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二行の何か(仮)

 少し前から二行の文章を書いている。詩でもないしものがたりでもない正体不明のなにか。韻とかまったく気にしないで書いているかし対句とか二行連などと呼ばれるものとは違うだろうと思うのでこの型式に合うオリジナルの名称を考えている。でも今のところいいものがみつからないので、とりあえず二行の何かと仮称する。

 これまでX(Twitter)に書いたものからいくつかあげてみる。各行の文字数が同じものが少なくないけれど、そこにはあまり拘っていない。



落葉のうえを跳ねるように
あのひとが好きだった歌



眠れない夜が消えてゆく
花はいつまでも花なのに



無いものばかり追いかけて
秋の余白を使い果たした



どの夜も同じ価値だとお考えですか
無愛想な月は硬い影を伸ばし始めた



気持ちが固まれば月になる
迷いが生まれたら雪になる



それを昔話と呼ぶのなら
虹はなみだで出来ている



彼の地へのあこがれが止まぬまま
航跡はそれ自体が夜のものがたり



青い聖地は静寂の風と沈黙の扉
出会いと別れの影を見せぬまま



ものがたりが曇天に吸い込まれそうで
ふたりの電車は黙り込んでしまった



似たもの同士のふたりだから
秋を上手に終わらせられない



わすれものは徐々に割れてゆくから
ぼくらは舞う雪を眺めるほかにない



風が急ぎ足になる午後を歩く
枯葉がぼくを追い抜いてゆく



流れ星は理屈じゃないから
いまでもきみを忘れられない



着信のない夜空を温めている
月がひとつしかないなんて



どの色も、煮詰めると夜になる
夜を煮詰めると涙になる



 さて、この型式にどんな名前をつけようか、迷っている。今まで考えた候補は次のとおり。


○二行詩
 そもそも詩なのか?

○二行歌
 そもそも歌なのか?それに五行歌のパクリみたい。

○段違い平行棒
 体操の種目のひとつ。正面からの見た目がなんとなく似てるかな、と。ただ、段違い平行棒って女子の種目だから、いい歳したおっさんがやっちゃだめなやつのような気もする。

○複縦陣
 艦隊の陣形の種類のひとつで、仮に縦書きで書いた場合は見た目が似ている。
 とはいえこの語を理解できるのは一部のミリヲタか、”艦これ”をプレイしたことある人くらいじゃないだろうか。ぼくは一応提督業の経験もあるけれど、それ以前からこの語を知っていた。ちなみにきっかけは「沈黙の艦隊」だった。


 やっぱりもう少し考えよう。真面目に。

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