2021 CL GS　ベンフィカ vs バイエルン

社会人に午前4時のリアタイは無理。今回もディレイ視聴での観戦でござる。
相手はポルトガルの強豪ベンフィカ。斜陽のバルサを上回る評判で、一筋縄ではいかない印象が強い。
そう言えばチアゴ・ダンタス君は元気かな？　と思ったらレンタルに出されていた。残念。
なお、サネはオタメンディとシティ時代のチームメイトで、しっかり旧交を暖めていたようでほっこり。


今回は体調不良のゴレツカとナーゲルスマン監督が非帯同となり、多少馴染みのないスカッドに。
ということでスタメンはこちら。

ナーゲルスマン不在なので、シンプルに5レーンを意識した3ー4ー3の布陣。

ここからちょっと真面目に試合展開についての印象/感想を。

・バイエルンの５レーンにシンプルに対応できる5バックでベンフィカは準備を整えて守備に集中。
・中央に厚みを持たせ、ボランチの裏のスペースも活用されないように工夫しており、レヴァークーゼン戦のチャンスメークシーンを研究してきたような印象。
・攻めに関してはハイラインの裏のスペースを少数で一気に突くことを狙っており、危ないシーンも数回見られた。
・逆に言うと大量得点を狙えるプランではないので、とにかく失点しないことが前提になる。

そんな感じ。敵ながら素晴らしいインテンシティで、後半の中頃までスコアレスで進行。
そう言う意味ではベンフィカの狙い通りの展開と言っても過言ではなかったとも思う。

しかし、対応されながらもしっかりチャンスメークを行えるのがバイエルン。個での突破だったり、タイミングをズラすアイデアで打開を図る。
ベンフィカも良く守っていた。ガチガチに固めた相手に対してはサイドからサイドに振り回して突破口を穿つか、ミドルシュートを叩き込むのが一般的な効力法だが、流れの中では先制点を奪われることはなかった。
だが、サネの完璧なフリーキックが決まってしまい大勢は決してしまった。あれはベンフィカからして見たらノーチャンス。

追いかける展開になると厳しい。ゲームプランが崩れ、専守防衛では決して追いつけないため、守備に綻びが生じる。
一方でバイエルンとしてはやることは変わらない。攻めの意識が強まったベンフィカに対して、多少守備のインテンシティを高めつつ、少し浮き足立ち始めた相手陣を蹂躙。
追加点が入ったことにより完全に相手のゲームプランは瓦解。最初の我慢比べに勝ったバイエルンがそのまま押し切る形に。

…ふぅ。素人があんまり真面目に語るもんでもないな。以下個人レビュー。

・レヴィ：ベンフィカのゲームプランは先に述べた通りなので、とにかくマークがきつかった。先制されたらほぼアウトなの近いため「こいつはマジで点を取るからヤバい」と言わんばかりに集中して守っていたベンフィカの守備陣は頑張っていた。まぁ、それでも点を取ってしまうのがレヴィである。184cmなのに競り負けないし、ボールを収めるスキルがヤバいし、一瞬の隙を突く精度が半端ない。キリングマシーンとかターミネーターとは良く言ったものだ。そのうちロボコップとかも呼ばれそう。

・ミュラー：一般的な4ー2ー3ー1のトップ下ではなく、右SH的な配置でのプレー。若い頃によくこなしていたポジションのため、もちろん違和感なく躍動。
コマンのオフサイドで取り消しにはなってしまったが、幻のゴールシーンはミュラーらしさが現れていて良かった。今後もオプションとしてこの布陣では同位置で活躍してくれそう。

・コマン：久しぶりのスタメンで気合いが入っていたからか、ミスターリスボンは復帰戦とは思えぬ好調ぶり。
ガチガチに固められた際のブレイクスルーの一つが個での突破だが、左サイドを切り裂くコマンは確実に相手の脅威となっていた。
昨シーズンの輝きはまだまだ健在。これからもサイドの役者として猛威を奮って頂きたい。

・サネ：個人的MOMは彼。彼しかないでしょう！
「右サイドだと微妙なので左に戻したらイキイキしてきて、更に中に絞るプレーを覚えてより良くなったぜ！」→「だったら初めから中央寄りのポジションやってみっか〜」→「ファンタジスタ爆誕」
オマケにめっちゃ守備する。なにこれ。本当に進化のスピードが凄まじすぎる。ダイスラーを超えている可能性あるぞマジで。

・キミッヒ：今回はかなり引いた相手だったため、守備のタスク面で過労が心配される展開にはならなかった。
相変わらず隙を見つけてキーパスを送り出す砲台として躍動。
普段の試合で頼れる存在であるのは万人が知ること。しかしながら特に浮き足立った相手に対しては、冷静なパサーであり、最後まで完膚なきまで全力を尽くそうというゲルマン魂の権化であるキミッヒの存在は実に効果的であり、オーバーキルの際にはだいたい彼(とミュラーとレヴィ)が関わっている。
あんまり名誉なことではないかもしれないが、個人的には世界一の死体蹴り職人である。

・ザビッツァー：ゴレツカ不在にて初のスタメン起用。ということで、相変わらずのポーカーフェイスだがプレーの一つ一つにやる気が感じられ、引いた相手攻略の基本に忠実なミドルシュートなども見せてくれた。
随所で気の利いたボールの散らしを行なったりと、持ち味の大局観を発揮できた印象。引いた相手に対するプランとして彼の起用は理にかなっていると素直に思った。贅沢を言えばあとは数字が欲しい！

