…
男:お嬢さん、マッチなんか売れないよ
少女:これは何…?
男:ライターだよ。さあ!これあげるからおじさんとホテルに行こう!
SE:ライターを点ける音
男:アチチチチ!!?
NA:子どもにライターを持たせないようにしよう!
   子どもを守る、ライター4ヶ条!
(ボツ案 理由:倫理的にアウト)


好きなプリキュアはキュアスカイ、どうも僕です。


最近はYouTubeで毎日配信されてるプリキュア5も見てる。

文化放送ラジオCMコンテスト。
それはグランプリ賞金100万円の日本最大のラジオCMコンテスト。
各地のラジオCMコンテスト受賞者など実力者が集うラジオCMの祭典。
Twitter上でひそかに1000本チャレンジしてたのだけれどほとんどの人間に気づかれていなかったラジオCMコンテスト。さすが俺、立ち読みしてるコジマさんの真横を往復しても気づかれなかった男、存在感が薄い(もうここまできたらコジマさんが気づくまで声はかけずにチャレンジ継続したい)。

連絡が来たのは2月21日。
とりあえずメール確認しとくかと開いた所見知らぬ名前からメールが届いており中を見てびっくりぎょうてん。特に口止めはされてなかったものの誰にも言わずに待機。
そして3月1日に最終ノミネート作品先行配信の動画を視聴。
ラジオCMコンテスト受賞常連から今年の宣伝会議賞受賞者まで強者揃い。そんな中私はコミーのFFミラーという課題で1作品残ってました。
その作品がこちら。

SE:足音
SE:ぶつかる音
男A:痛ってーな!どこ見て歩いてるんだコラァ!
男B:そっちこそどこ見て歩いてるんだコラァ!
男A:お前何部だコラァ!俺は営業部だコラァ!
男B:俺は総務部だコラァ!
NA:社内の衝突事故防止に。コミーのFFミラー

…というCMコピーでした。
ノートを見返すと書いたのは1024本目。ボツにするか応募するか迷ったけど最終日だし一応出しておくかと出した自信作ではないコピーでした。もしかしたらボツにした中にグランプリ作品があったかも…いや、ないな多分。
自信作ではなかったけどコミーのラジオCMだと知らずに初めて聴いた人には不良かと思ったら社会人という「裏切り」がある展開になっているし、「コラァ」と「ミラー」で韻を踏んでいるし、「社内の衝突」がダブルミーニングになっているし、何回も繰り返し聴いていたら「こいつらいつもケンカしてんな」と思わせるスルメ効果を狙ったラジオCMでした。審査員もその狙いを見抜いた上で選んでくれたのかなと。
…とか何とか言ってるけど何でこれが選ばれたのかは


分からん!!!


自信はまったくなかった。自信作は他にあった。結局自分の手応えほどアテにならないものはないということだと思う。これまでで自信作で入賞したのなんて「佐渡前寿司ーズ」しかないし、受賞作はほとんど自信のないものばかりだし。
中島さんと谷山さんの講評でも聴ければと思ったけどこっちじゃ放送されなかったし聴けなかった。…県内在住者が最終ノミネート入ったんだから枠変えてでも放送してくれればいいのに。受賞しないとダメなのかい?

演じてくださったのは青二プロダクションのプロの声優さん達。
名探偵コナンの蘭役の山崎和佳奈さんや銀魂の新八役の阪口大介さんなどそうそうたる面々。
そんなプロの声優さん達に自分の作品を演じてもらえて幸せでしたし、オンエアされるのは声だけなのに全ての作品とセリフで演技中身振り手振りを全力でやってくださってる声優さん達の姿に感動しました。
全体的に「思ったよりゆっくり読むな」という印象で、中には30秒を超えている作品もあったけど書いてる本人達はみんな20秒に収まるつもりで書いてるからまあ大目に見ようじゃないですか。私のなんかかなり短い方だと思うのにそれでも20秒超えてたし。
秒数オーバーの分は声優さん達がひとつひとつ丁寧に演じてもらった分です。そのくらい熱の入った演技だった。限定公開じゃなくてずっと公開してて欲しいなあ。それかデータ欲しい。

