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サンタクロース=花咲かじじい説

 クリスマスの時期になると、ネット上でサンタを追跡することができる。
 一番有名なのは、北アメリカ航空宇宙防衛司令部によるNORAD Tracks Santaだろう。プログラム自体は半世紀以上の歴史をもち、ネットでの展開も四半世紀続いているようだ。類似のサービスはGoogleやFlightradar24でも行われている。
 昨年までのこれらのサービスを見ていると、NORADが追跡するサンタは一日で全世界を駆け巡っている。Googleも同様だが、行程はNORADとは異なる。Flightradar24の方は2~3日かけて世界を回るようだ。このことはサンタが複数存在する可能性を示唆している。

 NORADやGoogleのサービスではサンタがプレゼントを配っている様子を見ることができるが、一般的に考えられているように煙突から侵入して各戸配布するのではなく、上空のそりの上からばらまいているような描写がされていることがある。それは、花咲かじじいが「枯れ木に花を咲かせましょう」と言っている時の様子を彷彿させるものでもある。
 世界的な人口増加や煙突のある家の減少により、サンタがプレゼントを配布する事業は困難を極めているはずであり、解決策のひとつとして花咲かじじいのような特殊能力を活用しようと考えることは、ごく自然のことと思われる。

 もちろん、現状では両者が同一人物であると断定することはできない。ただ、絵本などにおいて、花咲かじじいが赤い頭巾を被っていることは少なくなく、両者の関連性を暗示するものと考えることはできる。サンタが一年の大半をどのように稼働しているかは判然としないが、冬以外の季節に花を咲かせる仕事を請け負っていたとしても不思議ではないし、上述のようにサンタが複数存在しているとしたら、そのうちの一部は花咲かじじいの副業であるか、あるいは両者が業務提携している可能性もあるだろう。
 各追跡サービスは、桜の季節におけるサンタの動向も追跡すべきである。

 ぼくは、クリスマスに春を待っている。

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