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日田ー添田 散策記

2週間前くらいに大分県日田市に行ってきました!
日田と言えば、あの有名な作品『進撃の巨人』の作者である諌山創さんの出身地として有名です!
以下の写真のように、日田駅にはたくさんの進撃関連のものがありました!

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進撃ファンであるわれも、日田駅で大いに楽しんできました!

しかし、われが今回日田に言った目的は、進撃の巨人の聖地巡りというわけではありませんでした!
ではなんのために日田までいってきたのか、それは、現在一部廃線となってしまった、日田彦山線の跡地における取材のためです!

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(「夜明駅」:左二本の線路は久大本線・右一本の線路が日田彦山線)

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(夜明駅の日田彦山線の線路を拡大:線路は使われなくなり4年経過)

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(添田駅:使われている右の線路と使われていない左の線路の境界)

2017年7月、九州北部を豪雨が襲いました。
その影響は甚大で、橋が脱落したり土砂崩れが起きたりと多くの被害が発生し、ライフランが寸断されした。
地域住民は避難を余儀なくされ、4年経った現在においても、仮説住宅での暮らしを強いられている人も少なくない状態です。
日田彦山線も災害を逃れることはできませんでした。
橋の脱落、土砂崩れにより、線路は寸断され復旧工事をしなくてはまた電車を走らせることができない状態となってしまいました。

じゃぁ、どうやって復旧するの??
その方法を巡って、ほぼ3年に及ぶ長い議論が展開されました。
議論の渦中にいたのは、日田彦山線を運営していたJR(民間)と、日田彦山線を利用していた地域住民です。


JRは主張します。
「日田彦山線はもともと赤字だった。つまり電車で復旧したところで私たちにはなんの利益もない。それだけでなく、ふさがれたトンネルや脱落した橋を修復し、かつ線路を敷きなおすには、膨大な費用がかかってしまう。だから日田彦山線は電車以外の方法で復旧すべきだ。」と。

対して住民も主張します。
「日田彦山線は地域の伝統であり、都市部と地域を結ぶ足なのだ。電車があり駅があるからこそ地域に人が寄ってくれて発展するのだ。それだけでなく、日田彦山線と言う電車は地域の伝統でもあり、なくすわけにはいかないのだ。」と。

このように、両者が主張する前提(JRは収益の増大化、住民は地域の発展)が真っ向から対立する状態にあるため、議論は収拾がつかず、とても長引いてしまいました。


時は流れ2020年6月。長い議論を経て、日田彦山線はBRTで復旧することが決定されました。
BRTとはBus Rapid Transitの略です。
通常よりも少し大きめのバスが、線路ではなくバス専用道路を走っていると考えてください!
BRTは専用道路を走りますので、信号や他の車の侵入がなく、定時の運航を可能にするという面でバスの欠点を補えます。
またBRTは線路でなく道路を走るということで、線路修復にかかる膨大な費用をカットできるという面で、電車の欠点を補えます。

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(BRT専用道路建設工事中)

さて、日田彦山線のBRT化に伴って、地域住民はなにを思っているでしょうか。

BRTの運転手は、「BRT専用道は山の中のトンネルを通るため、冬の季節は雪かきをせずとも道路を使うことができてうれしい。」だったり、「BRTは専用道路を通るので、離合を気にせず安心して運転できる。」だったりと、笑みを浮かべていました。
また地域住民も「電車の時よりもBRTの方が停車する駅(バス停)が増え、利用しやすい。」だったり、「BRTだと病院の前など行きたいところの目の前まで行ってくれるのでありがたい。」だったりと、好感を持っている意見が多めです。


しかし、本当にBRTは100%受け入れられるものだったのでしょうか?
結論から言うと、そうではありませんでした。

日田彦山線沿線上にある東峰村という地域は、最後までBRT化に反対していました。またBRT化に賛成した地域であっても、その地域の住民の意向のいかんを問わず首長が独断で参政を決定した地域もあると聞きます。

現にBRT化が決定され工事が進んでいる最中であっても、以下のような看板が散見されました。

日田彦山線取材記録_210608_16

われも日田彦山線の沿線を、そして駅を巡り歩く中で、日田彦山線を電車で復旧する意味、地域の伝統や発展に資する電車の意味をうすうすとではありながら実感しました。

利益や損得により最終的な意思決定がされがちな今。
合理性・効率性の名目のもと、少数者が排除されがちな今。
ほんとうにこのままでいいのか。

そんな壮大な問いすら思い浮かんでしまいました。(笑)

今日はここまで。
こんなもやもやを残したまま、われは去ります。

次回以降、このようなもやもやを解消するための政治の役割なども書いていくことができればと考えています。

ではまた。
最後までお読みいただき、ありがとうございますm(__)m


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