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2021 CL GS ディナモ・キエフ vs バイエルン

すでにグループステージ突破を決めたバイエルン。
とは言え、しっかり一位をキープするためには極寒のウクライナまで赴き勝利を手にせねばならない。

問題はチーム状態。怪我人とコロナの感染隔離で、実に多くのメンバーが招集できずに遠征となった。
具体的には、ニャブリ、ウパメカノ、ズーレ、キミッヒ、チュポ=モティング、ムシアラ、ザビッツァー、キュイザンス…ってふざけんな。もう少しで1チーム作れんじゃねーか。

ということでスタメンは以下の通り。

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特記すべきは、トリッソがボランチの一角を担うことになったことだ。不安しかない。

あと、ベンチメンバーが6人しかいない。その内の二人はキーパーだ。なんだこりゃ?

試合展開は、予想通りボール運びのテンポが悪く、前線の力技でチャンスメークを行い、辛うじて2点をリード。パスミスからの守備連係ミスで1点を返され何とか逃げ切ったという塩辛いものであった。

まぁ、過密日程からの極寒遠方アウェーでの試合だったり、グラウンドに霜が敷き詰められているようなピッチ状態だったりで情状酌量の余地はあるかも知れないが、あまり強者の風格は感じさせられなかった。というか、離脱者が多すぎてワロえない…


まぁいいや。個人レヴュー。

・レヴィ:絶対的エースとしてめちゃくちゃカッコいいオーバーヘッドキックでの先制点をマーク。翼くんかな? とにかくシンプルにどちゃくそ上手い。FIFA最優秀選手に当確だとかなんとか。パスからポストプレーからプレスから、全てが高次元だし得点能力に至っては異次元のレベル。惚れる。

・コマン:今回のコマンは良いときのコマン。右サイドで違いを見せつけ自身も得意の形で追加点をマーク。切れ味鋭いクイックネスでの突破は引っかかりまくっていたが、スピードだけで守備陣を翻弄できるのはやっぱりでかい。
得点能力も高まるのであればかなり良質なターンオーバーができるので契約延長してほしい。今回はマジで人員不足だったし。

・サネ:あまりサイドに張り付かず、中央寄りでのプレーを意識していた印象。キミッヒ不在の穴を埋めるべく、下がってボールの配球役を担う場面も多かった。ボールの収まりどころになることも多く、キミッヒよりチアゴ寄りのプレーイメージ。
しかしトランジションが早く、攻勢に出た時のスプリントなどはしっかり怖さを見せつけた。器用になったもんだ、本当。

ミュラー:今回はやや大人しめ。ポゼッション率が高いわりに試合展開がスローペースな今回のような場合だと、ミュラーの良さは活きにくい。キミッヒ不在が悔やまれる。
しかし要所要所で攻撃のタクトを振り、根性でボールをチェイスする姿は見る者に勇気を与える。やはり無くてはならない。
なお、二点目のコマンのアシストはトリッソだが、ミュラーの絶妙なスルーがあってこそなのはガチだし、ゴール後の喜び方のダサさもガチ。愛おしすぎる。

ゴレツカ:個人的MOMは彼。小気味よい飛び出し、機転の利いた守備、B to Bの中盤として獅子奮迅の働き。最終的にはCBまでやらされてしまう利便性。
キーパー以外のポジションなら何でもこなせてしまうのではなかろうか。キミッヒ不在を切り抜けられたのはゴレツカの労基通報レベルの頑張りがあったからに他ならない。

トリッソ:中盤の停滞を招いた元凶。プレスバックの遅さ、パス精度の低さ、スペース管理の緩さ、どれを取ってもバイエルンのボランチの一角を任せるには足りなすぎる。
開始直後にゴレツカのミドルを自身の股間でブロックしてしまったのは笑えたが、あの場面であの位置に居れたことを考えると攻撃のセンスは悪くはないはず。ザビッツァーにも言えることなんだけどやっぱり適正は2列目なんだよなぁ…現に途中交代によるポジションチェンジで1列上がったときは、前述した弱点が薄まったため割と躍動していた。
昔から言っているが、まじでボランチでは起用しないでほしい。だったらゼロトップで起用した方がマシだと思う。割と本気で。

