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碧巌録

1 廓然無聖かくねんむしょう

わだかまりのない晴れた大空の様。

第1側 達磨廓然無聖だるまかくねんむしょう

2 至道無難しいどうぶなん 唯嫌揀択ゆいけんけんじゃく

至道の道はたやすい。選り好みを嫌うだけ。

信心銘しんじんめい三祖 鑑智僧璨かんちそうさん

第2則 趙州至道無難じょうしゅうしいどうぶなん

泰然自若たいぜんじじゃく

日面仏にちめんぶつ月面仏がちめんぶつ
1800年生きた仏と一日一夜の寿命の仏
生きるもよし死ぬもよし。

第3則 馬大師不安またいしふあん

勘破了也かんぱりょうや

見破る。
事の是非をよく考えて明らかにすること。

第4則 徳山到潙山とくざんいざんに至る


大擬現前たいぎげんぜん

いままでこれで安心と言っていたものが
自分の根底が下から崩れてしまう。
自分を含めた世界全体が、大きな疑いに
化してしまう。その大きな疑いを通過し
てはじめて真理の知に気づく。

尽大地じんだいち
地球・世界。何ものにもとらわれない自由。

第5則 雪峰尽大地せっぽうじんだいち

日日是好日にちにちこれこうじつ

今日、今、この日、この時。
立 無念為宗 無相為体 無住為本
まさに住するところ無くしてしかも
その心を生ずるべし。

第6則 雲門日日是好日うんもんにちにちこれこうじつ

騎牛求牛きぎゅうきゅうぎゅう

牛に乗って牛を求む。求める物はあなたの中にある。

第7則 法眼慧超問仏慧超、法眼に仏を問う

せき

雲門乃関うんもんのせき
     一回透得雲関了ひとたび雲関を透得しおわって

  南北東西活路通南北東西 活路通ず

  夕処朝遊没賓主夕処朝遊 賓主を没し

  脚頭脚底起清風脚頭脚底 清風を起す
ひとたび雲門の関を透過とうかし終わってみると、
四方八方しひうはっぽう何のとらわれるもの無いの自由自在の境地である。

第8則 翠巌夏末示衆すいがんゲアンゴの説法

融通無碍ゆうづうむげ

人も物も難なく通して、出ていく。
正々堂々たる偉容いよう

第9則 趙州四門じょうしゅうしもん


本来面目ほんらいめんもく


自己本来の面目。
すべての人がもともと持っている自然のままの心性。

第10則 睦州掠虚頭漢ぼくしゅうらっきょとうのかん

以心伝心いしんでんしん不立文字ふりゅうもんじ

師の姿を見て悟れ、言葉による説法だけに頼るな。
自ら考えて動く。実践。

第11則 黄檗噇酒糟漢おうばくとうしゅそうのかん

吾唯足知われただたるをしる

足ることを知る人は、心は穏やかである。

足知第12則 洞山麻三斤どうざんまさんきん

銀椀裏盛雪ぎんわんにゆきをもる

白馬入蘆花はくばろかにいる

不二ふに一如の関係。
個と個が心かさなる時。

第13則 巴陵銀椀裏はりょうぎんわんり

対一説たいいっせつ

対機説法たいきせっぽう
相手と機会に応じて説く。
相手を見て言い方を変える。
説き手と聞き手の組み合わせの数だけの
「対一説」

第14則 雲門対一説うんもんたいいっせつ

倒一説とういっせつ

言句はすべて顛倒てんどうである。
言句に述べると真理はそびれてしまうという意。
しょせんは言葉と「対一説」の裏面の真を問う。
顛倒てんどうひっくり返る。倒れる。
          真実反する。

第15則 雲門倒一説うんもんとういっせつ


啐啄同時そつたくどうじ

またとない好機のこと。 また、学ぼうとする者と教え導く者の息が合って、相通じること。 鳥のひなが卵から出ようと鳴く声と母鳥が外から殻をつつくのが同時であるという意から。

