燃やすもの
起きがけに永井真理子さんの記事をヤフーニュースで読んで思った。
永井真理子さんは私が多感だった時代のスター歌手である。
2021年現在54歳
そういえば私も40半ばだななんて、時間の経過への驚きと、恐れを感じた。
記事によると、永井さんはご自身の兄のギターに憧れ、
目標高校の合格したら父親にギターを買ってもらう!という約束をして
努力の甲斐あり見事合格!ギターを買ってもらったのも束の間、
高校は全寮制で先輩と同室ということで、部屋でギターを弾くことができない上、同室先輩の世話もしなければいけないという体育会的寮生活だったようです。
時代は昭和、年上を尊ぶという姿勢を求められる時代。
その閉塞感すら当然の時代だった。
高校卒業後、実家が母親が営む美容室を継ぐものと内心思っていらしたようだが、“東京に行って、やりたいことを見つけて来なさい!”という母親の言葉に背中を押され上京。
短大に入学後バンドサークルに入り、歌うことの快感に高校時代の鬱屈を吐き出す。音楽への情熱はみるみる燃え盛り、就活の時期になってもその情熱は増すばかり。
就活に勤しむ同期たちを横目に、後に音楽パートナーとなる前田克樹さんと出会いプロを目標にますます音楽にのめり込んでいく。
レコード会社にデモテープを持ち込み担当者に
“あなたの声には魅力がある。目の中に炎が見える。”
と言われその後デビューする。
私が中高の時は大スターだった永井さんの原動力は
“音楽がやりたくても、やれなかった鬱憤”だったのではないだろうか、
憧れる多くのスターのすべてがずっと順調にスターになれたわけではないはずだ。時代に流され、気持ちの浮き沈みを経験しその中で、情熱を燃やすべく“鬱憤”を抱えて、時を見計らってそれに火をつける。
その燃焼は大きな人もいれば小さな人もいる、
長い人もいれば短い人もいる。
大切なことは、自分が持っている燃料をまっすぐ見つめること、決して斜めから見てはいけない。斜めから見ると厚いガラスを通して見るみたいにその世界が歪んでしまうから。
まっすぐ見て、それをしっかり燃焼させることができれば。
成功というみんなが認める実績にはならなくても、
自分の中の自身になるはずだ。
人生における“成功”の幅が狭くなって来ている現代だが、そんなことは気にしないで、自分の中に溜まった“燃やすもの”を直視し、思う存分燃焼させたいものである。
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