2021.12.05 第14節ドルトムント vs バイエルン
注目の首位攻防戦はデア・クラシカーである。ぶっちゃけ消化試合のCLバルサ戦なんてどうでも良いほどにこちらの方が大切な試合。
昨今のバイエルンはドルトムント相手には勝ち続けているものの、ほとんどスコアほどの差のない白熱したゲームばかり。
しかも今回においては下田さんが実況である。こんなの最高のエンタメだろ。
そんなめちゃくちゃ大切な試合のスタメンはこちら。
もちろんほぼベストに近い布陣ではあるものの、とにかくキミッヒの離脱が本気の本気で痛い。
センターラインのレヴィ、ミュラー、キミ&ゴレ、ノイアーは基本的には固定なのだ。質の良いターンオーバーができると良いのだが、キミッヒの代役は一級芸人トリッソと来たものだ。不安しかない…
結果を先に書くと2-3にてバイエルンの勝利。互いの得点シーンはミスを咎める形に偏っているため、ハイライトだけ見ると塩味が強いかもしれない。
しかし、凄まじくハイテンポで激しいトランジションの転換があり、あっという間の90分だったと言えよう。
後は個人レビュー。
レヴィ:個人的MOMは彼。というか、シンプルにめちゃくちゃ上手い。本当にバロンドールを獲ってほしかった。こういう試合でしっかりドッペルバックを決めるのが大エース。全盛期はまだ続く。
サネ:今回はあまり目立つシーンは少なかった。というか、大外のデイビスのレーンを空けることを覚えたサネは中に絞ってプレーメークを頑張る役目をやらされることが増えてし、持たされる展開だと尚更なので仕方はないかも。リトリートの場面でサネのスピードは活きるので、ボールを持ちたがるチームとのゲームでは期待したい。バルサ戦とか。
コマン:突破のアイデアが豊富な彼だが、今回は手を焼いていた様子。しかし、決定力の面で違いを見せ1ゴールを記録。前半終了間際の勝ち越しゴールだったので、非常に良いタイミングで、これでチームはかなり精神的に楽になった。普通に基本的な能力の成長を見せてくれているので、難航していようと契約延長はできれば勝ち取りたい。無理なら仕方ないかな…
ミュラー:豊富な運動量と適格な前線のコーチング、そして絶対に勝ち点を奪おうという意志の強さ。まさにミスターバイエルン。執拗なチェイスで前線でボールを奪い、レヴィの同点ゴールを御膳立て。キミッヒにも言えることだが、強い闘争心と高いインテリジェンスというのは正に昨今のバイエルンを表している。「バルサのDNA」とか「アトレティコ魂」など言うように、チームカラーを反映した「バイヤニズム」の象徴でいてほしい。でも、プレースキッカーを務めるのは、残念ながらあまり可能性を感じさせてくれないのでそれは別の人に譲るようにしてほしい。
ゴレツカ:今回は今一つプレーに切れがなかった印象。やっぱり相方が以心伝心のキミッヒでないと、気を回すことが多くて大変なのかもしれない、とか思った。特に今回の相方は気の利かないことで有名なトリッソだし。マッチョ化しすぎて燃費の悪いアメ車みたいになっていないか…? それでも及第点以上のプレーを見せてくれるのがゴレツカ。これからも頼りにさせていただきます。
パヴァール:「はぁ…また右SBかよ…」と試合前からきっとテンションは落ちていたことであろう。だが、何だかんだで案外そこまで悪くなかった。今までは軽率なミスはともかく謎のポジショニングで孤立するシーンやサイドに押し込まれ続けてボールを狩られまくるメングラの悪夢など、トラウマチックな姿を想起させらていたが、監督の指導が良いのかバランス感覚が向上している印象あり。地力はある選手なので更なる安定を期待したい。
ウパメカノ:対人守備、足元の技術は流石のもの。とはいえホーラン相手はなかなかに大変だった模様。ブラントの先制点は連係ミスによるものなので、改めて練り直す必要はある。また、ホーランのゴールシーンに見られるように、浮き球の処理が実はめちゃめちゃ苦手。ハイボールの落下地点予測をことごとく見誤ったメングラの悪夢を想起させるので、そこは猛特訓してほしいところ。