第16則 鏡清草浦漢きょうせいくさうらのかん

脱却籠頭卸角駄ろうとうをだっきゃくしかくだをおろす

籠頭ろうとう脱却だっきゃく角駄かくだおろ
籠頭ろうとう
くつわを飾るために馬の頭から頬にかけてからんである美しい組糸くみいとのことです。
角駄かくだ
馬の背に負わせる荷物のことで、振り分けにした様子が双角そうかくをなしているところから角駄というのです。
「涼しさや 荷を下ろしたる 馬の声」一茶。
旅の途中の一服、さぞ馬もきもちよかろう。

第17則 香林坐久成労こうりんざきゅうじょうろう

無縫塔見還難むほうとうみることかえってかたし

あまりにも大きすぎて見えるものではない。 建てることもできなければ、潰すこともできないのが無縫塔だ。
この世に生まれてきた者は、この世に生きて人々から意味をいただき、この世を死んで意味を贈られ、ようやく自分になれる。
自分で自分の墓はみられない「人様のおかげ」で成り立つ。

無縫塔むほうとう=主に僧侶そうりょ墓塔ぼとうとして使われる石塔。

第18則 忠国師無縫塔ちゅうこくしむほうとう

諸法無我しょほうむが

「私」という意識や感覚も、さまざまな要因や条件によって形成されているものであり、恒常的こうじょうてきな「私」や「自我」は存在しないという考えを示している。
相対そうたい(比べる)ことをやめなさい。

第19則 倶胝指頭禅ぐていしとうだん

第20則 龍牙西来意りゅうがせいらいの意

第21則 智門蓮花荷葉ちもんれんかかよう

第22則 雪峰鼈鼻蛇せっぽうべつぴじゃ

第23則 保福妙峰頂きほふくみょうほうのいただき

第24則 劉鉄磨台山りゅうてつまだいさん

第25則 蓮華峰拈挂杖れんかほうねんしゅじょう

第26則 百丈奇特事ひゃくじょうきとくじ

第27則 雲門体露金風うんもんたいろきんぷう

第28則 涅槃和尚諸聖ねはんおしょう「人に説かなかった法」

面南見北斗南に面して北斗を見る

第29則 大隋劫火洞然だいずいごうかどうねん

第30則 趙州大蘿蔔じょうしゅうだいらふ 

第31則 麻谷振錫遶床まよくしんしやくじょうしょう

振錫しんしやく=行脚あんぎゃ

第32則  臨済仏法大意りんざいぶっぽうたいい

第33則 陳尚書看資福ちんしょうしょかんしふく

第34則 仰山五老峰ぎょうざんごろうほう

第35則 文殊問無著もんじゅとうむじゃく

第36則 長沙一日遊山ちょうさ一日ゆざん

第37則 盤山三界無法ばんざんみかいむほう

第38則 風穴鉄牛機ふうけつてつぎゅうのき

第39則 雲門金毛獅子うんもんきんもうしし

第40則 南泉如夢相似なんせんの庭先の花

第41則 趙州大死底人じょうしゅうだいしていのひと

第42則 龐居士好雪ほうこじひとひらのゆき

第43則 洞山寒暑廻避どうざんの寒暑を避ける

第44則 禾山解打鼓かざんたいこを打てる

第45則 趙州不衫七斤じょうしゅうふさんしちきん

第46則 鏡清雨滴声きょうせい雨だれの音

第47則 雲門六不収うんもんの六に収まらず

第48則 王太傳煎茶おう太傅と朗上座の茶の振る舞い

第49則 三聖透網金鱗さんせいと雪峰のきんりんの魚

第50則 雲門塵々三昧雲門のちりぢりざんまい














雪竇重顕せっちょうじゅうけん980‐1052「雲門宗うんもんしゅう
偈頌げじゅ ‐ 仏の功徳をたたえる詩。


圜悟克勤えんごこくごん1063‐1135「臨済宗楊岐派りんざいしゅうようぎは
垂示すいし  ‐ 教え示す。
評唱ひょうしょう ‐ 批判鑑賞
著語じゃくご  ‐ 短評

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