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リングフィットアドベンチャー&フィットボクシング考① 結局効果はどうなのか

 いつか何かでまとめたい、と思っていたNintendo Switch『リングフィットアドベンチャー』と『フィットボクシング』に関するあれこれ。総論としては「近年まれに見る布教したい一本(二本)」なので推薦文ではありつつ、健康方面・ゲーム方面の無駄話の混じる記録やら所感やらを雑多に書いていきます。

 初回は大変安直ながらまあ世間的にも一番気にされているだろうこのテーマで。
 先達さんによるレビューや成果報告記事もバズったもの含めて複数ありますが、「3か月で10kg減」「毎日プレイ」「with食事制限」「見事なムキムキ」など、あまりに模範的な記録も多かった(実際「ほかに何かやったんだろう」「食事制限のほうが重要」「これは例外」的な反応を良く見る)印象なので、「そこそこ頑張って続けてるけど毎日は厳しいしご飯はおいしい(お菓子もおいしい)」ぐらいのプレイヤーがどんな感じの成果を出しているか、をそのまんま記します。

初期ステータス

 前提として必要と思われる情報を置いておきます。

プレイヤー:
 昭和晩年生まれ 女

状態:
 趣味ゲームと物書きの超インドア型無精人間。社会人になって運動不足&間食増で8kgほど増量。2018年後半、背中に無駄肉が付き始めていよいよヤバい、せめてこれ以上の膨張は防ぎたい、と運動(ゲーム)に手を出す。
 スポーツはそこまで嫌いでも苦手でもないけど日常的にはほぼしない。この世で一番NGな運動は長距離走。

『フィットボクシング』:
 体験版の評価が良いのを見て発売日(2018年12月20日)に購入。

『リングフィットアドベンチャー』:
 発売初日の評判を確認してすぐ(2019年10月22日)購入。

運動以外に改善したこと(してないこと):
・3食 ⇒ なんとなーく過食を気にする(特に制限してない)
・間食 ⇒ 明らかに高カロリーなものは控えめに(全く絶ってない)
・ジュース類 ⇒ 能動的な購買は完全にやめた

 飲食に関しては単純に「生涯続けられる」と思ったことはやる、「続けられない、続けたくない」と思うことは絶対やらない、というスタンスで始めました。ジュース類はこの先一滴も口にしなくても全く平気だけど、ご飯もお菓子も減らし続けるのは無理ですわ……粉ものも餅も芋も煎餅も甘いものも大好きですし……という基準。
 ついでにやめたのはいわゆるペットボトル売りの清涼飲料水系のみで、外食時はジンジャーエールとかコーヒーとか普通に飲んでます。お酒はもともとほとんど嗜みません。

 そんなゆるゆる改善でどうなったか、が以下。

結論① 効果はある

 結果から述べますと効果あります。まどろっこしいことは抜きに、フィットボクシング購入から現在までの最終記録を。
 体重はさすがに生々し過ぎたのと、男性プレイヤーさんもいらっしゃるしということで相対値のBMIにしました。男性は体脂肪率・骨格筋率をそれぞれー10、+8ほどして貰えるとおおよそ実感に近くなろうかと思います。

(2018年12月 ⇒ 2020年7月)
 BMI: 25.2 ⇒ 21.1
 体脂肪率: 37.9% ⇒ 26.4%
 骨格筋率: 26.2% ⇒ 28.6%
 内臓脂肪レベル: 5 ⇒ 3
 体年齢: 実年齢+8歳 ⇒ 実年齢-1歳
 
 当然ながら日々ブレがある&初めのうちは変化幅も大きかったので、Beforeは「記録上一番ヤバかった数値(≠外れ値)」、Afterは「2020年7月の平均値」を書いています。骨格筋率以下は2019年4月から測定しているので、実際の開始時の記録はよりエグい数値であった可能性大。

 この数値がどういうレベルなのかはオムロンタニタあたりの情報をご参照ください。ざっくり「軽度肥満に片足突っ込んでたけど無事標準値になりました」と言っていいと思います。

 こうして最初と最後の数字だけ持ってくると絵に描いたようで胡散臭さがありますが、経過としては下図。計測を忘れた日は前後の数字で埋めています。なるべく線が重ならないように軸を調整したので比率がばらついている点はご容赦。

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 これだけで大要は伝わる気がしますが、以下、図中に入れた①~④の期間ごとの補足をしていきます。

経過① フィットボクシング開始

★フィットボクシングプレイ期間4か月

BMI: 25.2 ⇒ 23.6
体脂肪率: 37.8% ⇒ 33.5%

 変化後の数値は基準日前後10日間の平均値です。2か月弱続けた頃のツイートがあったので持ってきました。

 プレイスタイルはツイートに記している通り。それなりに頑張っている記録だと思いますが、週4時間ほど欠かさず運動して1か月で1kg減の成果、と言うと「そんなもん?」と感じられるのでは。そんなもんです。しかし気付けばなかなかの積み上がり方になっていました。1週間や2週間そこらの記録を見て「1kg増えた! 減った!」と一喜一憂することに意味はないと齢ン歳にしてようやく実感した次第。

