師弟動画解説

この動画は
・ご先祖当主の慶長時代
・過去編の学生五条と伏黒恵幼少期
・現代の原作
の五条と伏黒の師弟を描いた三部構成です。

(追記:ニコニコ動画だけリンク貼っていましたが、アクセスできなくなってるのでyoutubeの方の動画も貼りました。)

【江戸、慶長時代】
0:00~
冒頭、江戸時代の当主の御前試合当日から動画は始まります。
これが終わればどちらかは必ず死ぬ、そう分かっていてもなお飄々としている五条の姿に、禪院は理解に苦しみます。
0:19~
場面は変わって、御前試合に至るまでの二人の様子を描いています。
まだ御前試合の連絡が来る前の普段の彼らの姿。五条はワンマンで自由な雰囲気を、禪院は真面目で静かに筋を通す人柄を描いています。
0:34~
呪術師としての姿。これを描くことで彼らの職業が伝わり、またどのような戦い方をしているのかを表しました。
五条はやはり好戦的で楽し気で、禪院は比較してどこか侘しさを匂わす佇まいで、淡々と職務を遂行する姿勢です。
0:41~
五条家と禪院家の会合。当主が御前試合に出るよう御上に命じられた事に、家の面々はざわついています。
それでいいのかと真剣に問う禪院に、軽く答える五条。
0:47~
御上の前に通され、正式な通達を受けます。どこまで本気なのかと、五条の意図を探ろうとする禪院。
0:48~
当主の威厳と迫力と、死の運命を混ぜて入れています。この時の二人の表情も比較でき、これまで顔を映さないようにしていたのから一転、片目を見せて初めて表情が映ります。ここから表情解禁。
0:53~
幼少期から互いに仲の良い関係だった事、そして今の理解し合えない亀裂を表しています。
0:55~
御前試合開始。空を自由に浮くことができる五条は空から赫を打とうとします。(指の本数や形に規則性はないようなので、今回は人差指一本で)
そこにどこか様子見で放つような緩さを感じつつそれでも意気揚々とこの戦いを楽しんでいる様子も描いています。変わって禪院、こちらは走りこんできて鵺を顕現させ、雷で五条を地面に落とすように仕向けます。
鵺の攻撃を受けて地面に降りてきた五条、そこで目にしたのは、畳みかけるように奥義を放とうとする禪院の姿。それを見て満足そうに微笑む五条、そこで五条の意図を知った禪院の表情を描いています。


↑(※ここまでの補足とそもそもの設定を、初見でも入りやすく前回の動画で描きました。)前もって見る方が分かりやすいかもですが、後から見ても本編とリンクした場所が出てくることに気付けるかと思います。
五条の意図とは:
五条はワンマンで強者故にいつも心にどこか虚しさを感じていました。(これは原作での五条先生の発言から、きっと過去当主にも持っていた感情だと設定しました)それに打ち勝てる禪院という存在が、彼の強者ならではの孤独に差し込んだ一筋の光でもあり、老いや病気ではなく戦いの中で死ねる可能性に、希望を抱いていたふしもあります。(これも原作の五条先生の言葉から)それを今際の際を微笑んで迎えようとする五条の様子から気付いてしまった禪院は、こうでなかったら満たされなかった彼に、驚きと哀れみを込めた表情を見せました。

1:11~
幼少期からのエピソード。ただ御前試合をしただけの関係ではなく、幼少期から御三家として付き合いがあり、心を許した間柄だったからこそ、理不尽な死合いへの悲痛さを描こうと思いました。
(※原作では同じ術式を持った当主同士が御前試合で相打ちで死んだ、としか情報が無いので、全て勝手な捏造です)
1:18~
気心の知れた関係だった幼少期から、当主となった青年期へ。共に御三家の次期当主として日々人に囲まれ互いの距離が隔たれた生活、そして幼い頃の心が通いあった日々とは違い、相手と視線すらろくに合わない心の距離が遠のいていく関係を描いています。
それを、自分たちも環境も変わってしまったと苦々しく思っている禪院、そんな彼の葛藤を見ていまだ変わらない彼の姿を嬉しく思う五条。
1:21~
御前試合が終わり、大きく立派ながらも、どこか孤独すらも思える寂し気な先祖の墓へと眠る事になった姿。
そこに参りに来る二人の足元で、舞台が現代へと移った事を表現しています。

【現代9年前。出会い】
1:25~
伏黒恵の孤独な幼少期。けなげに玄関先で父親の帰りをじっと待つ姿と、そんな彼に後ろ髪引かれながらも、妻を失った事で自暴自棄になり子育てを放棄してしまった父親、伏黒甚爾の姿を描いています。
1:29~
五条と対峙し、決着。五条によって殺された父親の「死」を表しています。
1:33~
神聖な場所に立たせることで、今後恵が紡がれていく物語のキーパーソン、五条の大きな意味での「希望」ともなる事を示しています。左右に侍る黒と白のシスターは彼を支える式神、そして五条と彼の対称色暗示として。
1:36~
伏黒甚爾との戦いで最強となったことで、同級生との間に力の差と心の溝ができてしまい、一人線を引いたように孤独を感じる五条の姿。
1:41~
姉と二人、恵が子どもだけで生活をする様子。希望も抱かず、無力な自分に歯がゆい思いを抱えている。
そこに現れた無礼で不審な男、五条。
始めは天才故に教え方を知らない五条の無茶な指導に、恵も反抗的な態度だったり、五条もなぜこれくらいできないのかと苛立ち、その言葉すらもまだ幼い恵にぶつけます。
森での描写は、自分勝手な五条は後ろも振り返らず自分のペースで進んでいくので、焦って手を伸ばすが届かない、遠い二人の心の距離を表しています。
式神を顕現できるようになる恵。空から落として助けてやろうかと手を伸ばそうとしても、自分で鵺を呼ぶから助けはいらない、と一丁前に断る恵。
徐々に変わっていく関係性。五条の心にも成長が見えるようになり、相手をいたわり大切にするという感情が芽生えてくる。恵の成長と共に、五条もまた現代の先生になるまでの成長がここにあったのだろうと思い、描きました。森を二人で歩いている姿も、今度は歩幅も合わせ、隣を歩く姿に二人の成長と育まれた信頼関係を表しています。

2:08~
場面は変わり、中学時代の恵の姿と、今の先生としての五条の姿。
姉の原因不明の昏睡という、五条は自分では解決できない問題に、自分の力の限界とどう彼を支えるべきか詰まります。ここも、五条の心の成長を感じるシーンでもあります。
2:10~
ここからは原作の流れを汲みながら、現在の様子を描いています。場面の説明が無くても、大体の雰囲気でああ、あのシーンだなと分かってもらえるかと思いますので割愛します。
二人の日常に宿儺が現れた事により、事態が大きく変化していきます。
宿儺の力により、皮肉にも先祖と同じ道を辿る事になった五条と伏黒。
まだ本誌の終着点は分からない段階での動画のラストなので、最後はタイトルが「廻戦」ということもあり、またも同じようにめぐる運命として締めました。
ボロボロの屋敷は、過去のご先祖様時代から現代までを見てきた屋敷の姿です。時の流れと、それでも変わらぬものを表しています。

以上がこの動画の解説でした。
思ったように描けているかはわかりませんが、とても楽しかったです。
動画と、ここまで長い解説も見て下さってありがとうございました。

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