福岡平尾山荘

 福岡中央区の平尾山荘は志士に隠れ家であった。高杉晋作が10日間、滞在した。庵の主は野村望東尼であった。彼女はその情熱を短歌にして残している。山荘通りの電柱にはそのいくつかが看板となって掲げられている。幕末、維新が生んだ女傑である。


電柱に 三十一文字の 志士の歌 平尾山荘 子らの遊び場

志士たちの 心想いて 摘む土筆 維新の山荘 春は芽吹いて

志士たちの 息も聞こえる 草庵の 白き障子に 梅の紅花

筑紫野に 白くまっすぐ 曼殊沙華 拭い去るかな 志士の血涙

望東尼 大和なでしこ その気概 歌に託して 今に残せり

覚悟せる 若き志士らを 支援せり 時代は幕末 混とんとして

夕刻の 街に剣士は 自転車で 道場帰りの 女子高校生

志 身は小さくも 確たりや 静かに伝う 向陵の杜

山荘に 篤き思いの 歌残す 国を思うは いつの時でも

ふきかえの 匠もなしか 寒風に 凛と建つなり 維新の記念

茅葺の 小さき庵 耐えてあり 春夏秋冬 150年

陽もあれば 寒もありたり 山荘の 木々の短冊 雨にも濡れて

八重桜 花房の中 隠れたる つがいの小鳥 花びら散らす

そよ風に 秋の気配に セミはまだ 十と四日の 命燃やさん

冬の陽を 斜めに受けて 園は萌  紅い花びら 生命の証

芽を出すや 筑紫の国に 春を呼ぶ 一粒の雨 我を急がす

山荘に 主なきとて 咲く花は 白く小さく 夫人の心

春の夜 香り芳し 沈丁花 誰かと思う その曲がり角




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