Traveler型の心のありよう
しかし、履歴書的な捉え方ではなく、わたしは「予期せぬできごと」に対する、
「心のありよう」こそがより重要だと思うのです。
思いどおりにものごとが進まなかったとき、予定調和がくずれたときに何を思うのか。
たとえを旅に戻しましょう。
旅先でパスポートをなくしてしまった。
「明日から仕事なのに!」とイライラするか。絶望するか。
「何かおもしろいことがはじまる!」とわくわくが勝るのか。
これも旅の楽しみだ、人生の肥やしだと開き直れるか。
これがわたしの考える「ツーリスト」と「トラベラー」の定義です。
わたし自身はこれから先の人生にたしかな保障もなければ、
これといった見通しもありません。
ただ、現在地点に対して、自分自身で納得はしています。
「こうなるしかなかった」「誰のせいにもできない」
こういうと、聞こえはネガティブですが、たいへん気楽なものです。
好奇心が不安を圧倒しています。
この状態はいまの仕事にもポジティブに働いているようです。
たとえば仕事において「仮説→検証」のプロセスは必須ですし、
また醍醐味の部分でもあります。
(いかにトラベラーだと開き直っても常に思いつきで行動するのは考えものです)
しかしながら、「まちおこし」は地域の多様なかたと関わらなければなりません。
わたしは以前、法人むけの営業を行っていたのですが、
まちづくりにおける合意形成は、企業の意思決定よりもさらに複雑なかたちを取ります。
それは人間関係がたいへん入り組んでいることもそうですが、
スーツや肩書を取り去ったあとの「まるごとの人間」として、
それぞれの生活者が存在感を発揮しているからだと思われます。
どこに落とし穴があるかわかったものじゃありません。
そういう、予測不可能なできごと、
もはや意識のらち外からの哲学的な壁にぶちあたったとき。
そんなときですら、時間がたてば少なくとも「おもしろい」と思える好奇心は、
いまのわたしにとって大きな味方だと実感しています。
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