見出し画像

開店まであと36日。

地震で揺れ起こされた朝だった。
昨日に引き続き、外的な要因によって眠りから
覚める。
被害に遭われた方がいなくてなによりだ。

京都の大学生に頼んでいた銭湯の絵が届く。
まだ大学一年生で、あくまでも趣味で絵を描いているそうなのだけれど、あまりにもクオリティが高すぎる。

次の日曜日に「天徳泉」さんで本を販売させていただく時までには、葉書として商品にしようと考えております。


19時半から枡野さんが出演されるお笑いライブを観覧しに行くため、タイタンの学校へ。

全部で8組出演されていて、枡野さん改め「歌人さん」は
トリ(最後の出番)だった。



事前に枡野さんから何度も「牧歌的なライブ」と念を押されていたので、グッとハードルを下げて、羊たちの戯れをみるような気持ちで鑑賞。

ところが「羊たちに沈黙」が訪れることはなかった。軽々と柵を飛び越えてきた。

1組目の漫才コンビ「ミカミ」さんは、頭を叩いたり、手の甲で胸を叩くのではなく、「顔を掴む」という見たことのないツッコミ方をされるシステム漫才で、平場の盤面制圧能力が高かった。

2組目の「ナン•ナンダ」さんは韓国語を翻訳するというフリップ芸で、最後にフリップにご自身のXのQRコードをプリントされていて斬新だった。

3組目の男女コンビ「ミシンガサ」さんは、漫才のツカミをやり直すという設定で、女性の方のワードセンスと男性とのテンションの高低差が、飽きさせない工夫を生んでいた。

4組目のトリオ「ウキビシャ大作戦」さんは、区役所に来たクレーマーを、職員が男性ホルモン(威圧)で撃退するというコントで、ものすごく完成度が高かった。

5組目の男女コンビ「クラゲX」さんは、往年のメロドラマのようなコントに、小道具がとても良い役割を果たしていて引き込まれた。

6組目の漫才コンビ「レーズンダイナマイト」さんは、宮崎出身のお二人の優しい口調が癖になり、方言に頼らず漫才コントをされていて、舞台の使い方がお上手だった。

7組目の男女コンビ「メモフローラ」さんは、2人ともキャラが立っていて見ている観客が思わず突っ込んでしまいたくなる、客席と舞台のお二人の三角形の構図が生まれていた。

そして、最後に枡野さん改め「歌人さん」
枡野さんは物書きとしても、人生においても大先輩にあたるのだけれど「お笑い」というジャンルでいうと、少しだけ僕の方が歴が長いので「我が子の初めての授業参観を、教室の後ろで観ている母親」のような気分だった。

枡野さんとそれなりの関係性を積み上げてきたからこそ言わせてもらう。
ライブ前に出演者の階級がリストアップされていて、枡野さん改め「歌人さん」だけが1番上の位の「一級」に属していた。
その時、そこには少なからずの忖度や配慮が孕まれているのではないかと思った。

だとすれば、それは枡野さん自身も喜ばないだろうし、客観的にネタを見た上で正直な感想を述べようと思っていた。

フリップが縦に長く、そこに短歌のように言葉を連ね、歌詞の解説をするというネタで、共感と意外性が内包されていた。

何よりも、枡野さん自身が周囲にそう思われているだろうというのを逆手にとっていて、すでに確立されたネタだった。

正当に評価された上で一級に属しているのだと知って、嬉しくなったと同時に、枡野さんの掌の上で踊らされているような気がして恥ずかしくなった。

枡野さん改め「歌人さん」の出番が終わり、タイタン所属の「メンコイ」さんのコントを持ってライブ終了。
500円とは思えない満足感だった。

ライブ終了後、出演していた方達の打ち上げに同行させていただく。

僕は、大勢の飲み会があまり得意ではないのだけれど、勇気を出して行って良かった。

全ての出演者の方に挨拶させていただきたかったけれど、時間が許さず途中で退席。

一昨日の水道橋博士から、今夜のタイタンの養成所生まで、やっぱり「芸人」ってかっこいい。

そんなことを考えながら、凍てつく夜道を歩く。「浅草キッド」を聴きながら。

茨道 二人並んで歩いてく いつかはきっと 
浅草キッド




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?