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(仮称)栗子山風力発電事業の山形県環境影響評価審査会(環境影響評価準備書)を傍聴してきました。

 2024年7月10日、山形市あこや会館において、専門家による審査会が行われました。テレビカメラは、さくらんぼTVと山形放送が取材に来られていました。夕方にはニュースとして報道されました。

 FNNオンラインにさくらんぼTVの報道が復活してましたので、リンクを貼ります。また、今回は#8となっております。これまでの報道を#1から追うことが出来ます。


 山形放送の動画は削除されているので、文字の部分を引用させていただきました。

山形放送
米沢市の栗子山で計画されている風力発電事業を巡り、事業を行う企業が提出した環境への影響や対策に対する審査会が10日、山形市で開かれました。会の有識者メンバーからは市民との意見交換を十分に行うよう求める意見が出されました。

米沢市の栗子山では現在、東京のJR東日本エネルギー開発が、風力発電事業を計画していて、最大で10基の風力発電機を設置し、2028年度の稼働を目指しています。
一方で、地元住民らで組織する市民団体は周辺に生息する国の天然記念物のイヌワシが風車に衝突する恐れや近隣住民への健康被害などを理由に、計画への反対を訴えています。
10日は、企業側が環境への影響や対策についてまとめた環境影響評価準備書の審査会が開かれました。会の有識者メンバーは鳥や動物への影響に対し、より踏み込んだ対策が必要、住民と十分な意見交換をすべきーなどと指摘しました。出席した企業の担当者は、対策については、指摘を踏まえて検討したい、広く米沢市民を対象とした説明会を開催したいーなどと応じました。

傍聴した近隣住民「みんなが考えている心配がどうなのかが今回の審査会では十分クリアになっていない。懸念は懸念と言い続ける」
県環境影響評価審査会 横山潤会長「希少な生物が多い地域でもあるので、それに対する保全対策をしっかりやってくださいということが基本。地元の方と事業者が同じ方向を向いて進んでいけるようにお互いの意見をしっかりとすり合わせて開発を行うなら行うし、計画を中断するなら中断するということを決めていくことが大事」

県は審査会を踏まえ、事業の認可を行う経済産業省に対し、8月下旬をめどに吉村知事の意見を提出する予定です。また、JR東日本エネルギー開発は8月4日と5日に米沢市で住民説明会を開く予定です。



 追加の審議という事で、これまで何が審議されたのかは10日の時点ではわかりません。今回は、地質に関する土砂災害については審議はありませんでした。専門家の意見を踏まえて、事業者はどんな回答をするのか、興味を持って見てましたが、あまりにもあっさりでどこまで真剣に捉えているのか、サッパリわからない。真剣に捉えるどころか、馬鹿にしてませんか?傍聴席からはそんなふうに思えました。

 低周波音の調査が、秋に2回しかされていない。住民が1番心配しているところなので、もっと四季を通じて回数を調査するように。との指摘に、

「ご意見ありがとうございます。」

だけ。たった一言で終わりました。回数を増やすとも、調査するとも言わない。
やるわけないでしょ!
と、聞こえなくもない。

住民に十分な説明をするように、と言うことに関して、

「近隣住民には説明をやっており、良好な関係を築いている。また、米沢市全体に対しては、8月に説明会を開く。」

 良好な関係を築いている❝住民❞とは、広い意味での事業関連者であると思われる。事業関連者だけに説明し、良好な関係を築いている、として市や県に報告しているのではないか。実際に、市の報告書の中にも、住人とは良好な関係にある、と記されている。8月に住民説明会を設定したのも、審議会の場でちゃんとやってます!のアピールをするためだったのでしょうか?多分そうですね。審議会での印象を良くしようとするアピールのためだった。だから、効果的な7月1日号の市報に入れ込み、それから2週間以内の10日(水曜日)の審議会。計算してますね~。

YBCのニュースの中で、県環境影響評価審査会の横山潤会長は、審議会終了後のインタビューで下記の様に述べています。
「希少な生物が多い地域でもあるので、それに対する保全対策をしっかりやってくださいということが基本。地元の方と事業者が同じ方向を向いて進んでいけるようにお互いの意見をしっかりとすり合わせて開発を行うなら行うし、計画を中断するなら中断するということを決めていくことが大事」
 これは、賛成・反対を、法律上言う事の出来ない審査会において、一歩踏み込んだ発言だったと思います。
 この言葉は、風力発電を反対する全ての米沢市民へのエールにも聞こえました。

 超低周波音の調査が少ない事への専門家の指摘に、
「ご意見ありがとうございます。」
それ以外、何も述べなかったことから、同じ方向を向いて進んで開発していこうという事業計画は、無い、と言えるのではないでしょうか。これまでの再三にわたる説明会の要請も無視し続けてきた、ことからも明らかなように思います。

2024年7月11日、山形新聞
2,024年7月18日、読売新聞


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