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【高校漢文】詩賦を善くする銭明経 胸中に幾雲夢をか呑む


今日解いたセンター‘07の漢文で、初めて知った四字熟語が気宇壮大。聞いたことがなかったのは私が非常識なだけかも。


銭明経は詩賦に長け、毎年の試験で決まって上位の成績を収めていた(銭は必ず“冠軍”たり)。

ある年の試験、酔っ払っていた銭明経は試験終了直前まで眠りこけてしまうが、目覚めた銭はその場で次の詩を書く。

我来揚子江頭望
一片白雲数点山
安得置身天柱頂
倒看日月走人間

センター2007,姚元之『竹葉亭雑記』



この詩を評する言葉として問いに含まれていたのが「気宇壮大」でした。

ついでに七言絶句で一句目は押韻しない場合もある、というのも恥ずかしながら初めて知った。

“安くんぞ〜得ん”で甲乙丙丁まで点が使われているが,東間は実戦ではなかなかお目にかかったことがない。四つ飛ばなきゃいけないから,上中下を飛ばして甲乙点を使ってると言うことなんだね。
この安くんぞは反語ではなく,〜したいという願望の意味。

天柱というのは「神話の中に出てくる、天を支えているという柱」らしい。その先端から人間界を望み、太陽や月の動くのを見ていたい、と歌っている。

人間はジンカンと読み、ニンゲンのことではなく人間社会・俗世間を言うのは漢文常識!人間万事塞翁が馬、さすがの東間でも知ってました。ちなみに初めて聞いたのはヒプマイの夢野先生のラップ。

この詩を督学(試験責任者の役人)が評価して、「此の人胸中に幾雲夢を呑むかを知らず」と言った。魔道祖師でお馴染みの雲夢、長江中流域にあった広大な湿原です。こうして趣味領域と知識が繋がってくることがあるから漢文は面白い。

この人の心はどれほど多くの雲夢を飲み込んでいるかわからない、なんとも気宇壮大だ、と評したわけです。


センター漢文のこと少しなめてたけど、いい感じに難しくてちゃんと誤答した。基礎固めの3月と言うことで、とりあえず文法書の句法の部分から網羅していきたいな。



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