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葉山にできた隠れ家的カフェ『Coffee Ranger 裏葉山店』

新しいカフェが近所にオープンするということで、早速行ってみることになった。
店主は”コーヒーレンジャー”の小野さん。

レンジャーとは何かと言われると、言葉に詰まる。
実は夫も、”キリストレンジャー”の肩書を持っているらしいのだが、実状がよくわからない。

そこで色々と聞いてみると、
どうも二人とも『空き家再生プロジェクト』なるものに参加しているらしかった。
神奈川県の逗子・葉山を中心に活動していて、放置されてしまった地域の空き家を自分達で再生していく。
素人も玄人も含めて、みんなが楽しく空き家再生に参加することを目指す。

プロジェクトに加わったメンバーは、それぞれ自分のカラーを決めることから始まる。
そして〇〇レンジャーを名乗るのだ。
(コーヒーもキリストももはや色ではないけれど)

そんな空き家レンジャーの活動拠点『HAYAMA FACTORY』の一角に、
今回新しくカフェが出来た。

靴を脱いで上がった店内は6、7畳ほどのスペースで、手前には年季の入った木のカウンターが見える。
奥には同じく木のテーブルが2つ並べられており、周りに人が自由に座れるようになっている。
店内には既に何人かの先客がいて、テーブルの1つはうまっていた。互いに知り合いらしく店内は賑やかだった。

「あなた妊婦さんなの?」
空いている場所に腰掛けようとすると
小学生ぐらいの子供を連れた女性に、不意に声をかけられた。
それなら壁にもたれた方が楽じゃない?と、手早く席を勧める。
そして、一人でオーダーに追われる店主に代わり、私たち夫婦にメニュー表を渡してくれた。

「雨なのに、来てくれてありがとう」
コーヒーを淹れながら店主の小野さんが顔を上げた。
お客さんと店主の距離は近く、客と店の人というよりは、知り合いの家にお邪魔しているようなものだ。

一人一人と顔馴染みらしく、小野さんは時々それぞれの会話に入っていく。

初めて飲んだドラフトコーヒーは、濃くがあるのにまろやかな、不思議な味わいだった。



しばらくして席を立った私達に、
先ほどの女性がまた声をかけてくれた。
妊娠している時はとにかく大変だから、旦那さんがちゃんと助けてあげなきゃだめよ〜、などなど。
初めて出会ったのに、もう知り合いのような気さくさが互いにあった。
有生も私も笑いながら店を後にした。

私にとってカフェというのは、一人で行くか、それとも親しい友人と静かに時間を過ごす場所だった。

でもここは、初めて出会った人と、いつの間にか会話が始まって
いつの間にか知り合いになれるような場所だった。

『Coffee Ranger 裏葉山店』
葉山に新しくできたこのカフェは、平日はセルフカフェといって、店主不在でもお客が勝手にコーヒーを淹れてお金を置いていけるようになっている。(ただし事前に店主に一報が必要)

気ままに立ち寄れて誰かと話せるこのカフェに、また行ってみたい。

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