1回目は倍速でざっと見て、2回目は文字起こししながら考えてリスナー投票。
私が投票したのは

1位 コミーの1番(ヘイメーン!)
2位 パナソニックの3番(パソコンのぬくもり)
3位 月桂冠の1番(プロポーズ)

でした。
最終ノミネート者がリスナー投票できる事には批判もあるかもしれないけど、ここに残った人達は自分可愛さに自分の作品に投票するような人ではないでしょう。私も自分の作品より面白いと思ったから忖度なしで投票しました。いや~「ヘイメーン!」にはやられたわ~。もちろん自分の作品が一番面白いと思ったなら自分の作品に投票するのもアリだと思います。
フタを開けてみれば結果は・・・予想してたのと全然違ったなという感じ。でも合わせるのは無理なのでこれからも自分が面白いと思うものを作って行きたい。

宣伝会議賞の贈賞式で同じく最終ノミネートに残っていたtontonさん、ナガイさんとお話したのですが、お2人は先行配信に申し込んでなかったそうで最終ノミネート作品をご存知ありませんでした。tontonさんに私も最終ノミネートに残ってますと話すと「コミカルですか?」と言われました。ううむ、俺のラジオCMのイメージってそんな感じだよねえ。
後ローラーさんと向井さんを見てコピーとスキンケア頑張ろうと思った。東京にいる間ずっとラジオを聴いていたのでラジオCMの引き出しは増えたと思う。贈賞式の会場でもずっとラジオを聴いてたら同じテーブルだった向井さんに怪訝な物を見る目で見られてたけど…

私のラジオCMの根っこにあるのはテンプレ&シンプル&コミカルというアニメやラノベで培ったラジオCM。
AIがコピーを書く時代がすぐそこまで来てると言いますが、むしろ私はラジオCMをAIが作る時代が来るのではないかと考えてます。小説でもAIに作品を作らせる人が出てきてるし、ラジオCMでもAIに作らせる輩が出てくるだろう。
そうなると真っ先に淘汰されるのは私のような旧いタイプのラジオCMしか作れない人間じゃないか。
コミカル路線はウケた時は強いけれどスベった時はかすりもしないし去年一昨年より受賞数を下げてしまったのは飽きられ始めたからじゃないかと危機感を抱いています。
地方に住んでいて民放ラジオはたったの2局。流れてくるラジオCMは地元のローカル番組のつまらない番宣。教科書はネットに残っているラジオCMコンテストの受賞作品をすべてプリントアウトしたものや手書きで文字起こしした作品集のみ。
鉛筆とノートというアナログな手段で1人黙々とラジオCMを書き続ける日々。
気分はソフト全盛、居飛車有利の流行に背を向けて盤駒で研究し振り飛車を指す振り飛車党の棋士の気分。
今回最終ノミネートに残れたとはいえ次回も残れるという保証はなく、地方のラジオCMコンテストでも受賞できずに終わることが多く危機感を募らせています。
コミカル展開一辺倒では苦しい。新しい戦法を開発しないといけない。
ラジオCMのトレンドが変わってきてる中で何を書くか。今手探りでもがいています。
あと今回思ったのはラジオCMはやっぱり本数書かないとダメだということ。出会い頭で衝突するというシチュエーションは最初書いてたけど一周回って最終ノミネート作品が生まれたので1000本書いてなかったらたどり着けなかった。だからこれからも本数をサボらず書いていきたい。ラジオCMモンスターズに勝てるとしたら、努力だけだから。
時代遅れと笑われようと、他人にバカにされようと、ノートに鉛筆で書き続けるぜ。
…では最後に、お見苦しい本音を一言。


あーあ! ホントは俺が最終ノミネートに複数残って複数受賞とグランプリをかっさらう予定だったのになー!
どいつもこいつも強すぎだろ!
まったく!このラジオCMモンスター共め!
お前達、最高だぜー!
来年もまた戦ろうな!!!

あなたが読みたいと思ってた文章、書きます。