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【エッセイ】私の好きな俳人2〜さはらこあめ

こんばんは、ふろやまです。今回も私の好きな(自由律)俳人についてです。句友の一人である、さはらこあめさんを紹介したいと思います。

こあめさんとの出会いはツイッターを通してだと思っていたのですが、それ以前に別のSNSでも交流があったことが発覚。名前変えていたから、しかもその頃はお互い自由律俳句なんてやっていなかったから、だから気付きませんでした。ある日、彼女からカミングアウトされビックリしたものです。

そんなこあめさんですが、すでに句集を出されていまして、Amazonにて販売されています。今回は私が以前に書いた鑑賞文を掲載したいと思います。たった四句分ではありますが、彼女の句の持つ魅力を感じていただけたら幸いです。では、さっそく。

駅ビルから見渡す命いっぱい/さはらこあめ

「命いっぱい」にハッとさせられた。当たり前の具象を見事に詩へと昇華。たくさんの命を意識するからこそ、相対的に自分の命の重みを知るのだ。

あっかんべえ褪せた鳥居の鴉の巣/さはらこあめ

この句からは鮮烈に「赤」を思い起こしてならない。舌の色は「赤」。褪せたとはいえ、鳥居の色は「赤(朱)」。そして、恐らくは童謡からのイメージによるものだろう。鴉といえば、夕焼けを連想してしまう。すなわち「赤」。色を言わずして表現する。何とも巧みな句である。

酔いざめにどしゃ降りをストレートで/さはらこあめ

酔うためにではなく「酔いざめ」に。酒ではなく「どしゃ降り」を、しかも「ストレート」で。何ともユニーク、かつ力強い句である。繰り返して読むと、強い酒をストレートであおった後の出来事のように思えてくるから、なお面白い。

いきどまりの彼岸花/さはらこあめ

「いきどまり」と「彼岸花」が見事にマッチし、ある種の不安感を醸し出している。その先に在るかもしれない世界を想像させるのだ。

※さはらこあめ 「く」自由律俳句集 ブイツーソリューション2016

気になった方は是非Amazonで検索してみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回は、この辺にて。しーゆー。


#エッセイ #自由律俳句 #note俳句部

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