見出し画像

<プレビュー> 2021.12.09 CL GS第6節 バイエルン vs バルセロナ

さて、グループステージもあと1戦を残すのみ。バイエルンは勝ち抜けが決まっている一方で、バルセロナはなかなかに大変な現状。

ベンフィカがディナモ・キエフとのホームゲームを控えているが、キエフにとっては消化試合のアウェー戦で、正直モチベーションは高くないと考える。ベンフィカ勝利を前提とすると、バルセロナにとっては直接対決で敗れているためアウェーのバイエルン戦での勝利が必要。

一方のバイエルンは勝ち抜けは決まっているものの、勝利ボーナスが欲しかったり、クラブOBたちからの無言の圧があったり、バロンドールの腹いせで八つ当たりをしたかったり、やはり勝利を奪いにいかねばならないところ。

メディアや界隈民の予想では、ホームのバイエルンが断然に優勢。
過去のデータを引き合いにしている意見もあったが、個人的に数シーズンも前のデータはあてにならないし興味もないので、現状のスカッドから見たプレビューという名の一方的な印象論を語ろう。

まず、予想スタメンはこちら。

画像1

何ともまぁ、お互いに何とも言えないベスト布陣である。離脱者が多すぎので致し方ないが、正直ガチの殴り合いを見たかったところはある。

離脱者を確認。バルサに関しては、ペドリ、アンス・ファティのエース格の二人のほか、スタメン格のアグエロ、バックアッパーのセルジ・ロベルト、ワゲ、ブライスウェイトといった面々が残念ながら不出場となる。

一方でバイエルンの離脱者もなかなかに大変で、キミッヒ、ゴレツカといういつものダブルボランチが揃って欠場。スタメン格のニャブリも負傷で欠場。交代要員のザビッツァー、スタニシッチも怪我で不在。チュポ=モティングはコロナ感染。あとオマケのサールとキュイザンスまで怪我で不在。こんちくしょう。

まぁ、出れないものは仕方ない。養生してほしいものだ。

今回の見どころは、とりあえず以下の3点「①トリッソとデンベレ、どちらがやらかすか」「②ボールの狩りどころがどこになるか」「③バイエルンはやる気があるのか」とする。

①:ボランチ居なすぎ問題
トリッソは過去にも何度も何度も言及しているが、とにかく色々と目を覆いたくなるようなシーンが多い。
とにかく走らない、プレスが緩い、プレーが粗い、気が利かない。
ナーゲルスマンの指導で多少はマシになってきているが、尻ぬぐいをしてくれるキミッヒもゴレツカもいないので、ロカの負担はやばいことになる。
むしろそのロカすらも地雷の可能性がある(というかかなり高い)

一方で現状でのバルサの大きな武器にデンベレの個というものがある。
しかし誰もが知っていることだが、これもガチャ要素が高い。
マッチアップするのがド安定のスピードスターことデイビスなので、ハマればデイビスごとサイドを完封できるかもしれないが、逆にチンチンにされてコマンと一緒に蹂躙される未来もある。

② どっちがボールを持つの? 問題
バルサはボールを持ちたがるチームだと思うが、以前のようなハイプレスはどうせシャビは研究しているだろうし、なによりバイエルンの中盤は不安の権化が鎮座している。
これまでのように中盤で刈り取って縦に早く進めるというのは難しい気がする。
むしろサイドに追いやられて必死にリトリートしても、気の利かない中盤によってポッカリ空いたスペースをフレンキーが有効活用してボコられる、という未来すらも見える。

相手がデンベレだといくらデイビスでもスピードでねじ伏せるのは無理だろうし、多分バイエルンがボールを持っても、あまりリスクは侵さず進めていくのではなかろうか。
でもサイド to サイドでうまく揺さぶる技術がトリッソとロカにあるかと言われると微妙なので、コマンのクロスゲーになる気もする。
いかん、いよいよ夢も希望も無くなってきた。

バイエルン的には「ボールを持てればリスクはかけずに空中戦に持ち込む」「ボールを持たれるなら、なるべくサイドに押しやって中央はとにかく空けないようにする」って感じになるのではなかろうか。

何故かって? それくらいボランチが不安だからです。

③ どこまでガチるか問題
レヴィ、ミュラー、ノイアーは最後の最後まで殴り続けるメンタルを持っているが、ナーゲルスマンはどうなのだろう。
ぶっちゃけこんな消化試合より週末のリーグ戦の方が圧倒的に大切なのはクラブマネジメント上では真実。

でもやる気満々な選手もいるし、お偉いさんもそうであろう。なにより見ているファンのためにも、ポーズとしては全力モードにせざるを得ない。
下手にターンオーバーして惨敗でもしたら、各所から非難が殺到するだろう。特にベンフィカあたりから。
ちなみにバイエルンは、クラブ的にはバルセロナよりベンフィカとの仲を取り持ちたいはずである。ダンタスを迎え入れたようにスカウト強化もあるが、そもそもレアルと良好な関係をキープして続けている歴史がある。

ナーゲルスマンはこう考えるであろう「せや! ガチっちゃダメな言い訳がありゃ、メンバーを休ませられるんちゃうか!?」と。

ということで、おそらく普通にプレーさせて、ちょっとした接触があったり足の違和感を訴えたりという場面があれば、きっと積極的にターンオーバーして休ませるだろう。
「仕方ないんや! 全力で行きたかったけど、ミュラーこけてたやん! 選手生命が第一や! いやぁ~ガチでバトりたかったけど、負傷者多すぎて仕事にならんわ~。しょぼい結果だったけど堪忍な!」

…いや、許されんな。
それをどうにかして勝つのが監督の仕事。
リソースは限られているし、不安があれば積極的な交代も辞さないと思うが、その中でガチってくれるでしょう。

マインツ戦は、もう知らん!