リュカ:連係ミスによる失点はあったが、あとは概ね問題なし。あわやホーランと一触即発か、というシーンもあったが普通に握手していた。ウパメカノとブラントの接触時にはいち早く救護班を大声で要請するなど、人として非常に好感が持てる。多分、普通にすごく良い奴。連携の改善という点でみると、どちらかと言うとデイビスとのコミュニケーションを向上させた方がチームとしての伸びしろは大きいと感じるので、そこらへんよろしくやってほしい。
デイビス:いつも通り、早いし強い。唯一無二のスピードがあるので大抵のポカは自力で取り返せる。しかし限度があるのでリュカとのコミュニケーションは課題。サネとの連携は向上しているので是非ともより高みに向かってほしいところ。
ノイアー:いつも通りの安定の守備。というか、被ゴールについてはキーパーに非は無いと思う。今回の試合での反省点としてはDF陣へのコーチングの面でのみ心配という感じか? ノイアーはドイツ語しかできないのに、一方でDF陣にはドイツ語を母国語としているメンバーがいなかったという。もちろんある程度は大丈夫だろうけど、細かいコミュニケーションも必要になってきている感じの昨今だと無理がでないか気になるところではある。
トリッソ:TwitterのTLでは糾弾されるのが当然になっている彼。しかし、今回の試合での立ち回りは決して悪くはなかった。他より2テンポは遅かったプレスバックが改善されていたし、チャレンジングなプレーと堅実なプレーの選択バランスが良かった。もともとパワーはある選手なので守備の改善はチームとしても良い底上げになっており、ザビッツァー(今回はお休みだが)やムシアラよりも序列が上になっているのは何の悪夢かと思いきや、割と納得させられるパフォーマンスだったと思う。そして最後の無人ゴールへのシュートミスでしっかりオチをつけてくれた。なお、ローマへの移籍が取りざたさせられているが、正直「モウリーニョが好きそうなタイプだよな…」という感想が真っ先に出てしまった。多分、ランパードも好き。
ニャブリ:サネに代わり途中出場。右でも左でも遜色なくプレーできるのはやっぱり非常にありがたい。プレーメークの点ではサネに軍配が上がるが、周りを活かす能力や裏抜けの技術はニャブリの方が高い。質の高い攻撃陣がそろっているので非常にありがたいことである。案の定、その後にコマンの交代もあり主戦場は左から右へとコロコロ変遷した。
ズーレ:リュカに代わり途中出場。リュカは接触による怪我のリスクを鑑みてのことだと思う。最近のズーレはCBの位置では割と堅実なので、割と安心して見れた。ドイツ人なのでノイアーの細かな指示にも対応できる点でも〇である。
ムシアラ:ゴレツカに代わり途中出場。こんな線が細い子をボランチに起用して大丈夫なのかと毎回不安になるが、いちいち気の利いたプレーを選択してくれるせいで大事には至らず。しかしやっぱりバンビは攻めてナンボの選手なので攻撃的な位置にきてほしいところというのがファン心理であり、実際コマンが交代後はウイングに入った。ヌルヌル突破が見たい。
ニャン蔵:コマンに代わり途中出場。ボランチでの起用で、これでムシアラはウイングに入れた。ニャン蔵はもともとアンカーの選手だったということなのだが、正直守備強度がそこまで高くないので積極的に先発起用をされるにはまだ足りない印象。逆に言えば、そこさえ成長すれば更なる飛躍が見込めるので、プレーの幅を広げる意味でもまたチャレンジしてほしいところでもある。いや、嘘。離脱者が戻ってくるほうが優先だな。
キミッヒ:やっぱりキミッヒが居るのと居ないのとではまったく別チームだよ…早く帰ってきておくれ…
ナーゲルスマン:よくもまぁ、いろいろと足りないところを仕込めたものだと思う。でも多分本当はシステム面でのチャレンジを色々したかったんだろうな…人が居な過ぎて、限られたリソース内での結果を求められるという残留争いチームのようなムーブをしなきゃならなかったと考えると申し訳なさすら感じる。
下田さん:下田さんの「レヴァンドフスキー!」から得られる栄養素がきっとあるし、将来は癌に効くようになる。
ロカ:果たして試合に出れるレベルなのか…?
ブラント:大丈夫なのか…?
フンメルス:大丈夫なのか…?
総括:ゴールにつながるチャンスメークシーンのしょぼさ以外は非常に見ごたえがあり大満足。これでしっかり1位を盤石にしたい。次はバルサ戦、どう出るか。