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作品展示のお知らせ
10月7日(水)より26日(月)まで、吉祥寺の古本屋「百年」で作品の展示を行います。
◇古谷利裕「人体/動き/キャラクター」◇
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会期:2015年10月7日(水)-10月26日(月)
時間:平日12:00-23:00 土曜11:00-23:00 /日曜-22:00 火曜定休
(10月17日は19:00まで)
会場:吉祥寺・百年 (武蔵野市吉祥寺本町2-2-10 村田ビル2F)
http://www.100hyakunen.com/
【追記】アーティストトークを行います。ゲストは小説家の柴崎友香さんです。
◇古谷利裕×柴崎友香「人体/動き/キャラクター」アーティストトーク◇
•日時:10月24日(土)13:00~14:30(開場12:30)
•会場:百年
•入場料:1000円
•定員:50名(要予約)
•http://www.100hyakunen.com/news/info/201510111795
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(1)最初にあったのは「体の動き」でした。人の動きを、最小限の線の関係のみによって抽象的に捉えようとする「動きのスケッチ」を、毎日、たくさん描きました。日常的な動きもあれば、自分にはとてもできないアクロバティックな動きもあり、また、「逆立ちしようとしたら、右脚がつけ根から外れて体内に向かって落ちてきたが、左肩から抜けて外へと零れ落ちた」というような、構造的(現実的)に不可能な動きもありました。
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(2)たくさんのスケッチのなかから、「動き」それ自身としてキャラが立っていると思われるものをいくつか選び出しました。そして、それぞれ異なる複数の「動きのキャラ」たちを、振り付けをするように関係づけ、統合することによって作品をつくることを考えました。
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(3)スケッチは元々、体を、他人のものとして外側から捉えることと、自分のものとして内側から捉える感じとを、意図的に混同して、外的であると同時に内的でもある「動きの感覚」を捕えようとしたものでした。「動き」というのは体そのものではないので、「あくび」が移るように混同によって伝播し得る。そこで、選び出した「動きのキャラ」たちが、フレームを越えて異なる作品へと横断的に行き来できるようにしようと考えました。
具体的には、スケッチをコピーし、それをもとに厚紙を切り取って「型」をつくりました。手と筆によって紙の上に直観的に描かれたストロークは、ここで、コピーという行為を媒介とし、カッターで切り取られた厚紙の「穴」へと変換されました。
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(4)穴に絵の具が詰め込まれることで「ストローク」と「その関係」が再現されます。「型」を媒介とすることで、「動きのキャラ」たちは、様々な異なるフレーム、異なる支持体の上へと転送されてゆきますが、しかし同時に、それぞれのフレームのなかで、固有の役割、関係、表現をもつものとして受肉されるようにと意識して制作しました。
横断と受肉。個々の作品は、それぞれ閉じていると同時に、秘密のルートで他と繋がってもいるというようなイメージです。
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(補遺)上の文章にも書きましたが、今回展示される作品のモチーフは人体(の動き)です。なにをいまさらというような、西洋美術においてはオーソドックスな主題です。人体をモチーフにした作品をつくりたい、というか、人体を描きたいという思いは、2007年に人物クロッキーをはじめた(受験時代以来で再開した)頃からずっと持続していて、ようやくそれを実現したということですが、直接的なきっかけは、「アーティストファイル2015」の小林耕平の作品の一部にあった、マニ車のようにしつらえられた段ボール箱の表面に描かれたとてもシンプルなドローイング(山形育弘と神村恵によって描かれたものらしい)に大きく動かされたということでした。
展覧会を観たのは7月の終わりで、あんな感じのを描きたいなあと、帰ってすぐに、コンビニで買ったコピー用紙に、ブラックジェッソと筆で、たくさんの「抽象化された人体の動き」のスケッチを描きはじめ、(夏の強い光への興奮のなかで)毎日毎日描きつづけました。はじめた時は目的もなく、ただ描きたくて描いていたのですが、すぐに、この多量のドローイング群を素材にするという形で作品がつくれないだろうかと考えるようになりました。
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