デイビス:スピード&パワー育成の権化。ウマ娘に転生してもG1級に違いないと思わんばかりのダイナミズム。
トリッソと違いプレーに責任感もあるので、突破にミスっても猛烈なリトリートで挽回する。これがチャンスの発端になることも多いので、これからも一生バイエルンで生涯を終えてほしい。

パヴァール:また右SBでの適用か…と思ったのはファンだけではなく本人もだろう。しかし今回は比較的安定している印象だった。
プレス耐性があまりないので、そのような戦術を取られると脆さも出るのだが、広くスペースを使える展開だと雑なポジショニングの弊害を受けにくいため、わりと伸び伸びと動けていた印象。
なお、交代によるポジションチェンジでCBに転換されたときは、やっぱりそちらの方がやりやすそうだった。

リュカ:守備面では特に問題なし。問題は、展開に焦れて攻めあがった時。デイビスが上がっているときは奪われた時のリスクが高まるし、逆に上がっていないなら普通にデイビスに渡して突破を図らせたりサネと連携させたりした方が効果的なはずなのだが… 
この感覚はちょっとよく分からない。ズーレですら右CBとして入ったときは進撃を控えめにするのだが。まぁ、ラテンの血が騒ぐのだろう、そうだろう。
軽い怪我があったのか、大事を取って後半はサールと交代。カオスを呼び込む。

ニャン蔵:パスの散らし、対人守備、これは良い。しかし失点シーンを見ると連携守備の拙さが垣間見えてしまう。まぁ、練習を頑張るしかない。
試合の中で鍛えれることも多いはずだが、そこまで出場が多いわけでもなければ、そもそもバイエルンが押し込まれることそのものが割とレアなので致し方ないのかもしれない。
後半で肩を痛めて交代になってしまったが、傷が空い事を祈る。

ノイアー:失点シーンは致し方なし。あわやキックミスで大戦犯になりかけたが、そこは九死に一生を得た。
スローペースで押し込み続ける展開だとノイアーはかなり前に出てきてくれることが多いので、見ていてやっぱり楽しい。そのままの君でいてくれ。

サール:リュカに代わって出場。命…夢…希望… どこから来てどこへ行く? カオスを超えて終末が近づく。
正に紙装甲の守備力で、もちろんSBとして起用すべき選手ではない。パヴァールはCBの位置に来れて安心したかもしれないが、観戦しているファンは心配でしかなかった。しかし他に選択肢がない。 コロナがクソ、クソクソコロナ。

ロカ:コマンに代わって出場。ロカはボランチに入り、トリッソが一列上がった。トリッソの弱点を薄める良い交代にはなったが、肝心のロカが試合に入れる強度が乏しく、結果論だがパスミスから一点を返される展開に。
正直、あまり試合に出ていないのと、トリッソが悪目立ちをしているので目立っていないが、やらかしの頻度は多い。
成長幅を期待したいのはもちろんだが、試合に出る以上は結果で答えなくてはならないのが厳しい所。

ティルマン:負傷したニャン蔵に代わり出場。試合時間も少なくあまり試合には絡めなかったがCLの大舞台に出場した経験は糧となるはず。
というかニャン蔵の怪我は完全に想定外で、替えられる選手がいなかったため、なんとゴレツカがCBの位置まで下がり、ティルマンは適正の二列目に入り、それまでいたトリッソがまたボランチの位置に戻るというカオスな配置転換だった。
正直、選手たちもプチパニックだったと思う。

オマリチャ:サネに代わり出場。デイビスのサブだったはずが並び立つ布陣に。縦関係になるのかと思いきや、サネの位置にティルマンが入り、多分本人も初めての右サイドでの出場となった。だったらサールをWGにした方が良いと思ったのは自分だけではないはずだ。
試合時間が少なくはあったものの、とりあえずサールの右SBよりはよっぽど可能性を感じたと記しておく。

ナーゲルスマン:この台所事情でよくやったと思う。しかしこの人のトリッソ(あとザビッツァー)の起用の仕方はどうも共感しにくい。

ウルライヒとフリュヒトル:二人とも召集されるとは思っていなかっただろう。そして結局出番はなかった。ボランチいなさ過ぎてノイアーを起用したらキーパーのお鉢が回ってくる可能性はあった。(なかった)

キュイザンス:なんでお前もこのタイミングでダウンするねん。

総論:コロナクソ。ノイアーボランチ起用ワンチャンあった。(なかった)
トリッソとサールよ、永遠に。

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