経過② 体組成計買い替え

★フィットボクシングプレイ期間8か月

BMI: 23.6 ⇒ 21.8
体脂肪率: 33.5% ⇒ 28.4%
内臓脂肪レベル: 5 ⇒ 4

 半端な時期で区切ったのは単に2019年4月20日に体組成計を買い替えたからというだけの理由です。上で挙げた骨格筋率は体脂肪率と単純に反比例するデータのため省略。
 古いタニタ製の体組成計をスマホアプリとの連動でデータを飛ばせるオムロン製のものに替えたのですが、グラフを見ると一目瞭然、体脂肪率のブレがやたらに激しくなりました。そもそも体脂肪率は同じ日でもほいほい変わるわ、ホルモンバランスによって月の間に5%以上の増減もおかしくないわ、という高精度の測定が難しいデータなので、体重以上に長期の傾向で見ないと駄目なよう。

 プレイ開始から半年の浮かれたツイートを以下に。

 数字上も軽肥満域を完全に脱し、変化が目に見えるところまで到達したのか、人に「痩せた?」と言われるようになったのもこの期間中の秋口あたりからでした。なぜかみんな廊下ですれ違いざまに訊いてくる。

経過③ 『リングフィットアドベンチャー』開始

★フィットボクシングプレイ期間1年4か月
★リングフィットプレイ期間6か月

BMI: 21.8 ⇒ 20.8
体脂肪率: 28.4% ⇒ 25.3%
内臓脂肪レベル: 4 ⇒ 3

 購入からしばらくはリングフィットのアドベンチャー進行をメインに据えたので、フィットボクシングのプレイ時間が少し短めに。一番気にしていた(ダイレクトに健康に影響しそうなので)内臓脂肪レベルが学生時代の数値に戻って快哉を叫んだのを記憶しています。
 アドベンチャー1周目クリア時にツイートしていたのがこちら。

 あたかも真面目によそ見をせずこつこつとプレイを続けているかのような空気を醸し出していますが、実はこのあと配信されたFE風花雪月のDLCのお陰で2月~3月にかけてだいぶサボり倒しています。

 あれこれ比較されがちなフィットボクシングとリングフィットですが、並行プレイを続けた結果として「ゲームとしての造り」だけではなく「身体への影響」にはっきり違いがあるなと感じました。このあたりは後述……というか次の記事で改めて触れます。

経過④ テレワーク始まる

★フィットボクシングプレイ期間1年7か月
★リングフィットプレイ期間9か月

BMI: 20.8 ⇒ 21.1
体脂肪率: 25.3% ⇒ 26.4%
内臓脂肪レベル: 3 ⇒ 3

 あれ、増えてない? はい、増えてます。体脂肪率は前の平均取った期間がちょうど身体リズム的に落ちる時期だったことも大きいものの。
 コロナウイルスの影響で4月からテレワークでの在宅勤務が始まり、平日行き帰りの徒歩5,000歩がまるっと消失。消費カロリーにして約150kcal。かつコンビニおにぎりなどで済ませていた昼ご飯の量が増加。いわゆる「コロナ太り」を喚起させかねない状況に。
 こりゃやべえ、ということで移動時間を運動に充てることにし、少しプレイ時間を増やして今のところ横ばいを保っています。グラフの形がおかしくなったのは、おそらく会社からの帰宅後すぐ、で一定を保っていた計測タイミングが変化してしまったからかと。

2020年7月31日時点のプレイ記録(※ゲーム内計測の実運動時間)
『フィットボクシング』:244時間
『リングフィットアドベンチャー』:100時間

 以上、今日までの記録の垂れ流しでした。まとめとしては以前Twitterでも書いたものですが、
・数日じゃ目に見える結果は出ないよ
・月に20日以上プレイしても減る体重は1~2kg程度だよ
・でも食事制限なしで1年半でそれなりの数字になったよ要は継続だよ

 というところに落ち着きます。

 OKこれだけ確認できたなら問題ない、という方はここまでお読み下さりありがとうございました。以下は次回記事の予告を含む蛇足です。

結論② 「効果」をどう捉えるかによる

 経過と成果をまとめると、フィットボクシング&リングフィットアドベンチャーには「肥満傾向だった人間をプレイするだけで標準域まで更生させるレベルの効果あり」ということになりました。めでたしめでたし……いいやちょっと待ってほしい。そんな安直に言い切っていいのか。体重だけ見ても1か月で1kg、半年で6kg、1年余りで10kg減という成果が出たのは、正確に言えばそれだけの運動をしたからです。ゲームを起動して漫然と自動的に痩せたわけじゃありません。ゲームのお陰で効率的に痩せられたわけでも痩せやすくなったわけでもありません。
 私はそこそこ時間長め・強度高めにプレイしているほうかと思いますが、記録にも表れている通り、特に標準域に入ってからは体重も体脂肪率も微減~横ばいで推移しています。何故かと言えばそれだけの活動に納まっているからです。それでも自身はこれを「充分な効果あり」と捉えています。

 「このゲーム話題になってるけど効果ある?」という問いに対する答えとしては、「このゲーム使ってプレイヤーが動いた分だけ効果あるよ」というものが正確なところかと思います。もしくは「このゲームを使うとプレイヤーが成果の出るような運動をするかもしれない効果があるよ」か。
 ごく単純な、当たり前の話ながら、ともするとこのあたりが曖昧に捉えられがちで、要らない失望の素になっていると感じます。

 特に人気ゆえにたびたび目にする「『リングフィット』でダイエット!」という期待は大きな悲しみに繋がりかねないものかと……「1か月続けても全然痩せない! 」なんて例も多々あるはず。でもそれで「効果なし」と言っていいのか? ということで続けてこんな記事を書いてみましたよ。

 両タイトルをゲームの造りではなく、数値と実績ベースで比較していきます。

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