ウィッシュ見てきた

ひどい

あらすじ

地中海のどこかに浮かぶ島国ロサス
ハンサム
な魔法使いの王マグニフィコが作ったその国は王様に”願い”を守ってもらえて、選ばれた人は魔法で”願い”を叶えて貰えるという評判で世界中から人々が集まって栄えているのでした。

王様が作った”願い”の魔法のルール
①18歳以上の全ての国民が”願い”を王に差し出す。(しゃぼん玉みたいになって記憶ごと身体から抜ける)
②城に保管された”願い”の中から選ばれたものが王様に叶えて貰える(年間14件くらい)
③叶うまで”願い”の内容は忘れる


白人男性で邪悪な権力者のマグニフィコ王「”願い”が叶わない辛さを私は知っているから、成人した国民全員から”願い”を取り上げよう。」

王の侍女になる面接に来た黒人で清く正しい若い女の主人公「うちのじいちゃん今日で100歳になるんですけど順番まだですか?」

邪悪白人男性王「『ギターで人を感動させたい』うーん、いい”願い”だけど反乱分子を生みそうだからダメ、今日叶える”願い”は他の人の『国で一番のドレスを仕立てたい』にするわ!w」

正義黒人女性「叶える気がないなら”願い”は返しませんか?」

白人「無理。叶わないと辛いから。」


その日の夜

「チクショーあのクソ王、許せへん…!ヤケクソで星に”願い”を込めて歌でも歌ったる!」

黒人が森でヤケクソミュージカルをかますと、魔法の星型マスコットが空から降りてきて不思議パワー炸裂!
動物も木もキノコも喋りだし空にはまばゆい光が輝きます!


翌日

「昨晩のやつ、誰の何の魔法だよ。どの魔導書にも載ってねえし。反乱分子か?こうなったら”禁じられた魔法の本”使うしかねえか…?いややめとこ…」

急に空から落ちてきた星型マスコットのミラクルパワーもあるし王から家族の”願い”盗むで!!」

「はいマジギレ~”禁じられた魔法の本”出すわ」


その後、真の邪悪な存在と化した白人となんやかんやバトルして黒人が勝って白人王は魔法の杖に封印されて物置行き

国民たちの”願い”は解放され、自力かあるいは星型マスコットの魔法パワー(およびそれを受け取った黒人女性主人公)の力でかなえられることになるのでした。めでたしめでたし。


感想

ルール説明あったやんけ!!!!!!!!!!!!!

超序盤にルール説明があるんですよ。

国側が出してるルールが
・成人は”願い”を差し出す
・”願い”を叶えてもらうまで内容を忘れる
・叶える”願い”は儀式で王が選ぶ(作中で『去年は14件』と言っていたのでそんなもん)

で、お前らそれ聞いてこの国に来たんじゃないの!???????????

実際には王が邪悪なので国益になる”願い”しか叶えられていなかったのですが、その結果何もなかった島の上にキレイな城と城下町をドカっと構えて、世界中の人を受け入れてEVOの会場ぐらい人種多様性に溢れてる上に治安も良さそうな国を作ってるんですよ。しかも移民審査とかも無く”願い”のルールだけで受け入れまくってんだよ。

まず王様ありがとうございますじゃんねえ~~~~~~~~~

しかも願いの内容が『ギターひきたい』レベルで…
勝手に弾けよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

映画のクライマックスで愚民どもが「願いは自分で叶えるぜ~」って歌うシーンがあるんだけど

お前!!!!!!!!
この国の豊かさを散々味わっておいてお前!!!!!!!!!!!!!!



王様に同情しちゃう問題

少なくとも禁じられた魔法を使う前の王様は
先住民を虐殺していない、奴隷を使っていない、人種差別で虐殺してない障害者差別してない、歴史的に見て間違いなく善良な王様なんすよ

もちろん王様にも問題があって、ジョジョのプッチ神父的な過保護さと自己顕示欲みたいなものは間違いなくあるんですけど、じゃあ安定した建国・繁栄を望むのがそんなに一方的に断罪されることなのか?
(作中では詳しく描かれないが、王の部屋に焼け落ちたタペストリーが飾られていたり、王が”願い”が叶わぬことの苦痛を語る部分で過去の挫折を匂わせる)


星型マスコットと考え無しの女が民衆扇動してぶちのめす程の邪悪なキャラじゃないんすよね、最初”禁じられた魔法の本”を使おうとしたときも止めてるし。


まあ、まあわかるよ、
・”願い”を人々から取りあげる
・国益にかなうものだけ叶える

これが邪悪な為政者、独裁者の表現なのは。


でもさあ~~~~~

そもそもマグニフィコ王が魔法を使えるのも「世界中の魔法を頑張って学んだから」なんすよね。
週末はボランティアしてるし、障害者も孤児も生きていける福利厚生のしっかりした国を作ってる。
宝石にまみれてるわけじゃなく、愚民が逆らわない限りは穏やかでフレンドリーな王様をしてる(途中で無礼者のカスどもがァ~~~みたいなミュージカルがあるけど)

独裁者は独裁者なんですけど、限りなく有能で私利私欲の薄い独裁者なんですよ。
しかも独裁者っつっても、何もない場所に国を作って願い目当ての移民が集まって栄えた国なわけで、元々ある国を乗っ取ったとかじゃないの。


いやあ、最後は杖の中に封印されて誰にも同情されず終わりなんですけど、そこまでする悪役か?
少なくともクソ星型マスコットが場を荒らすまでは善良さを持っていた人をそこまでやるか?
お前らはそうやって『平和で優しい世界』を作るのか?

何も責任を持たない、努力もせず天から恵まれたスーパーパワーを持つだけのパッパラ女がこの王より良いのか?
侍女の面接に来たその日に「身内を贔屓してうちの家族の願い叶えてちゃぶだい!w」つってる女だぞ?


テーマめちゃくちゃ問題

・”願い”を大切にして自分でがんばって叶えよう!

まあこれは正しいじゃないすか。よくある普遍的なメッセージとして。

・でも魔法もあるよ!

これが終わっとる。
邪悪な王から魔法をとりあげておいて黒人女性には魔法の杖を持たせたまま映画が終わる。

捨てろ!!!!!!!!!!!

なんで魔法の杖を主人公だけ持ったまま終わるんだよ!!!!!!!!!!

せめて国民全員に持たせろや!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


核ミサイルの発射を止めたヒーローが核ミサイルの発射スイッチ貰って終わるみたいな感覚だよ!!!!!!!!



まとめ

見てる最中段々雲行きが怪しくなってきて

最初は「おめぇぶっ殺すぞ(悟空)」くらいに思っていたんですが途中から「ぶっ殺すぞテメー(浦飯幽助)」ぐらいの気分になってました。

願いの魔法目当てで移民が集まって栄えた国は今後滅びるんだろうけど、まあ知ったこっちゃないですね。
国の外から見たらバカのクーデターにしか見えないだろうな。


あ、映像もショボくてゲロつまらんです。

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