・リュカ：裁判の状況とかよくわからんが、とりあえず試合には出れた。試合中は裁判のことなど頭から完全に抜け落ちたかのように集中してプレー。3バックの左というのは合っており、持ち上がっての攻撃参加も面白いアイデア。
パス精度については…まぁ、練習して頑張ろう！

・ウパメカノ：むしろ君が裁判になっているんじゃないかとばかりに集中が切れるシーンがあったが、とりあえず義務失点は回避できたので良しとする。
攻撃に参加するタイミングが微妙なときもあるので、アラバの影を払拭するにはそこを更に磨きをかけてほしいところ。でもまだ若いしこれから！

・パヴァール：右WBとして出場。高い位置でチャンスメークに貢献しており、惜しいシュートも見せてくれた。最近の中では一番動きは良かった印象。
とは言え、攻めのシーンでのオフザボールの動きは改善の余地が大きいし、幅を取らなきゃならんのに中に寄りすぎていてパスの出しどころに困るシーンも目についてしまった。ポグバだったらキレてる。
無理ないペースでブラッシュアップに努めてね。

・ズーレ：３バックの右として出場。ズーレロールは今回は封印と決められていたのだろうな、というくらいに大人しくしていた。でもそれだと守備の軽さの方が目につきがちになっちゃうんだよなー。デカいのに空中戦が得意というわけでもないし、やっぱりフリーダムに進撃するズーレが見たいと思ってしまった。
…また3ー4ー３のときは、次はパヴァールと位置を入れ替えてみてほしいと少し思ってしまったのは内緒だ。

・ノイアー：個人的次点MOMは彼。
まさに壁。まさにベンフィカの誤算。うまい具合にワンチャンスを得ても、ノイアーが思ったより固くてゴール出来なかった。並のキーパーならゲームプラン通りに進めた可能性があったが、残念そこはノイアーであった、という印象。
少し中途半端なパスもあったがご愛嬌。今回も頼れるキャプテンのスーパーセーブに救われて、結果的には快勝で締め括れましたとさ。本当にありがとうございます。

・ニャブリ：パヴァールに代わって出場。右WBとして入ったが、間もなくミュラーが交代したので慣れた高い位置での配置に。
個での突破を可能とする人材であり、もっと早く投入しても良かったかもしれないと思う人も多かったかもしれないが、先制されていたら有り得たと思う。
安定したプレーで攻撃を活性化。その後、先制点が生まれ、実質ニャブリの得点に等しい追加点のOGも生まれた。なお、髪型は全く安定していない。

・スタニシッチ：ミュラーに代わり出場。ニャブリが交代して間もなくの投入にて、結果的にはパヴァールとの交代に近い。
決して無理をしないプレーで良いバランスを保っていたが、攻め上がりのタイミングなどは完璧で、ダメ押しの４点目を冷静なラストパスでアシスト。
守備強度が向上すれば本当にラーム２世になれる器やで。

・ムシアラ：コマンに代わって出場。出番が少なかったので暴れ足りなさそう。
引いた相手にムシアラのドリブルは良い突破口になりそうだったが、今回はその役はコマンに譲った印象。ナーゲルスマンが出向していたらまた違ったかもしれないが、過密日程期間なので質の良いローテーションで英気を養いつつ次戦で爆発させてほしい。

・オマリチャ：一枚警告を受けたリュカに代わって出場。彼も比較的無理をしないプレーが多いので試合を締めるには良い交代。
残り時間は少ないとは言えCLの舞台で気合を感じさせるプレーを見せてくれた。アピールしたいところかもしれないが、ちゃんと冷静なプレーに徹してしたのは高評価。過密日程だからちゃんとチャンスはある。焦らず健やかに研磨してほしい。

・トリッソ：ザビッツァーに代わって出場。残り時間ぎ少ないこともあり、去年の同時期にアトレティコ戦でゴラッソを決めたこともあるかも知れないが、とにかく気合いは入っていた。
アピールしたいところかもしれないが、オマリチャとは違い俺たちのトリッソはしっかり空回り、キックをふかしまくっていた。
…その意気や良し！　英語で言うと、ナイスガッツ！

・ナーゲルスマン：風邪かと思ったらコロナ陽性だった。大丈夫かマジで。

・トップメラー：ナゲさん療養につき急遽代行監督に。シンプルな力勝負に持ち込み、結果として快勝できたので良かった。修正の得意な監督が居ないと、現場では選手の戸惑いが非常に強くなるのは想像に難くない。
わかりやすいタスクとプランで、とにかく混乱が起きにくいように計らった甲斐はあった。
お疲れ様でした！　というか、イケメンっスね。

・ゴレツカ：体調不良らしいが、ナゲさんがコロナとなると心配は加速する。チーム内に蔓延すると洒落にならん。こんなんで崩壊はやめてくれよ…？

総括１：試合後に選手たちが述べていたように、我慢がとにかく必要な試合だった。結果的には快勝だったが、我慢比べに押し勝ち先制できたからこそのこのスコア。スコアほどの差はなく、ベンフィカは普通に強かった。

総括２：サネのトップ下はファンタジーの扉

総括３：コロナはただの風邪…であってほしかった

さぁ、過密日程。
去年は本当にカツカツだったが、今年はそこまで悲観的なムードは漂ってはいない。
選手、スタッフ、ファンたちの健康と繁栄を祈るばかりである。

総括４：CLリアタイ無理