バルサの試合はそこまでたくさん見ているわけではないが、少しは見ているので、需要があるかはしらないが、スタメンについての雑感というか一口メモを記しておこう。

side バルセロナ

・コウチーニョ 元バイヤン戦士。今一つバルサでの立ち位置が定まっていない。サイドに居る分には怖くないが、ロカとパヴァールでは不安。

・メンフィス 上手いし運動量もあるが、多分ズーレに潰されるので個人でどうにかという展開にはなりにくい。

・デンベレ 速い。デイビスとのマッチアップが注目だが、仕事をやり遂げるが先か、ばてるが先かという勝負になる。

・フレンキー プレス耐性が異常に高いので中盤でのボール奪取は分が悪い。割と執拗にマークさせるかも。

・ブスケッツ いろいろ気の利いたアンカー。トリッソに爪の垢を煎じて飲ませたい。スピードやパワーの勝負に持っていけるかどうかなので、ミュラーのコーチングで自由を奪いたいところ。

・ニコ 若いけど非常に技術力の高い選手。上手い。けどなぜかゴールへの意識が乏しい印象が強いので、正直あまり怖さはない。

・アルバ お馴染み。年齢を重ねて老獪なプレーも厄介。ムシアラ・ロカ・パヴァールの若さ+不安定のサイドで大丈夫か? 

・ピケ お馴染み。クロスゲーになるとピケはかなり厄介。落下地点の予測能力が高く、ウパメカノと比べると月とダンゴムシ。スピードは劣るので裏抜けから決めたいが、ニャブリが居ないのが痛い。

・アラウホ 対人守備能力が極めて高い。でもビルドアップに関しては、全くと言うほど怖さが感じられない。

・デスト 割と気が利く攻撃的サイドバック。と思っていたが、どうなんだ? クーマンバルサで器用貧乏な起用をされていた印象が強くて何とも言えない。今回の試合の出来についてはデンベレ次第な感じがある。

・テア 批判も多かったようだが、普通に反応速度の良い名キーパー。バイエルンと戦うチームのキーパーはバフが掛かる現象が多いが、なぜかこいつはデバフが掛かる気がする。


一応、バイエルン側も。

・レヴィ 何でもできるセンターフォワード。本当に何でもできる。弱点は特にない。守備も上手いし実は足も速い。

・コマン 切り返しの鋭いサイドアタッカー。突破とフィニッシュワークを割とやりたがるタイプ。その日の調子がクロス精度にモロに反映され、クロスがワロスだったときはコマンでなくウンコマンとなる。

・ムシアラ 足元の技術がやたら高く、色々と気の利くプレーもできるティーンエージャー。ヌルヌルしたドリブルでの個人突破のチャレンジをすることもある。なおリスク管理能力は高いのでミスが致命傷になりにくい。バイエルンのアイドル。

・ミュラー バルサ絶対に潰すマン。展開によっては空気になることもあるが、真価を発揮するのはポジトラの時なので、根本的にバルサを相性が良い。プレースキッカーを務めるときもあるが、だいたい何も起こらない。

・ロカ ほとんど試合に出たことが無い。パスは上手いがプレースピードも判断も遅く、プレス耐性はそこそこだが守備が上手いわけでもないので狙われると厳しい。CLデビュー戦は交代早々に軽率な守備を披露し、一瞬で退場していった。

・トリッソ 先述した通りの不安の種。『身長と引き換えに、多少動けて単純なパワーを得たフェライニ』とでも思ってほしい。

・デイビス 速い。フィジカルもあり当たり負けしにくい。前に出たときにカウンターで裏を狙われることも多いが、猛ダッシュで戻ってどうにかする自作自演守備に定評あり。今回は相手が俊足のデンベレなので、どうか。

・パヴァール 基本的な対人守備能は高いが、いかんせん元々CBの選手なのでSBとしてはどうも今一つ迫力に欠けるところがあるし、連係ミスで戦犯になることも多い。コウチーニョにチンチンにされそう。

・ウパメカノ ハイレベルなDFであることは間違いないし、パスもフィードも上手い。しかし最近連携面での不安があることがバレた。そしてハイボールの処理はそれ以上に壊滅的であることが発覚し、メングラに5-0で負けた。仮にCBの相方がニャン蔵だった場合、もっとも恐ろしいFWはルーク・デヨングだったかもしれない。

・ズーレ 意外に安定感のあるプレーもできるようになった巨人。鈍重に見えてトップスピードはかなり速いが、実は空中戦はそこまで得意でもなく、高さではなくパワーで制圧しようとするタイプ。興が乗ると進撃し始め、ダブルダッチを駆使しズーレ砲を打つ。

・ノイアー 近代サッカーのゴールキーパー像を塗り替えた偉人。相変わらずスイーパー的な位置にいてピンチを刈り取ったりするシーンが散見される。テアとの代表キーパー対決に燃えている、かもしれない。


まぁ、こんな感じだろう。

全力で戦えバイエルン。いけ。ころせ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?