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五葉城

五葉城を目指して山を登ると、そこには高城砦(たかつきとりで)という極めて良き城があり、先にそちらを紹介してしまいました。

五葉城と高城砦の関係ですが、現地案内看板によればこんな感じです。

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山頂が要塞化された城で、傾斜のある崖により守られ、両翼に出丸と堀切部、さらに五葉城よりも高い山を高城砦で守っています。
どんな城かといえば、現地案内看板によれば、標高348mに位置し、浜松市北区、新城市、豊川市一宮、豊橋市石巻といった平野部を眺望できる要衝に立地しています。豊橋市北東部に拠点を構えた西郷氏の支城。高城砦と一体運用されていたようです。

高城砦から五葉城に戻ると堀切部が現れます。これがなかなかのもの塹壕状の土塁が二重に取り巻き、虎口を守り、見応えがありました。下の写真はわかりにくいかもしれませんが、写真下方に土塁状の高まりがあります。

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結構な長さの土塁に、思わず「おお!」と叫んでしまいます。そして、その先にある虎口と思しき部分が土塁を組み合わせて侵入を阻んでいます。

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相変わらずの写真だと伝わりづいらい問題が・・・。もどかしい。ぜひ、現地で体感していただきたいです。堀切との組み合わせて侵入を阻む!という気概が伝わってきます。

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ここの堀切部は五葉城の見どころだと思います。堀切部を行ったり来たりして、凄さを確認していたら時間をかなり取られてしまいました。しかし、それくらい見応えがありました。私的にはおすすめの場所です。
その後、いよいよ本丸部分に突入です。

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入り込みたいのを我慢して一度通り過ぎただけに、待ってました感が強い。あまり整備されていない、と、「愛知の山城ベスト50」に記載がありましたが、なるほど、地表観察は絶望的な状況です。縄張図の土塁などの状況が藪でわかりません。

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城マニア的には残念なものの、木々のトンネルを抜けていく様はトトロの森を抜けていくかのようで、面白くはありますけどね。

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急に開けた場所に出ますが、本丸の手前の腰曲輪的な場所のようです。高低差があり、写真右側に土塁とかもあるようなのですが、木々に覆われ残念ながら確認できません。振り返ると高城砦が確認できます。

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そして、本丸に向かっていくと、木々がなくなりいきなり眺望が開けてきます。

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山頂に到着=本丸制覇、という感じです。とにかく眺望が素晴らしい。豊橋、豊川、新城が一望できます。ここを押さえておけば、敵の動きはよくわかる。ここに城を築こうとするのもうなずけます。

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結構な広さのある本丸。ただし、土塁的なものが確認しづらいのが残念です。時間もなかったので確認作業は諦め、眺望を楽しむこととしました。

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ほんと、空って広いねぇ、と、思わず呟いてしまう。冬の寒空の下、暖かな日差しを楽しめました。その後、帰路に着くついでに出丸へ寄ります。

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道が楽しい城です。城見学というよりハイキングを楽しんでいるような感じになります。この地域の城は、低登山になることが多いためハイキングとして楽しむのは十分にありだと思います。ハイキングの先にちょっとした歴史好きにはたまらないものがある、という感じ。低登山もブームなだけに、どちらも楽しめてお得な地域と言えるかと。

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出丸への案内看板もあってわかりやすい。また登りになりますので、体力のない方はゲェッとなるかもしれません。山城歩きには日々の体力メンテナンスも欠かせません。出丸の縄張図には特に土塁などの特徴はないのですが、どう見ても何らかの意図を持った高まりが見られますので、何かしら手を加えているように見えます。

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そして、新城市内が非常によく見えます。菅沼定盈の野田城もよく見えたことでしょう。武田軍が移動しているのも見えたかも。。。想像するとちょっと怖いですね。

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枡形だの馬出だのが明確にわかる城ではありませんが、地形を改変することで敵に対応しようという意図がよくわかる城です。尾根筋の弱点にきちんと防御が施されている点などを考えると、縄張図で見るだけでは伝わりにくい、実戦を想定したよく出来た城だと言えます。
なんにせよ、まずは低登山として楽しむことが一番良いのではないか、と、思える城でした。冬は木々に葉がなく眺望が良いので、オススメの時期ですよ。

五葉城 新城市富岡字南川

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