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この世の全ての苦みを吉野家に置いてきた誕生日

吉野家で大渋茶を引き当てる渋茶色のロジャーの誕生日記録。

ゴール・D・ロジャーのように伝説の海賊王になって名言を残して大海賊時代のきっかけとなることもなく、渋茶色のロジャーこと私は先日無事に誕生日を迎えた。

誕生日当日、どうしても友人からのプレゼント郵便を受け取りたくて数キロ先の郵便局まで歩いたのだけれど、道中、エネルギー補充のために吉野家に寄った。

「誕生日の吉野家というのもなかなか乙なものですなw」などと、特に中身のないことをヘラヘラと言いながら入店して牛カレーを頼んだ。
なにが乙なのか自分でもよくわからなかったけれど、自炊の気力がない時や財布が危機的な状況の時に吉野家プリペイドカードを片手に足繁く通っていた吉野家で1つ年を重ねるというのは、誕生日を日常視するという意味で乙だったのかも知れない。足繁く通うほど頻繁に訪れる危機的状況。

とにかく、特別に見えるものを日常として捉えるのは時として新しい発見を生み出すこともある、という意味で「乙なものですなw」と言ったのかもしれない。後付け設定がつゆだく特盛。

カトラリーとかがセルフ形式の吉野家だったので、注文後スプーンを取ってウキウキするなどした。

ウキウキの横で吉野家経由郵便局行き乙ツアーに参加してくれていたマブがセルフサービスのお茶を注いで席に向かったので、私もそれに従った。
席について何気なくマブのお茶を見ると、私の茶がはちゃめちゃに深い色をしていた。

右の渋茶か?欲しけりゃくれてやる。

底が見えないほど暗い色をした茶を前にひとしきりギャハギャハしたあと、悠然とお茶を飲み「これもヨシ」などと言った気がする。ヨシ野家。

実のところ、めちゃくちゃ苦くてお茶の要素を見出せないほど渋かったのだけれど、誕生日に試練をくれた吉野家に心の中でkissを捧げた。全く誕生日を日常視できておらず、大変調子に乗っている。これからの人生の苦みもギャハギャハ乗り越えたいなどとデカめの教訓を得た。

ちなみにこの文章には吉野家のお茶マシーンを責める意図は全くない。いつもお茶をありがとう。多分タンクが空になりかけていた状態で茶を飲んで渋茶とか言ってごめんね。


底の見えないお茶を飲む数日前は、物理的に先の見えない地に赴いていた。

霧まみれの旅行先


数週間前、敬愛する友人のかわゆいちゃんとおふとんちゃんと長野旅行に行った。2人ともそれぞれのジャンルで活躍していて、とっても尊敬しているBIG LOVE FRIENDSである。

3人とも誕生日が近いこともあってウキウキと旅行に行ったのだけれど、目的地の黒姫童話館が霧に覆われていた。山の天気は難しい。

黒姫童話館(長野県)


あまりの霧深さに不安を覚えて、苦し紛れにミッドサマー…ってコト!?!?などと不穏な騒ぎ方をしたけれど、とっても楽しい場所だった。

黒姫童話館は長野にある、名の通り童話についての資料がたくさん収蔵されているミュージアムである。

「時間」の価値について教えてくれた大切な本『モモ』の作者、ミヒャエル・エンデの膨大な数の資料が展示されてるということで大変行きたかった場所だったので、とっても満足できた。

エンデの作品についてはもちろん、民話とかゲタに化けるタヌキのめちゃかわ絵画なども見れるから、近くに家を建てたいと思う。安直。

ほっこりした気持ちで建物を出たらまた霧が広がっていたけど、その霧をも楽しめるくらい、童話館は楽しいイメージに包まれていた世界だった。大好きじゃん。

「この霧すらも冒険なのだ!」と息巻いて帰路に向かう車のハンドルを握ったら瞬く間に冒険心が失われた代わりに現実の命の重みを思い出したので安全運転で帰った。先が見えることも大切である。

霧に包まれたあとも山の宿で暖炉に火をつけようと奮闘したり、レンタカーを無事返却して、事故の時にかかるお金を払わなくて済んだ、むしろ稼いだと騒いだりした。おもしれー車。

次の誕生日までも楽しく生きよう。スペシャル日常。

誕生日記録はこれにてfin.
今日は秋刀魚の頭の苦みを再認識した。全然苦みを吉野家に置いてない。

-----以下お知らせ-----

・原案を担当した『終末ウィッチクラフト』が来週の11/25(金)に公開されます!楽しみにしてもらえると嬉しいです。
最新情報はcomipo歌漫画大賞特設サイトからご確認くださいませ。

・noteは毎週木曜19:30頃に定期更新しています。1ヶ月続いたからもう定期更新を名乗っていい。1ヶ月の継続に対する圧倒的な自信。

・適当占いを更新してます。お知らせすることだらうか。
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最近はシカパックを塗って孤独のハルクごっこをするのにハマっている。
それではまた来週。

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